IBARAKI(イバラキ)とは何か?プロジェクトの概要と誕生の背景
IBARAKI(イバラキ)は、アメリカのメタルコア/スラッシュ/ヘヴィ・メタル・バンド、TRIVIUMのマシュー・キイチ・ヒーフィー(Matthew Kiichi Heafy)<Vo,Gt>によって立ち上げられたブラック・メタル・プロジェクトです。自身の日本人のルーツと、長年愛してきたブラックメタルの音楽性を融合させることを目的に、10年以上前からMRITYUというプロジェクトで進めていましたが、2020年代初頭から本格的に活動をスタートさせました。
IBARAKIというバンド名は、日本の鬼伝説に登場する妖怪「茨木童子」に由来しており、日本神話・妖怪伝承・和風ホラーの美学がプロジェクト全体のコンセプトに深く根付いています。このユニークな世界観が、欧米のブラックメタルシーンに新風を吹き込んでいます。
プロジェクトの楽曲制作には、ノルウェーのブラックメタルバンド、EMPERORのイーサーン(Ihsahn)が共同プロデューサーとして参加しており、音楽的にも非常に高い完成度を誇ります。さらに、BEHEMOTHのネルガル(Nergal)やMY CHEMICAL ROMANCEのジェラルド・ウェイ(Gerard Way)など、異なるジャンルのゲストミュージシャンも参加し、ジャンルの壁を超えた意欲作として注目されています。
2022年には待望のデビュー・アルバム『RASHŌMON(羅生門)』をリリース。このアルバムでは、ブラックメタルを基軸にしつつ、メロディック・デスやポストブラック、トラディショナルな日本音楽の要素も取り入れた独自の音楽性**を確立しました。歌詞には仏教的なモチーフや、能・歌舞伎など日本古典文化への言及も見られ、欧米リスナーからも「エキゾチックかつ革新的」と高評価を得ています。
IBARAKIはライブ活動こそ限定的ではあるものの、「アーティストとしての表現の幅を広げた新たな挑戦」としてメタルシーンでの存在感を強めています。TRIVIUMのファンはもちろん、ブラックメタルやアート志向のメタルファン、日本文化に関心を持つ海外リスナーなど、幅広い層から支持を集めている注目のプロジェクトです。
参加メンバー&ゲストミュージシャンの紹介
【現メンバー】
マシュー・キイチ・ヒーフィー(Matthew Kiichi Heafy) – Vocal/Guitar(2020~)
【サポートメンバー】
アレックス・ベント(Alex Bent) – Drums/Percussion
パオロ・グレゴリート(Paolo Gregoletto) – Bass
IBARAKIのアルバム紹介:ブラックメタル×日本的旋律という新たな挑戦
Rashomon[羅生門](2022)
- Hakanaki Hitsuzen(儚き必然)
- Kagutsuchi(迦具土)
- Ibaraki-Dōji(茨木童子)
- Jigoku Dayu(地獄太夫)
- Tamashii no Houkai(魂の崩壊)
- Akumu(悪夢)
- Komorebi(木漏れ日)
- Rōnin(浪人)
- Susanoo no Mikoto(須佐之男命)
- Kaizoku(海賊)
和×ブラックメタルの到達点――『Rashomon』が切り拓くマシュー・キイチ・ヒーフィーの新境地とは?
TRIVIUMのフロントマン、マシュー・キイチ・ヒーフィーによるソロプロジェクト「IBARAKI(イバラキ)」が放つデビュー作『Rashomon(羅生門)』は、ブラックメタルと日本文化を融合させた革新的な一枚です。プロデューサーにEMPERORのイーサーン(Ihsahn)を迎えた本作は、激烈なリフと荘厳な旋律が交錯し、仏教や日本神話をテーマにした歌詞が独自の世界観を形成。BEHEMOTHのネルガル(Nergal)やMY CHEMICAL ROMANCEのジェラルド・ウェイ(Gerard Way)ら豪華ゲストも参加し、多様な音楽性を実現しています。TRIVIUMとは一線を画す深遠でダークな音像は、マシュー・キイチ・ヒーフィーの創造力の新たな到達点といえるでしょう。ブラックメタルと東洋美学の融合を体感できる傑作です。
コメント