DESTROYER 666(デストロイヤー 666)とは?オーストラリア発のブラック/スラッシュメタル・バンド
DESTROYER 666(デストロイヤー 666)は、1994年にオーストラリア・メルボルンで結成されたブラック/スラッシュ・メタル・バンドです。ブラックメタル特有の暗黒性と、スラッシュ・メタルが持つ凶暴なスピード感を融合させた破壊的なサウンドが特徴で、アンダーグラウンドのエクストリームメタル界において絶大な支持を集めています。
バンドの歴史は、K.K. ウォースラット(K.K. ウォースラット)<Gt,Vo>がBESTIAL WARLUSTでの活動を経て、新たに自身の理想とする荒々しいサウンドを追求するためにDESTROYER 666を1994年に立ち上げたことから始まります。初期はソロ・プロジェクトに近い形で動き出しましたが、制作されたデモ音源がアンダーグラウンドで瞬く間に話題となり、暴虐的で野性的なサウンドは当時のメタルシーンに強烈なインパクトを与えました。この段階で、すでに彼らはブラックとスラッシュを融合させた独自の音楽性を確立しつつあり、世界中の極端音楽ファンから注目を浴びる存在になっていきます。
1997年にリリースされたデビューアルバム『Unchain the Wolves』は、DESTROYER 666の名を世界へ広めた決定的な作品となりました。荒々しいリフと剥き出しの攻撃性を押し出した楽曲群は、ブラック/スラッシュ・メタルというジャンルそのものを象徴する内容で、多くのファンや評論家から高く評価されました。このアルバムをきっかけに、バンドはオーストラリアのアンダーグラウンドから国際へと大きく飛躍する流れをつくっていきます。
2000年代に入ると、活動の中心をヨーロッパへ移します。ブラックメタルの本場であるヨーロッパは、彼らの活動をさらに加速させる理想的な環境であり、ライブ活動やレコーディング体制も本格化していきました。2000年の『Phoenix Rising』、2002年の『Cold Steel… for an Iron Age』など重要作品が連続して発表され、音楽性はより成熟し、荒々しさの中に力強いメロディがうまく溶け込むスタイルへと進化していきます。とくに『Cold Steel… for an Iron Age』は、疾走感と冷徹な戦闘的世界観が高く評価され、DESTROYER 666の代表作として語り継がれる名盤となりました。ヨーロッパのフェスへの出演も増え、バンドは世界規模で注目される存在へと成長します。
2009年の4thアルバム『Defiance』はデビューからの攻撃性を継承しつつ、構成力と表現力が大幅に向上した作品として支持されました。続く2016年の『Wildfire』は、これまで以上にメロディアスでありながら荒々しさを失わない、バンドの新たな進化を象徴するアルバムとなります。この頃にはツアー地域もアメリカや南米、アジアへと広がりました。
2022年にアルバム『Never Surrender』を発売。タイトルのとおり、一切の妥協を拒むような不屈の精神と破壊性が貫かれた作品で、原点回帰ともいえる激烈な疾走感と冷徹さが印象的です。長年にわたり一貫した姿勢を守り続けるDESTROYER 666の強さを象徴する内容であり、バンドの存在感が揺るぎないものであることを改めて証明する作品となりました。
DESTROYER 666が長年にわたり支持され続ける理由は、ブラックとスラッシュを高次元で融合した唯一無二のサウンド、そしてライブでの圧倒的な迫力にあります。結成から30年以上が経過した現在でも、彼らは破壊的なエネルギーを失うことなく、ブラック・スラッシュ・メタルというジャンルの象徴的バンドとして世界に君臨し続けています。
DESTROYER 666のバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■K.K. ウォースラット(K.K. ウォースラット) -Vocal/Guitar(1994~)、Bass(1994~1995、2003)
■フェリペ・プラザ・クッツバック(Felipe Plaza Kutzbach) – Bass/Vocal(2015~)
■ケヴ・デセクレーター(Kev Desecrator) – Drums(2020~)
■ベズ(Bez) – Guitar(2022~)
【過去メンバー】
■ルーク・オマラ(Luke O’Mara) – Drums
■クリス・ヴォルケーノ(Chris Volcano) – Drums(1994~1995)
■バレット・イーター(Bullet Eater) – Bass/Vocal(1995~1999)
■マット・スキッツ(Matt Skitz) – Drums(1995)
■バリスティック・ハウィッツァー(Ballistic Howitzer) – Drums(1996~1997)、Bass[Live](1996~1997)
■ワザラ(Wazarah) – Drums(1996~1998)
■シェラプネル(Shrapnel) – Guitar/Vocal(1996~2012)
■ディシーヴァー(Deceiver) – Drums(1997~2000)
■サイモン・バーサーカー(Simon Berserker) – Bass/Vocal(2000~2002)
■シェーン・ロート(Shane Rout) – Drums(2000)
■エリック・デ・ウィント(Eric de Windt) – Drums(2000~2001)
■メルサス(Mersus) – Drums(2001~2012)
■ビースト・オブ・ブラーデル(Beast Of Bladel) – Bass(2002~2003)
■マット・レーザー(Matt Razor) – Bass(2004~2014)
■ペラサイド(Perracide) – Drums(2012~2017)
■R.C.(R.C.) – Guitar(2012~2020)、Vocal(2015~2020)
アルバム紹介:DESTROYER 666はブラック×スラッシュ・メタルの究極形である
Never Surrender(2022)

- Never Surrender
- Andraste
- Guillotine
- Pitch Black Night
- Mirror’s Edge
- Grave Raiders
- Savage Rights
- Rather Death
- Batavia’s Graveyard
Wildfire(2016)

- Traitor
- Live And Burn
- Artiglio del diavolo
- Hounds at Ya Back
- Hymn To Dionysus
- Wildfire
- White Line Fever
- Die You Fucking Pig!
- Taman Shud
Defiance(2009)

- Weapons Of Conquest
- I Am Not Deceived
- Blood For Blood
- The Barricades Are Breaking
- Stand Defiant
- Path To Conflict
- A Thousand Plagues
- Human All Too Human
- A Sermon To The Dead
Cold Steel … For An Iron Age(2002)

- Black City – Black Fire
- Clenched Fist
- Cold Steel …
- Sons Of Perdition
- Raped
- The Calling
- Savage Pitch
- Witch Hunter
- Shadow
Phoenix Rising(2000)

- Rise Of The Predator
- The Last Revelation
- Phoenix Rising
- I Am The Wargod(Ode To The Battle Slain)
- The Eternal Glory Of War
- Lone Wolf Winter
- Ride The Solar Winds
- The Birth Of Tragedy
Unchain The Wolves(1997)

- Genesis To Genocide
- Australlian And Anti-Christ
- Satan’s Hammer
- Tyranny Of The Inevitable
- Six Curses From A Spiritual Wasteland
- Unchain The Wolves
- Damnation’s Pride
- Onward To Arktoga

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