SINERGYとは何か?バンドの基本情報と特徴
SINERGY(シナジー)は、1997年にフィンランドで結成されたヘヴィ/パワー・メタル・バンドです。バンドの中心人物は、元CHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホ(Alexi Laiho)<Gt,Vo>と、元ANCIENT、DIMMU BORGIRやTHERIONのライヴメンバーとして活躍したキンバリー・ゴス(Kimberly Goss)<Vo,Key>です。メロディックなギターリフとパワフルな女性ボーカルを特徴とするそのサウンドは、北欧メタルシーンにおいて異彩を放っていました。
SINERGYは、当初アメリカ・シカゴで構想されたプロジェクトでしたが、キンバリー・ゴスがフィンランドへ移住したことにより、本格的なバンドとしての活動がスタートしました。アレキシ・ライホがCHILDREN OF BODOMと並行して参加していたことでも話題となり、多くのメタルファンから注目を集めました。
1999年に1stアルバム『Beware the Heavens』をリリースし、正統派パワーメタルにスラッシュやメロデスの要素を取り入れた独自の音楽性で好評を得ます。その後も『To Hell and Back』(2000)、『Suicide by My Side』(2002)と順調に作品を発表し、欧州を中心にツアーも行いました。
しかし、メンバーの多忙や他プロジェクトとの兼ね合い、さらには制作の遅れなどが重なり、4作目となる予定だったアルバムは完成することなく、バンドは活動を停止。事実上の解散となりました。そして2020年12月、アレキシ・ライホが死去したことにより、SINERGYの再始動は完全に閉ざされることとなりました。
現在でも、SINERGYは女性ボーカル×本格派パワーメタルという先駆的なスタイルを打ち出したバンドとして、多くのファンに再評価されています。特にアレキシ・ライホのギタープレイとキンバリー・ゴスのパワフルな歌唱の融合は、唯一無二の“シナジー(相乗効果)”を体現していたと高く評価されています。
バンドメンバー
【現メンバー】
アレキシ・ライホ(Alexi Laiho) – Guitar(1997~2011)、Keyboard(1998)
キンバリー・ゴス(Kimberly Goss) – Vocal / Keyboard(1997~2011)
ローペ・ラトヴァラ(Roope Latvala) – Guitar(1999~2011)
ラウリ・ポーラ(Lauri Porra) – Bass(2002~2011)
ヤンネ・パルヴィアイネン(Janne Parviainen) – Drums(2002~2011)
【過去メンバー】
シャリー・ダンジェロ(Sharlee D’Angelo) – Bass(1997~1999)
ロニー・ミリアノヴィッチ(Ronny Milianowicz) – Drums(1997~1999)
イエスパー・ストロムブラード(Jesper Stromblad) – Guitar(1997~1999)、Keyboard(1998)
エルナ・シーカヴィルタ(Erna Siikavirta) – Keyboard(1997~1999)
マルコ・ヒエタラ(Marco Hietala) – Bass / Vocal(1999~2002)
トンミ・リルマン(Tonmi Lillman) – Drums(1999~2001)
マッツ・カールソン(Mats Karlsson) – Drums(2001)
SINERGYのアルバム紹介 | SINERGYが奏でた“破壊と美”のクロニクル!
Suicide By My Side(2002)
- I Spit On Your Grave
- The Sin Trade
- Violated
- Me, Myself, My Enemy
- Written In Stone
- Nowhere For No One
- Passage To The Fourth World
- Shadow Island
- Suicide By My Side
- Remembrabce
破壊と叙情が共鳴する―SINERGY最終章が刻んだメタルの真骨頂!
アレキシ・ライホとキンバリー・ゴスが生み出した最後の作品にして、最も攻撃性と叙情性を兼ね備えた渾身の3rdアルバムです。鋭利なギターリフ、緻密なソロワーク、そしてキンバリーの力強くも哀愁漂うボーカルが交錯し、バンドの集大成ともいえるドラマティックな世界観を構築しています。疾走感あふれるナンバーから、重厚なミドルテンポ曲まで、バラエティ豊かな構成も魅力。北欧メロディックメタルの美学とパワーメタルの熱量が融合した本作は、短命に終わったSINERGYの“最後の咆哮”として、今もなお多くのファンの心を打ち続けています。
To Hell And Back(2000)
- The Bitch Is Back
- Midnight Madness
- Lead Us To War
- Laid To Rest
- Gallowmere
- Return To The Fouth World
- Last Escape
- Wake Up In Hell
- Hanging On The Telephone(THE NERVES cover)
叙情はさらに激しく、リフはさらに鋭く―進化するSINERGYの真価がここに!
デビュー作を超える完成度と攻撃性を兼ね備えた進化形パワーメタル。2ndアルバムは、アレキシ・ライホのテクニカルなギターワークと、キンバリー・ゴスのパワフルでエモーショナルなボーカルが絶妙に絡み合い、よりスピーディでダイナミックな音像を構築しています。楽曲の構成力やアレンジ面でも大きな成長を遂げており、特に表題曲「To Hell and Back」は、叙情と激情が交錯する名演として高く評価されています。メロディック・パワーメタルの王道にして、SINERGYの独自性が光る本作は、バンドの勢いと成熟が共存する重要な一枚です。
Beware The Heavens(1999)
- Venomous Vixens
- The Fourth World
- Born Unto Fire And Passion
- The Warrior Princess
- Beware The Heavens
- Razor Blade Salvation
- Swarmed
- Pulsation
- Virtual Future
“女性Vo×メロディック・パワーメタル”の先駆者、SINERGYの誕生ここに!
SINERGYのデビュー作『Beware the Heavens』(1999)は、女性ボーカルと超絶ギターが織りなす革新的なメロディック・パワーメタルの幕開けを告げた一枚です。CHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホと、元ANCIENTのキンバリー・ゴスがタッグを組み、叙情性と攻撃性を見事に融合。タイトル曲をはじめとする全編にわたって、北欧メタルらしい美旋律とスピード感が炸裂しています。当時としては珍しかった“女性Vo×本格派パワーメタル”という組み合わせも話題を呼び、バンドの個性を決定づけました。短命ながらも深い印象を残すSINERGYの物語は、ここから始まったのです。
コメント