バンド紹介

EDGE OF SANITY（エッジ・オブ・サニティ）は、スウェーデンを代表するメロディック/プログレッシヴ・デス・メタル・バンドの1つで、1989年にスウェーデンのフィンスポングで結成されました。彼らはその独創的な音楽スタイルで、デスメタルシーンの中でも独特の地位を確立しました。

バンドは、中心メンバーであるダン・スワノ（Dan Swanö）<vo,Gt,Ba,Key>を中心に結成されました。スワノはバンドのボーカル、ギター、そしてキーボードを担当し、同時にプロデューサーとしての役割も果たしました。彼はバンドのサウンドを形作る上で重要な役割を果たし、彼の音楽的ビジョンがEDGE OF SANITYの成功に大きく寄与しました。

1990年代初頭、バンドはスウェーデンのデスメタルシーンで注目され、デモテープのリリースを通じて名を上げました。1991年、デビューアルバム『Nothing But Death Remains』をリリースし、その過激なデスメタルサウンドでシーンに衝撃を与えました。

バンドの代表作は、1993年リリースの3rdアルバム『The Spectral Sorrows』と1994年の4thアルバム『Purgatory Afterglow』です。これらのアルバムでは、従来のデスメタルに加え、メロディックな要素やプログレッシヴな構成を取り入れることで、独自の音楽スタイルを確立しました。

1996年リリースの5thアルバム『Crimson』は、バンドのキャリアを象徴するアルバムとして高く評価されています。このアルバムは、40分にわたる1曲で構成され、ストーリーテリングとプログレッシヴ・デスメタルが融合した壮大な作品です。特にダン・スワノの多彩なボーカルスタイルと複雑なアレンジが際立っており、メタルシーンの中で伝説的な地位を築きました。

1997年の6thアルバム『Infernal』では、メンバー間の音楽的な方向性の違いが顕著になり、ダン・スワノがバンドを脱退。その後、バンドは活動を続けるものの、スワノの存在感を超えることは難しく、アルバムの評価や人気は徐々に下降線をたどりました。

2003年、バンドはダン・スワノを再び迎え入れ、ファン待望の続編となる『Crimson II』をリリースしました。この作品は前作『Crimson』のストーリーを引き継ぎ、スワノの独自の音楽性が再び全面に押し出されたアルバムとなりました。しかし、その後バンドは再び活動を停止し、事実上解散状態となりました。

ダン・スワノはその後も音楽プロデューサーやソロアーティストとして活動を続け、様々なバンドやNIGHTINGALE、BLOODBATHに参加するなど、多岐にわたるキャリアを築いています。一方でEDGE OF SANITY自体は再結成の動きは見られず、その活動は過去のものとなっています。

EDGE OF SANITYは、デスメタルの枠を超えた革新的な音楽を生み出し、多くのアーティストに影響を与えました。特に『Crimson』は、メロディック・デスメタルとプログレッシヴ・メタルの融合の成功例として語り継がれています。

彼らの音楽は、デスメタルファンだけでなく、幅広いジャンルのリスナーにも支持されており、現在もその作品は高く評価されています。EDGE OF SANITYは、メロディック/プログレッシヴ・デス・メタルのパイオニアとして、その名を歴史に刻んでいます。

バンドメンバー

【最終メンバー】
ダン・スワノ（Dan Swano） – Vocal（1989～1997、2003）/Piano（1992～1993）/Guitar（1993、1996～1997）/Keyboard（1996）、Bass（1997）、All Instruments（2003）

【過去メンバー】
アンダース・リンドバーグ（Anders Lindberg） – Bass（1989～1999）
ベニー・ラーソン（Benny Larsson） – Drums（1989～1999）
ドレッド（Dread） – Guitar（1989～1999）/Bass（1993）、Vocal（1997）
サミ・ナーベルグ（Sami Nerberg） – Guitar（1989～1999）
ロバース・”ロバン”・カールソン（Roberth “Robban” Karlsson） – Vocal（1997～1999）