バンド紹介

KING DIAMOND（キング・ダイアモンド）は、デンマーク出身のヘヴィ・メタル・バンドで、キング・ダイアモンド（King Diamond）<Vo>を中心に結成されました。バンドは、1985年に結成され、ホラーをテーマにしたコンセプト・アルバムや演劇的なライブパフォーマンスで知られています。メンバーの特徴的なコープスペイントやファルセット・ヴォーカルが、独自の世界観を作り上げています。

キング・ダイアモンドは元々、MERCYFULL FATEのリード・シンガーとして活動していました。しかし、1985年にMERCYFULL FATEが一時解散し、その後すぐに自身の名を冠したソロ・バンドKING DIAMONDを結成しました。初期メンバーには、MERCYFULL FATEに在籍していたマイケル・デナー（Michael Denner）<Gt>とティミ・ハンセン（Timi Hansen）<Ba>も参加し、SWEDISH EROTICAなどでも活躍したアンディ・ラ・ロック（Andy LaRocque）<Gt>が加わりました。

1986年にデビュー・アルバム『Fatal Portrait』をリリース。この作品は、一部の楽曲がホラー・ストーリーを描いたコンセプト・アルバムとなっており、バンドの方向性を示すものでした。

1987年に発表した2ndアルバム『Abigail』は、バンドを代表する名作となり、全曲がホラー・ストーリーで構成されるコンセプト・アルバムとなりました。オカルトや幽霊を題材にしたストーリーと、キング・ダイアモンドの劇的な歌唱が融合し、ファンの間で高い評価を受けました。

その後も、『Them』（1988年）、『Conspiracy』（1989年）、『The Eye』（1990年）と、次々にコンセプト・アルバムを発表し、メタル・シーンで独自の地位を確立しました。

1990年代は、グランジやオルタナティブ・ロックの台頭によって、多くのヘヴィ・メタル・バンドが人気を落としましたが、キング・ダイアモンドは活動を続け、1995年にはアルバム『The Spider’s Lullabye』を発表しました。この作品では、アルバム全体を通じたコンセプトではなく、一部の楽曲のみがストーリーを持つ構成となっており、続く『The Graveyard』（1996年）や『Voodoo』（1998年）、『House of God』（2000年）などもリリースされ、根強い人気を維持しました。

また、MERCYFULL FATEも1990年代に再結成し、キング・ダイアモンドは両バンドで並行して活動を行いました。

2010年、キング・ダイアモンドは心臓のバイパス手術を受け、一時的に活動を休止しましたが、2012年にWacken Open Airをはじめとする大型フェスティバルに出演し、復帰を果たし、ライブ活動を再開しながらも、新作アルバムの制作が待たれています。

キング・ダイアモンドは、独特のホラー・コンセプトとドラマチックな楽曲展開で、メタル界に大きな影響を与え続けています。特に、彼のファルセット・ヴォイスと物語性の強い楽曲は、唯一無二のスタイルと言えるでしょう。現在も新作アルバムのリリースを控え、ファンの期待が高まっています。