バンド紹介

IMPALED NAZARENE（インペイルド・ナザレーン）は、フィンランド出身のブラック・メタル・バンドです。1990年に結成され、攻撃的で暴力的なサウンドと過激な歌詞で知られています。バンドは初期のブラック・メタル・ムーブメントに影響を受けつつも、パンクやグラインドコアの要素も取り入れた独自のスタイルを確立しました。

IMPALED NAZARENEは、スルッティ666（Slutti666）<Vo>を中心に1990年に結成されました。2本のデモテープ『Shamhamforash』や『Taog Eht Fo Htao Eht』を制作し、EP『Goat Perversion』でアンダーグラウンドで注目を集めました。その後、1992年にデビューアルバム『Tol Cormpt Norz Norz Norz』を発表し、独特なブラック・メタルのスタイルを確立しました。このアルバムは、ブラック・メタルとパンクの要素を融合させた作品で、多くのファンを獲得しました。

1993年には2ndアルバム『Ugra-Karma』、1994年には3rdアルバム『Suomi Finland Perkele』をリリースし、独自のアグレッシブなサウンドを確立しました。特に『Suomi Finland Perkele』は、よりパンクやハードコアの影響を感じさせる作品となっており、バンドのスタイルの変遷を示すものでした。1996年には『Latex Cult』を発表し、攻撃的なサウンドと反宗教的な歌詞で物議を醸しました。

1998年には当時CHILDREN OF BODOMに在籍していたアレキシ・ライホが加入。2000年に6thアルバムとなる『Nihil』を発売後に彼は脱退しますが、メンバーチェンジを経てさらに激しさを増しながらも、安定した活動を続け、『Absence of War Does Not Mean Peace』（2001年）、『Pro Patria Finlandia』（2006年）などのアルバムをリリースし、ブラック・メタルの枠を超えた過激な音楽性を追求しました。また、ライブ活動も積極的に行い、世界中のメタルフェスティバルに出演しました。

その後も『Road to the Octagon』（2010年）、『Vigorous and Liberating Death』（2014年）、『Eight Headed Serpent』などを発表し、その攻撃的なスタイルを維持し続けました。彼らの音楽は常に政治的・宗教的な挑発的なテーマを含んでおり、ブラック・メタル界において異彩を放っています。

IMPALED NAZARENEは、結成から30年以上が経過した現在も活動を続けています。2020年代に入ってもライブ活動を行い、過去のアルバムを再評価する動きも見られます。

IMPALED NAZARENEは、ブラック・メタルの中でも特に攻撃的で過激なスタイルを持ち、パンクやグラインドコアの要素を取り入れた独自のサウンドを築いてきました。過激な歌詞や政治的・宗教的なテーマで物議を醸すことも多いですが、その一方でフィンランドのブラック・メタルシーンにおいて重要なバンドの一つとして確固たる地位を築いています。