DOWN(ダウン)とは?バンドの基本情報と特徴
DOWN(ダウン)は、アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズを拠点に活動するサザン/スラッジ・メタル・バンドです。1991年に結成され、PANTERAのフィル・アンセルモの主導によって誕生しました。ヘヴィでドゥーミーなリフと、ブルースや南部ロックに根ざした情熱的なグルーヴが特徴です。
DOWNは、その独自の音楽性と重厚なサウンドで、スラッジメタルの金字塔的存在として世界中のメタルファンから支持されています。
DOWNは、1991年にPANTERAのフィル・アンセルモ(Philip Anselmo)<Vo>、CORRUSION OF CONFORMITYのペッパー・キーナン(Pepper Keenan)<Gt>、CROWBARのカーク・ウィンドスタイン(Kirk Windstein)<Gt>、トッド・ストレンジ(Todd Strange)<Ba>、EYEHATEGODのジミー・バウワー(Jimmy Bower)<Dr>によって結成されました。メンバーはいずれもアメリカ南部のハードコア、スラッジ、ドゥームシーンを代表する実力派で構成されています。
バンドは、BLACK SABBATH直系のドゥームリフに、南部メタルならではのブルージーなフィーリングを融合させ、独自のヘヴィネスを確立しました。彼らの音楽は、スラッジメタル、ドゥームメタル、ストーナーロック、サザンロックの要素が絶妙に組み合わさっており、重く、遅く、荒々しいながらもどこか哀愁を感じさせます。
DOWNは1995年、デビューアルバム『NOLA』をリリース。このアルバムは、スラッジ・メタルの名盤として高い評価を受け、バンドの地位を不動のものとしました。代表曲「Stone the Crow」や「Bury Me in Smoke」は、今なお多くのファンに愛されています。
その後、メンバー各々の本業バンドとの兼ね合いから、断続的な活動となりますが、2002年に『Down II: A Bustle in Your Hedgerow』、2007年に『Down III: Over the Under』、2012年・2014年には2部作となるEP『Down IV Part I & II』を発表。重厚なスラッジ・メタルの進化形を提示し続けています。
DOWNは2020年代に入っても不定期ながら活動を続け、南部メタル、スラッジメタルの伝説としてその存在感を示しています。メンバーの豪華なキャリアと相まって、今なお世界中のメタルファン、特にスラッジメタルや南部メタルファンの間で熱狂的な支持を集めています。
バンドメンバー
【現メンバー】
ペッパー・キーナン(Pepper Keenan) – Guitar / Vocal[backing](1991~1996、1999~2002、2006~)
フィル・アンセルモ(Philip Anselmo) – Vocal(1991~1996、1999~2002、2006~)
ジミー・バウワー(Jimmy Bower) – Drums(1991~1996、1999~2002、2006~)
カーク・ウィンドスタイン(Kirk Windstein) – Guitar(1992~1996、1999~2002、2006~2013、2019~)
パトリック・ブルーダーズ(Patrick Bruders) – Bass(2011~)
【過去メンバー】
トッド・ストレンジ(Todd Strange) – Bass(1994~1999)
レックス・ブラウン(Rex Brown) – Bass(1998~2011)
ボビー・ランドグラフ(Bobby Landgraf) – Guitar(2013~2019)
DOWNのアルバム紹介 | 南部メタルとしての独自性
Down Ⅳ Part.1 & 2(2014)
- Levitation
- Witchtripper
- Open Coffins
- The Curse Is A Lie
- This Work Is Timeless
- Misfortune Teller
- Steeple
- We Knoew Him Well …
- Hogshead / Dogshead
- Conjure
- Suffere’s Years
- Bacchanalia
DOWNが到達した音の荒野―『Down IV Part I & II』が開くスラッジメタルの新章!
