CELTIC FROSTとは?スイス・チューリッヒの地で生まれたエクストリームメタルの胎動
CELTIC FROST(セルティック・フロスト)は、スイス・チューリッヒ出身の伝説的なエクストリームメタルバンドです。1984年に結成され、スラッシュ・メタル、デス・メタル、ブラック・メタル、ゴシック・メタル、ドゥーム・メタルといった多様な音楽スタイルを取り入れたことで知られています。特にブラック・メタルとデス・メタルの先駆者として広く評価されています。
CELTIC FROSTは、トム・G・ウォリアー(Tom G. Warrior)<Vo,Gt>とマーティン・エリック・エイン(Martin Eric Ain)<Ba,Vo>によって、前身バンドであるHELLHAMMERの解散後に結成されました。HELLHAMMERは音楽的に批判を受けたものの、後にカルト的な評価を受け、CELTIC FROST結成のきっかけとなりました。
1984年にデビューEP『Morbid Tales』をリリースし、これがスラッシュ・メタルとブラック・メタルの融合したサウンドで注目を集めました。1985年にはデビューアルバム『To Mega Therion』を発表し、ダークで壮大な音楽性が評価され、バンドの地位を確立しました。このアルバムは、象徴的なカバーアートも含めて、後のエクストリーム・メタルシーンに多大な影響を与えました。
1987年には、ゴシックメタルの要素を強く取り入れた2ndアルバム『Into the Pandemonium』をリリースしました。この作品では、オーケストラや女性ボーカル、電子音楽の要素が加わり、賛否両論を巻き起こしました。しかし、その大胆な音楽性はゴシックメタルの先駆けとして評価されています。
その後、1988年にリリースした『Cold Lake』では、グラムメタルやハードロックに影響されたスタイルへと急激に転換しました。しかし、このアルバムはファンや批評家から厳しい評価を受け、バンドの方向性に迷いが生じました。1990年には『Vanity/Nemesis』をリリースし、再びヘヴィでダークな路線に戻りましたが、1993年にバンドは解散しました。
2001年、トム・G・ウォリアーとマーティン・エリック・エインはCELTIC FROSTを再結成し、2006年には16年ぶりのアルバム『Monotheist』を発表しました。このアルバムはドゥームメタルやゴシックメタルの要素を強調し、ヘヴィで暗黒的なサウンドが高い評価を受けました。
しかしながら、再結成の活動は長続きせず、2008年にバンドは再び解散。トム・G・ウォリアーはその後、新たにバンドTRIPTYKONを結成し、CELTIC FROSTの音楽性を引き継ぎつつも独自のサウンドを追求しています。
2008年の解散以降、メンバーたちはそれぞれ別の音楽活動を続けてきましたが、2017年にマーティン・エリック・エインが急逝し、CELTIC FROSTの復活が完全に絶たれました。
CELTIC FROSTは、その革新的な音楽性と独自のビジョンで、エクストリームメタル界に多大な影響を与えました。ブラック・メタル、デス・メタル、ゴシック・メタル、ドゥーム・メタルといった多様なスタイルを先駆け的に融合させたその業績は、現在でもメタルシーンで語り継がれています。
CELTIC FROSTのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【最終メンバー】
■マーティン・エリック・エイン(Martin Eric Ain) – Bass/Vocal(1984~1985、1986~1987、1990~1993、2003~2008)
■フランコ・セサ(Franco Sesa) – Drums/Percussion(2002~2008)
【過去メンバー】
■ステファン・プリーストリー(Stephen Priestly) – Drums(1984~1985、1988~1992)
■アイザック・ダルソ(Isaac Darso) – Drums(1984)
■トム・G・ウォリアー(Tom G. Warrior) – Vocal/Guitar(1984~1987、1988~1993、2001~2008)
■ドミニク・ステーナー(Dominic Steiner) – Bass(1985)
■リード・セントマーク(Reed St. Mark) – Drums(1985~1987、1992~1993)
■ロン・マルクス(Ron Marks) – Guitar(1987)
■クルト・ヴィクター・ブライアント(Curt Victor Bryant) – Bass(1988~1990)、Guitar(1990~1993)
■オリヴァ―・アンベルク(Oliver Amberg) – Guitar(1988~1989)
■エロール・ウナラ(Erol Unala) – Guitar(2001~2005)
アルバム紹介:CELTIC FROSTのジャンルの垣根を壊した革新性
Monotheist(2006)
- Progeny
- Ground
- A Dying God Coming Into Human Flesh
- Drown In Ashes
- Os Abysmal Vel Death
- Obscured
- Domain Of Decay
- Ain Elohim
- Totengott
- Synagoga Satanae
- Winter(Requiem, Chapter Three: Finale)
Vanity / Nemesis(1990)
- The Heart Beneath
- Wine In My Hnad(Third From The Sun)
- Wings Of Solitude
- The Name Of My Bride
- This Island Earth(BRYAN FERRY cover)
- The Restless Seas
- Phalic Tantum
- A Kiss Or A Whisper
- Vanity
- Nemesis
Cold Lake(1988)
- Human
- Seduce Me Tonight
- Petty Obsession
- (Once) They Were Eagles
- Cherry Orchards
- Juices Like Wine
- Little Velvet
- Blood On Kisses
- Downtown Hanoi
- Dance Sleazy
- Roses Without Thorns
Into The Pandemonium(1987)
- Mexico Radio(WALL OF VOODOO cover)
- Mesmerized
- Inner Sanctum
- Sorrows Of The Moon
- Babylon Fell
- Caress Into Oblivion
- One In Their Pride
- I Won’t Dance
- Rex Irae(Requiem)
- Oriental Masquerade
To Mega Therion(1985)
- Innocence And Wrath
- The Usurper
- Jewel Throne
- Dawn Of Megiddo
- Eternal Summer
- Circle Of The Tyrants
- (Beyond The) North Winds
- Fainted Eyes
- Tears In A Prophet’s Dream
- Necromantical Screams
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