PERIPHERY(ペリフェリー)とは?”プログレッシブ+メタルコア+ジェント”バンド、結成から現在までの歩み
PERIPHERY(ペリフェリー)は、2005年にアメリカ合衆国・メリーランド州で結成されたプログレッシヴ・メタル/ジェントを代表するバンドです。バンド創設者はミーシャ・マンソー(Misha Mansoor)<Gt,Programming,Producer>で、当初は彼の個人プロジェクトとしてスタートしました。自宅録音やネット上での自主制作を中心に音源を発表し、MESHUGGAHやDREAM THEATERのフォーラムなどオンラインコミュニティで注目を集めたことが、バンドとしての活動の始まりとなります。彼は、自らの音楽思想を一貫して追求しながら、重厚なポリリズム、変拍子、緻密なギターアンサンブルを軸にした新しいメタルサウンドを確立しました。その独創的なスタイルは後に「ジェント」と呼ばれ、現代メタルの一大ムーブメントへと発展します。
2008年から、PERIPHERYは本格的にバンドとして活動を開始し、ヴォーカル、リズムギター、ドラムなどの正式メンバーが加入します。結成当初バンドは録音した曲をライヴで正確に再現を可能にするため“トリプルギター”編成とする体制に決め、2010年に発売したデビューアルバム『Periphery』は、インターネット発のバンドとしては異例の注目を集め、メタル・ファンや音楽業界から高い評価を得ました。
続く2012年、2ndアルバム『Periphery II: This Time It’s Personal』では、ミーシャ・マンソーがインターネット時代に書き溜めていた初期の曲を中心に制作され、テクニカルなギターリフとキャッチーなメロディの融合がさらに進化し、ジェントに留まらない音楽性の幅広さが評価されます。この作品をきっかけにPERIPHERYは世界的な人気バンドへと成長しました。
2014年以降、セルフプロデュースをより追求し、新たな音楽性に挑戦していきます。特に2015年に2作同時発売された『Juggernaut: Alpha』『Juggernaut: Omega』は、コンセプト作品として高く評価され、ストーリーテリングを伴うメタル作品として注目されました。
2016年には『Periphery II: This Time It’s Personal』に続く『Periphery Ⅲ: Select Difficulty』を発売し、収録曲「The Price Is Wrong」は第59回グラミー賞の“ベストメタルパフォーマンス部門”にノミネートされ話題になりました。
その後、バンドメンバーの脱退、長年所属していたレーベルから脱退するなど、数々の困難に遭いながらも、2019年には『Periphery Ⅳ: Hail Stan』が、バンドメンバーによって設立された自主レーベルから発売され、2023年には『Periphery V: Djent Is Not a Genre』を発売。タイトル通り「ジェントに収まらない音楽的挑戦」を掲げた作品であり、バンドの多面的なサウンドアプローチを象徴しています。
PERIPHERYはインターネット発の自主制作バンドとしてスタートし、世界的ムーブメントとなったジェント・サウンドとセルフプロデュース文化を牽引してきました。単なるジャンルの旗手ではなく、音楽制作そのものに革新を起こした存在として、現在も多くのアーティストやクリエイターに影響を与えています。
PERIPHERYのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■スペンサー・ソーテロ(Spencer Sotelo) – Vocal(2010~)
■ジェイク・ボーウェン(Jake Bowen) – Guitar(2007~)
■ミーシャ・マンソー(Misha Mansoor) – Guitar/Programming/Produce(2005~)、Bass(2017~)
■マーク・ホルコム(Mark Holcomb) – Guitar(1991~2021)
■マット・ハルパーン(Matt Halpern) – Drums(1991~2021)
【過去メンバー】
■ジェイク・ベレディカ(Jake Veredika) – Vocal(2005~2007)
■ケイシー・ソボール(Casey Sabol) – Vocal(2007~2008)
■クリス・バレット(Chris Barretto) – Vocal(2008~2010)
■アレックス・ボイス(Alex Bois) – Guitar(2005~2011)
■トム・マーフィ(Tom Murphy) – Bass(2005~2011)
■ジェイソン・ベルリン(Jason Berlin) – Drums(2005)
■トラヴィス・オービン(Travis Orbin) – Drums(2005~2009)
■アダム・“ノリ―”・ゲットグッド(Adam “Nolly” Getgood) – Bass(2012~2017)
アルバム紹介:PERIPHERYが示した未来のメタル像~ジェント以降の時代を切り開いたバンド
Periphery V: Djent Is Not A Genre(2023)

- Wildfire
- Atropos
- Wax Wings
- Everything Is Fine!
- Silhouette
- Dying Star
- Zagreus
- Dracul Gras
- Thanks Nobuo
Periphery IV: Hail Stan(2019)

- Reptile
- Blood Eagle
- Chvrch Bvrner
- Garden In The Bones
- It’s Only Smiles
- Follow Your Ghost
- Crush
- Sentient Glow
- Satellites
Periphery Ⅲ: Select Difficulty(2016)

- The Price Is Wrong
- Motormouth
- Marigold
- The Way The News Goes …
- Remain Indoors
- Habitual Line-Stepper
- Flatline
- Absolomb
- Catch Fire
- Player Position
- Lune
Juggernaut: Omega(2015)

- Reprise
- The Bad Thing
- Priestess
- Graveless
- Hell Below
- Omega
- Stranger Things
Juggernaut: Alpha(2015)

- A Black Minute
- MK Ultra
- Heavy Heart
- The Event(instrumental)
- The Scourge
- Alpha
- 22 Faces
- Rainbow Gravity
- FOur Lights(instrumental)
- Psychosphere
Periphery Ⅱ: This Time It’s Personal(2012)

- Muramasa
- Have A Blast
- Facepalm Mute
- Ji
- Scarlet
- Luck as a Constant
- Ragnarok
- The Gods Must Be Crazy
- Make Total Destroy
- Erised
- Epock(instrumental)
- Froggin’ Bullfish
- Mile Zero
- Masamune
Periphery(2010)

- Insomnia
- The Walk
- Letter Experiment
- Jetpacks Was Yes!
- Light
- All New Materials
- Buttersnips
- Icarus Lives!
- Total Mad
- Ow My Feelings
- Zyglrox
- Racecar

コメント