2012年から2014年にかけて発表した『Down IV Part I & II』は、バンドの深化と進化を象徴する二部作です。本作は従来の重厚なスラッジ・メタルに加え、より内省的でドゥーミーなアプローチを強調し、DOWN独自の荒涼とした音世界を広げました。Part Iでは、荒々しいリフとアンセルモの凄絶なシャウトが炸裂し、南部メタルの魂を改めて刻印。続くPart IIでは、よりダークで引きずるようなリズムが支配し、DOWNのドゥームメタルへの傾倒が色濃く表れています。この二部作は、DOWNがスラッジメタルをさらに深化させた意欲作であり、バンドの新章を告げる重要な作品です。重さ、暗さ、痛みが交錯する音の荒野が、聴く者を深淵へと誘います。
Down Ⅲ:Over The Under(2007)
- Three Suns And One Star
- The Path
- N.O.D.
- I Scream
- On March The Saints
- Never Try
- Mourn
- Beneath The Tides
- His Majesty The Desert
- Pillamyd
- In The Thrall Of It All
- Nothing In Return(Walk Away)
怒りと悲しみを超えて―『DOWN Ⅲ:Over the Under』が刻むDOWNの魂の叫び!
フィル・アンセルモが抱える怒りと悲しみが渾然一体となった、バンド史上最も感情的なアルバムとなった3rdアルバム。本作は、盟友ダイムバッグ・ダレルの死やハリケーン・カトリーナによる地元壊滅という過酷な現実を背景に、DOWNならではのヘヴィグルーヴとドゥームが深化。アンセルモのボーカルは痛々しいほど生々しく、絶望の中にもわずかな希望を感じさせます。「On March the Saints」や「Nothing in Return」など、DOWNの持つ南部メタルの哀愁と力強さが交錯し、リスナーを深い精神世界へと誘います。『DownⅢ:Over the Under』はDOWNの成熟と復活を象徴する一枚であり、今なお、色褪せない南部メタルの金字塔です。
Down Ⅱ:A Bustle In Your Hedgerow …(2002)
- Lysergik Funeral Procession
- There’s Something On My Side
- The Man That Follows Hell
- Stained Glass Cross
- Ghosts Along The Mississippi
- Learn From This Mistake
- Beautifully Depressed
- Where I’m Going
- Doobinterlude
- New Orleans Is A Dying Whore
- The Seed
- Lies, I Don’t Know What They Say But …
- Flambeaux’s Jamming With St.Aug
- Dog Tired
- Landing On The Mountains Of Meggido
DOWNが放つ、ドゥームと酩酊のサザンロック黙示録!
約7年ぶりに発表された復活の2ndアルバムです。本作は、デビュー作『NOLA』の攻撃的なスラッジ・グルーヴを受け継ぎながら、さらに退廃的で酩酊感あふれるサウンドを展開。南部の泥臭さとブルージーな哀愁が濃密に絡み合い、DOWNならではのスモーキーなヘヴィネスを極めています。特に「Ghosts Along the Mississippi」や「Landing on the Mountains of Meggido」では、ドゥームメタルとサザンロックの境界を曖昧にし、独自の音世界を構築。DOWNが追求する退廃と混沌、そして内省的な闇が詰め込まれた本作は、南部メタルの新たな美学を提示した異色の名盤です。
Nola(1995)
- Temptation’s Wings
- Lifer
- Pillars Of Eternity
- Rehab
- Hail The Leaf
- Underneath Everything
- Eyes Of The South
- Jail
- Losing All
- Stone The Crow
- Pray For The Locust
- Swan Song
- Bury Me In Smoke
全てはここから始まった―『NOLA』が築いたスラッジメタルの金字塔!
DOWNのデビュー作『NOLA』(1995)は、スラッジメタルというジャンルの礎を築いた歴史的名盤です。PANTERAのフィル・アンセルモを中心に、CROWBARやEYEHATEGODなど南部の重鎮が集結し誕生した本作は、ブラック・サバス直系の重苦しいリフと、ブルースに根差した哀愁を融合。「Stone the Crow」や「Bury Me in Smoke」などの名曲群は、ヘヴィでありながら内省的な情感を帯び、DOWN独自の世界観を確立しました。ニューオーリンズの空気感をそのまま封じ込めたかのような泥臭く荒々しい音像は、90年代メタルシーンに鮮烈な印象を与え、スラッジメタルの象徴として今なお語り継がれています。『NOLA』は、すべてのDOWNサウンドの原点です。
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