バンド紹介

ARTENSION（アーテンション）は、アメリカ出身のプログレッシヴ・メタル・バンドで、1993年に結成されました。バンドは、クラシック音楽の影響を強く受けたテクニカルな楽曲と、ドラマチックなメロディを特徴としています。

バンドの中心人物は、スイス出身のヴィタリ・クープリ（Vitalij Kuprij）<key>です。彼はクラシックとメタルの融合を得意とし、その超絶技巧のプレイスタイルで知られています。ヴィタリ・クープリがアメリカへ渡った後、ロジャー・スタフェルバック（Roger Staffelbach）<Gt>とマイク・テラーナ（Mike Terrana）<Dr>と共にバンドを結成しました。後にROYAL HUNTで加入するジョン・ウェスト（John West）<Vo>とベーシストのケヴィン・チャウン（Kevin Chown）<Ba>が加入し、ラインナップが完成しました。

1996年、『Into the Eye of the Storm』でデビュー。このアルバムは、クラシックとネオクラシカル・メタルの要素を取り入れた高度な音楽性を持ち、特にプログレッシヴ・メタルのファンから高い評価を受けました。ヴィタリ・クープリの鍵盤プレイとロジャー・スタフェルバックのギターが融合し、独特のサウンドを生み出しました。

1997年には2ndアルバム『Phoenix Rising』をリリース。続く数年間で『Forces of Nature』（1999年）、『Machine』（2000年）など、コンスタントにアルバムを発表しました。どの作品も、クラシカルな要素を基盤としたプログレッシヴなアレンジが特徴であり、ファンの間で根強い人気を誇りましたが、2000年代に入ると、メンバーそれぞれの活動が活発になり、バンドは一時的に解散状態に陥り、中心人物であるヴィタリ・クープリはイングヴェイ・マルムスティーンとの活動で知られているマーク・ボールズ（Mark Boals）<Vo>と共にRING OF FIREを結成し活動しますが、不定期に集まり2003年に『New Discovery』、2005年には『Future World』をリリース。これらのアルバムでは、従来のスタイルを維持しながらも、より洗練されたアレンジが施され、プログレッシヴ・メタルシーンにおける独自の地位を築きました。

バンドはそれ以降、完全に沈黙。ヴィタリ・クープリはRING OF FIRE、TRANS-SIBERIAN ORCHESTRAやソロ活動に専念しますが、2024年に死去。ARTENSIONは2024年に解散しました。

ARTENSIONは、クラシカルな要素とプログレッシヴ・メタルを融合させたユニークなバンドです。超絶技巧のキーボード、メロディアスなヴォーカル、緻密な楽曲構成が特徴で、1990年代から2000年代にかけて多くの優れた作品を発表しました。その音楽は今なおプログレッシヴ・メタル・ファンの間で高く評価されています。