KANONENFIEBER(カノネンフィーバー)とは?ブラックメタルに戦争史を融合した独創的バンド
KANONENFIEBER(カノネンフィーバー)は、2020年にドイツ・バイエルン州バンベルクで結成された、メロディック・ブラック/デス・メタル・バンドです。第一次世界大戦を中心とした“戦場体験”を音楽で再構築する独自のコンセプトが大きな特徴で、結成わずか数年で世界的に注目を集める存在となりました。
バンドは、中心人物であり全楽器と作曲を担うノイズ(Noize)<All Instruments>によって始動しました。彼は、ドイツ史・軍事史に深い関心を持ち、祖父から受け継いだ実際の手記や戦場記録をもとに、第一次世界大戦の“現実”を音楽とアートワークで表現することを目指しました。このバンドは単なるブラックメタルではなく、「史実を元にしたドキュメンタリー型メタル」として構築され、誇張や美化ではなく、戦場の悲劇や人間の苦悩に焦点を当てる姿勢が強く支持を得ています。
2021年に発売されたデビューアルバム『Menschenmühle』は、遺された兵士の日記や現場の軍事資料、戦場での証言などを基に制作され、徹底したリアリティと残酷さの描写が世界のメタルシーンに衝撃を与えました。メロディック・ブラック・メタルの冷たさとデス・メタルの攻撃性を融合したスタイルで、戦争の混乱・恐怖・無力感を演出する重厚なサウンドが高く評価されました。
デビューアルバム発売後、バンドの知名度は一気に上昇し、ヨーロッパのメタルフェス出演やツアーが増加していきます。KANONENFIEBERはスタジオではノイズ(Noize)が中心ですが、ライブでは複数のサポートメンバーとともにステージに立ちます。覆面と軍服を模した衣装をまとい、戦場を思わせる照明・映像を活用するライブ演出は、他のブラックメタルとは一線を画す独自の存在感を形成しました。
2024年には、シングルリリースが続き、バンドの注目度はさらに高まり、同年に2ndアルバム『Die Urkatastrophe』を発売。戦闘資料を引用した歌詞、戦場の効果音、荒涼としたギターとメロディの融合は、「ブラックメタルの新たな表現方法」として新たに評価されました。
KANONENFIEBERは、2020年の結成からわずかな期間で、世界中のメタルファンから注目されるバンドへと進化しました。戦史研究に裏付けされた世界観、ブラック/デスを融合した音楽性、そしてノイズ(Noize)の徹底した表現姿勢が、唯一無二の存在感を生み出しています。今後も“戦争の現実を描くメタル”としてシーンを牽引することは間違いありません。
KANONENFIEBERのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■ノイズ(Noize) – All Instruments(2020~)
【ライヴサポートメンバー】
■グンナー(Gunnar) – Bass/Backing Vocal(2021~)
■ハンス(Hans) – Drums(2021~)
■シックフライド(Sickfried) – Guitar(2021~)
■エーネスト(Ernst) – Guitar(2025~)
アルバム紹介:激烈ブラックメタル×戦史コンセプトの真髄
Die Urkatastrophe(2024)

- Großmachtfantasie
- Menschenmühle
- Sturmtrupp
- Der Maulwurf
- Lviv zu Lemberg
- Waffenbrüder
- Gott mit der Kavallerie
- Panzerhenker
- Ritter der Lüfte
- Verdun
- Ausblutungsschlacht
- Alsdie Waffen Kamen
Menschenmühle(2021)

- Die Feuertaufe
- Dicke Bertha
- Die Schlacht bei Tannenberg
- Der letzte Flug
- Grabenlieder
- Grabenkampf
- Ins Niemandsland
- Unterstandsangst
- Verscharrt und ungerühmt

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