ALESTORMとは?バンドの特徴と歴史を解説
ALESTORM(エイルストーム)は、スコットランド出身のフォーク/パワー・メタル・バンドです。2004年にクリストファー・ボウズ(Christopher Bowes)<Key,Vo>を中心にBATTLEHEARTという名前で結成され、当初は自主制作のEPをリリースしながら地道に活動していました。
バンドの転機は、2007年に大手メタルレーベルNapalm Recordsと契約を結び、バンド名を現在のALESTORMへと改めたことです。この改名に合わせ、音楽性も「海賊」をテーマにしたフォーク/パワー・メタルへと特化しました。彼らは自らのスタイルを「パイレーツ・メタル」と称し、世界中に熱狂的なファンを獲得していきます。
2008年、デビュー・アルバム『Captain Morgan’s Revenge』をリリースし、一躍注目を集めました。海賊冒険譚を描くエネルギッシュな楽曲と、アコーディオンやシンセサイザーによる民謡的な要素を融合させた独特のサウンドが、他のメタルバンドとは一線を画し、その後も、『Black Sails at Midnight』(2009年)、『Back Through Time』(2011年)、『Sunset on the Golden Age』(2014年)とコンスタントにアルバムを発表し、確実に地位を築いていきます。特にライブでは、海賊衣装をまとい、観客とともに大合唱を巻き起こすパフォーマンスが名物となっています。
近年では『No Grave But the Sea』(2017年)、『Curse of the Crystal Coconut』(2020年)、『Seventh Rum of a Seventh Rum』(2022年)といったアルバムをリリースし、サウンドの幅を広げつつも「海賊精神」を貫いています。コミカルな要素とメタルの重厚感を絶妙にミックスした彼らのスタイルは、結成から20年近くを経た今もなお進化し続けています。
ALESTORMは、単なるフォーク/パワー・メタルにとどまらず、ユーモアと冒険心を武器に、世界のメタルシーンにおいて唯一無二の存在感を放ち続けているバンドです。
ALESTORMの全アルバムレビュー|ジャンルの垣根を越えたサウンドへの挑戦
The Thnderfist Chronicles(2025)
- Hyperion Omniriff
- Killed To Death By Piracy
- Banana
- Frozen Piss 2
- The Storm
- Mountains Of The Deep
- Goblins Ahoy !(NEKROGOBLIKON cover)
- Mega-Supreme Treasure Of The Eternal Thunderfist
Seventh Rum Of A Seventh Rum(2022)
- Megallan’s Expedition
- The Battle Of Cape Fear River
- Cannonball
- P.A.R.T.Y.
- Under Blackened Banners
- Megyarorszag
- Seventh Rum Of A Seventh Rum
- Bite The Hool Hand That Feeds
- Return To Tortuga
- Come To Brazil
- Wooden Leg(Part Ⅲ)
飲め、歌え、暴れろ!――ALESTORM流パイレーツ・メタルの真髄がここに。
ALESTORMが放つ第7の航海『Seventh Rum of a Seventh Rum』。本作は、彼らの代名詞である海賊魂とラム酒への愛を、さらに自由奔放かつ壮大に表現した一枚です。荒々しいメタルサウンドに、フォーク調の軽快なメロディ、そしてシンガロング必至のコーラスが絡み合い、聴く者を豪快な宴へと誘います。ユーモア溢れる歌詞と、緻密に練られた楽曲構成は、まさにALESTORMの真骨頂。従来のファンはもちろん、新たなリスナーをも虜にすること間違いなしです。進化を続ける海賊たちの航海に、今こそ飛び乗りましょう!
Curse Of The Crystal Coconut(2020)
- Treasure Chest Party Quest
- Fannybaws
- Chomp Chomp
- Tortuga
- Zombies Ate My Pirats Ship
- Call Of The Waves
- Pirate’s Scorm(DONKEY KONG cover)
- Shit Boat(No Fans)
- Pirate Metal Drinking Crew
- Wooden Leg !(Part 2: The Woodening)
- Henry Martin
呪われしココナッツが呼び覚ます、混沌と冒険のパイレーツ・メタル!
バンド史上最も奔放でユーモアに満ちた作品です。フォーク/パワー・メタルを軸にしながらも、レゲエ調のリズムや爆笑必至の歌詞を大胆に取り入れ、自由な発想を全開にしています。定番の酒と冒険のテーマは健在ながら、さらに突き抜けたサウンドが、聴く者をトロピカルな大騒ぎへと引き込むのです。ALESTORMらしい海賊魂と遊び心が、アルバム全体に息づいています。型破りな進化を遂げた『Curse of the Crystal Coconut』で、あなたも最高のバカ騒ぎに飛び込みましょう!
