ウリ・ジョン・ロートの弟ZENO ROTH（ジーノ・ロート）が率いたZENOの音楽世界とは？

ZENO（ジーノ）とは？｜ネオクラシカル・ハードロック界の異才バンド
1. メンバー紹介｜ZENOを彩った実力派ミュージシャンたち
アルバム紹介：叙情と技巧が融合したZENOサウンドの魅力

ZENO（ジーノ）とは？｜ネオクラシカル・ハードロック界の異才バンド

ZENO（ジーノ）は、1979年頃から様々なバンドを結成し活動しながら、多くの曲や詞を書いていたジーノ・ロート（Zeno Roth）<Gt>が、1984年に現FAIR WARNINGのウレ・リトゲン（Ule Ritgen）<Ba>と共にドイツのハノーファーで結成されたハード・ロック・バンドです。ジーノ・ロート（Zeno Roth）は、伝説的ギタリストであるウリ・ジョン・ロート（Uli Jon Roth）の実弟としても知られており、クラシック音楽とハードロックを融合させた美麗なサウンドで多くのファンを魅了してきました。

1984年にEMI UKと新人バンドとしては異例といえる破格のレコード契約を結び、1986年にセルフタイトルのデビューアルバム『ZENO』をリリース。メロディアスで叙情的なギターと、洗練された楽曲構成が高く評価され、特に日本やヨーロッパでカルト的な人気を博しました。同年、BLACK SABBATHのヨーロッパツアーにサポートとして参加し、その後KROKUS、KEELらとアメリカツアーを行い、2ndアルバムのレコーディングを開始しますが、マイケル・フレクシグ（Michael Flexig）<Vo>が脱退。現FAIR WARNINGのトミー・ハート（Tommy Heart）<Vo>が加入しますが、1989年に事実上の解散。

ウレ・リトゲン（Ule Ritgen）<Ba>は解散前のZENOのメンバーらを中心にFAIR WARNINGを結成し、ZENOの名は、ジーノ・ロート（Zeno Roth）<Gt>のソロ名義として使用されていくことになりました。

1993年にデビュ―アルバムがCD化され、日本の東芝EMIで再発されたことで話題となり、同じく日本のレーベル、ゼロ・コーポレーションと契約を結び、1995年に2ndアルバム『Zenology』を発売。アルバムには解散前にレコーディングされていた音源や新曲を含み、さらに話題となり、1998年にはジーノ・ロート（Zeno Roth）自身がすべての楽器を担当した3rdアルバム『Listen to the Light』が発売されました。

2000年頃にイギリスに移住し活動は一時停滞していましたが、2003年に過去３作のリマスターヴァージョンの発売を決定。その後デビューアルバムのデモを含む楽曲などを2005年に『Zenology Ⅱ』を発売し、2006年には8年ぶりのスタジオアルバム『Runway to the Gods』をリリースし、熟成されたサウンドで往年のファンを再び魅了しました。

その後は、一時日本に拠点を置き、書籍や絵画の創作活動を行っていましたが、ジーノ・ロート（Zeno Roth）が2018年に61歳で逝去。その死とともにバンドとしての活動は事実上終了となりました。

ZENOの音楽は、クラシカルな構成美とロマンチシズム、そして圧倒的なギターテクニックを融合させた唯一無二のスタイルです。バンドは「叙情派ハードロックの極致」と称されることもあり、ネオクラシカル・ハードロックというジャンルにおいて、静かなる影響力を持つ伝説的バンドとして今も輝きを放ち続けています。

メンバー紹介｜ZENOを彩った実力派ミュージシャンたち

【最終メンバー】
ジーノ・ロート（Zeno Roth） – Guitar/All Instruments（1984～2018）

【過去メンバー】
ウレ・リトゲン（Ule Ritgen） – Bass（1984～1989）
マイケル・フレクシグ（Michael Flexig） – Vocal（1984～1988）
トミー・ハート（Tommy Heart） – Vocal（1988～1989）
マイケル・ボーマン（Michael Bormann） – Vocal（2006）

【サポートメンバー】
ロッド・モーゲンスタイン（Rod Morgenstein） – Drums（1986）
ラリー・ドヴォースキン（Larry Dvoskin） – Keyboard（1986）
C.C. ベーレンス（C.C. Behrebs） – Drums（1988～1989）