VIPER(ヴァイパー)とは?アンドレ・マトス在籍時代と再結成後の現在
VIPER(ヴァイパー)は、1985年にブラジル・サンパウロで結成されたパワー/スピード・メタルの草分け的存在です。後にANGRAを結成するアンドレ・マトス(Andre Matos)<Vo>を擁し、南米メタル史に大きな足跡を残しました。
1985年、ブラジル・サンパウロで10代の若者たちによって結成。中心人物はイヴ・パシャレル(Yves Passarell)<Gt>とピット・パシャレル(Pit Passarell)<Ba,Vo>で、ここにクラシック音楽の素養を持つ若きアンドレ・マトス(Andre Matos)が加入します。当時のブラジルではヘヴィメタル文化が発展途上でしたが、VIPERはヨーロッパ型パワーメタルの要素をいち早く取り入れ、疾走感あふれるサウンドを確立しました。
1987年に発表されたデビューアルバム『Soldiers of Sunrise』は、ブラジル産スピードメタルの金字塔と評価されています。「Knight Of Destruction」や「Wings Of The Evil」は疾走リフとハイトーン・ヴォーカルが印象的で、荒削りながらも若さと勢いに満ちた楽曲群は、後のブラジル・メタル・シーンに大きな影響を与えました。
1989年に発売された2ndアルバム『Theatre of Fate』では、クラシカルなアレンジやキーボードを大胆に導入。アンドレ・マトスの音楽的才能が開花した作品です。「Living for the Night」は現在でもVIPERの代表曲として語り継がれています。アルバムを締めくくる「Moonlight」は、後にアンドレ・マトスが初めて作詞・作曲を手掛けた曲で、ベートーヴェンの「月光」をモチーフとし、後に結成するANGRAの原型ともいえるサウンドを提示しました。
1990年、アンドレ・マトスはバンドを脱退し、ANGRAを結成。これによりVIPERは大きな転換期を迎え、ヴォーカルをピット・パシャレルが兼任する体制となり、1992年に発売された『Evolution』は、ハードロック寄りへ変化します。このアルバムではモダンなアプローチを取り入れ、バンドの新たな方向性を示しました。
1995年には、4thアルバム『Coma Rage』を発売し、さらにバンドは、ヘヴィかつオルタナティヴ要素を取り入れたサウンドへ進化します。続く、1996年に発売された5thアルバム『Tem Pra Todo Mundo』を最後にバンドは活動停止し、事実上の活動休止状態となりました。
2001年になり活動を再開。2000年代に入りVIPERは再始動します。2007年には『All My Life』を発売し、原点回帰ともいえるメロディックな楽曲を発表しました。2012年、デビューアルバム発売25周年を記念してアンドレ・マトスが復帰。ブラジル国内でツアーを展開しました。
2019年、アンドレ・マトスが逝去。ブラジルのみならず世界のメタルファンに衝撃が走りましたが、2023年には、新たなメンバーが加入して、『Timeless』を発売。過去と現在をつなぐ作品として評価を受けました。しかしながら、ピット・パシャレルがブラジルでのライヴ中に体調を崩し、その後、癌を患っていることが公表され、その翌日に死去。バンドはアンドレ・マトスの弟、ダニエル・マトスがピット・パシャレルの後任として迎えられ、バンドは継続しています。
VIPERは、結成から40年以上が経過した今も、ブラジル・メタル史を語るうえで欠かせない存在です。初期のスピードメタル時代からハードロック路線、そして復活後のメロディック・パワーメタルまで、その歴史はまさに進化の軌跡です。アンドレ・マトス在籍時代の名盤『Soldiers of Sunrise』『Theatre of Fate』は、今なお色褪せず、ブラジル・メタルの歴史を知るなら、まずVIPERから聴くことをおすすめします。
VIPERのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■フェリペ・マチャド(Felipe Machado) – Guitar(1985~)
■ギルヘルム・マーティン(Guillherme Martin) – Drums(1989~1991、2001~2005、2012~)
■レアンドロ・カソイロ(Leandro Caçoilo) – Vocal(2017~)
■キコ・シュレッド(Kiko Shred) – Guitar(2021~)
■ダニエル・マトス(Daniel Matos) – Bass(2024~)
【過去メンバー】
■ピット・パシャレル(Pit Passarell) – Bass(1985~2024)、Vocal(1991~2004)
■マルコス・クレイン(Marcos Kleine) – Drums(1985)
■カッシオ・アウディ(Cassio Audi) – Drums(1985~1989)
■イヴ・パシャレル(Yves Passarell) – Guitar(1985~2001)
■アンドレ・マトス(Andre Matos) – Vocal(1985~1990、2012~2016)
■セルジオ・ファッシ(Sérgio Facci) – Drums(1989)
■ヴァルデシオ・サントス(Valdécio Santos) – Drums(1989)、Guitar(2001~2007)
■レナート・グラッシア(Renato Graccia) – Drums(1991~2001、2005~2012)
■リカルド・ボッシ(Ricardo Bocci) – Vocal(2004~2010)
■ヒューゴ・マリウッティ(Hugo Mariutti) – Guitar(2012~2020)
アルバム紹介:VIPERはブラジル・メタル・バンドの礎
Tem Para Todo Mundo(2025)

- Dinheiro
- Sabado
- 8 de Abril
- Not Ready To Get Up
- Crime na Cidade
- Quinze Anos
- The One You Need
- Alvo
- Na Cara Do Gol
- Luchina Bordon
- Um Dia
- Tem Obrigao Para Todo Mundo
Timeless(2023)

- Under The Sun
- Freedom Of Speech
- Timeless
- The Android
- The War
- Angel Heart
- Light In The Dark
- Echoes In The Mirror
- Vit Righta
- Thais
- Reality
All My Life(2007)

- All My Life
- Come On Come On
- Miles Away
- Not That Easy
- Love Is All
- Cross The Line
- Do It All Again
- Violet
- Dreamer
- Soldier Boy
- Rising Sun
- Miracle
Tem Pra Tod Mundo(1996)

- Dinheiro
- Sabado
- 8 de Abril
- Not Ready To Get Up
- Crime na Cidade
- Quinze Anos
- The One You Need
- Alvo
- Na Cara Do Gol
- Luchina Bordon
- Um Dia
- Mais do Mesmo (Legião Urbana cover)
- (untitled)
Coma Rage(1995)

- Coma Rage
- Straight Ahead
- Somebody Told Me You’re Dead
- Makin Love
- Blast!
- God Machine
- Far And Near
- The Last Song
- If I Die By Hate
- Day Before
- 405 south
- A Face In The Crowd
- I Fought The Law(SONNY CURTIS cover)
- Keep The Words
Evolution(1992)

- Coming From The Inside
- Evolution
- Rebel Maniac
- Dead Light
- The Shelter
- Still The Same
- Wasted
- Pictures Of Hate
- Dance Of Madness
- The Spreading Soul
- We Will Rock You(QUEEN cover)
Theatre Of Fate(1989)

- Illusions
- At Least A Chance
- To Live Again
- A Cry From The Edge
- Living For The Night
- Prelude To Oblivion
- Theatre Of Fate
- Moonlight
Soldiers Of Sunrise(1987)

- Knights Of Destruction
- Nightmares
- The Whipper
- Wings Of The Evil
- H.R.
- Soldiers Of Sunrise
- Signs Of The Night
- Killera(Princes Of Hell)
- Law Of The Sword

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