No Grave But The Sea(2017)
- No Grave But The Sea
- Mexico
- To The End Of The World
- Alestorm
- Bar ünd Imbiss
- Fucked With An Anchor
- Pegleg Potion
- Man The Pumps
- Rage Of The Pantahook
- Treasure Island
命尽きても、墓などいらぬ!ALESTORMが叫ぶ不屈のパイレーツ・メタル!
彼らの海賊魂をさらに強く刻み込んだ5thアルバム。重厚なパワー・メタルの骨格に、フォーク調のメロディと痛快なシンガロングパートを織り交ぜ、豪快な航海へとリスナーを誘います。特にタイトル曲「No Grave But the Sea」は、命を海に捧げる覚悟を高らかに歌い上げ、バンドの美学を象徴しています。ALESTORM特有のユーモアと反骨精神も健在で、アルバム全体が熱気と冒険心に満ちています。海に魅せられた者たちへ贈る、真のパイレーツ・メタルの傑作です!
Sunset On The Golden Age(2014)
- Walk The Plank
- Drink
- Magnetic North
- 1741(The Battle Of Cartagena)
- Mead Drom Hell
- Surf Squid Warfare
- Quest For Ships
- Wooden Leg !
- Hangover(TAIO CRUZ cover)
栄光と終焉を祝え!ALESTORMが奏でる最後の宴。
バンドの成熟を感じさせる4thアルバムは、痛快なパイレーツ・メタルに加え、叙情的なメロディとダイナミックな展開を大胆に取り入れ、サウンドの幅を大きく広げました。特に表題曲「Sunset on the Golden Age」は、約11分にわたる壮大なスケールで、栄光と終焉をテーマに描き出します。荒々しさだけでなく、感傷や美しさをも内包したこのアルバムは、ALESTORMの新たな地平を切り開いた作品といえるでしょう。航海の果てに輝く、メロディと激情の頂点を体感してください!
Back Through Time(2011)
- Back Through Time
- Shipwrecked
- The Sunk’n Norwegian
- Midget Saw
- Buckfast Powersmash
- Scraping The Barrel
- Rum
- Swashbuckled
- Rumpelkombo
- Barrett’s Privateers(STAN ROGERS cover)
- Death Thoes Of The Terrorsquid
荒波と歴史を突き抜ける、パイレーツ・メタルの異次元クルーズ!
バンドの冒険心をさらに加速させた3rdアルバム。今作では、海賊たちが時空を超えるという大胆なコンセプトを掲げ、激しいパワー・メタルサウンドにフォーク要素を絶妙に織り交ぜています。スピード感あふれる楽曲群と、痛快なシンガロングパートが、聴く者を一瞬で航海の渦へと引き込みます。ALESTORMらしいユーモアと熱気に満ちた本作は、初期の勢いを保ちながら、さらにスケールアップを果たした重要な一枚です。
Black Sails At Midnight(2009)
- The Quest
- Leviathan
- That Famous Ol’ Spiced
- Keelhauled
- To The End Of Our Days
- Black Sails At Midnight
- No Quarter
- Pirate Song
- Chronicles Of Vengeance
- Wolves Of The Sea(PIRATES OF SEA cover)
激情と哀愁が交錯する、ALESTORM第二章の夜明け。
デビュー作の勢いを受け継ぎながら、さらに重厚さと叙情性を深めた2ndアルバムです。黒い帆を掲げて夜の海へと繰り出す海賊たちの姿を、パワフルなメタルサウンドとキャッチーなメロディで描き切っています。バンド特有の酒と冒険のテーマに加え、今作では哀愁漂う楽曲も増え、よりドラマティックな世界観が広がりました。痛快なスピード感と、心を揺さぶる叙情が見事に融合した本作は、ALESTORMの進化を示す重要なマイルストーンです。
Captain Morgan’s Revenge(2008)
- Over The Seas
- Captain Morgan’s Revenge
- The Huntmaster
- Nancy The Tavern Wench
- Death Before The Mast
- Terror On The High Seas
- Set Sail And Conquer
- Of Treasure
- Wenches & Mead
- Flower Of Scotland(THE CORRIES cover)
怒涛の冒険心、解き放たれる – ALESTORMの航海がここに始まる!
2008年に世に放ったデビューアルバムは、彼らの冒険の幕開けを高らかに告げる一枚です。フォークメタルとパワーメタルを融合させた痛快なサウンドに、酒と海賊をテーマにしたユニークな歌詞が乗り、唯一無二の世界観を築き上げました。表題曲「Captain Morgan’s Revenge」では、荒々しいリフとシンガロング必至のコーラスが炸裂し、聴く者を瞬く間に大海原へと誘います。遊び心と本格的なメタルスピリットを兼ね備えたこのアルバムは、ALESTORMの海賊伝説の原点であり、今なお多くのファンに愛され続けています。
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