MYRATH(ミラス)とは?チュニジアが生んだ革新的オリエンタル・プログレ・メタル

MYRATH(ミラス)
MYRATH(ミラス)

MYRATH(ミラス)とは?オリエンタル×プログレ・メタルの誕生から現在まで

MYRATH(ミラス)は、2001年にチュニジアの首都チュニスで結成されたプログレッシヴ・メタル・バンドです。アラブ音楽の民族旋律と、ヨーロッパ的なプログレッシヴ・メタルを融合させた独自のサウンドにより、中東・北アフリカ圏出身バンドとしては異例の国際的成功を収めてきました。

2001年、チュニジア・チュニスで、マレク・ベン・アルビア(Malek Ben Arbia)<Gt>が幼馴染みと共に前身のバンド、X-TAZYを結成。2006年にオリジナル楽曲に力を入れ、今までと全く異なるバンドを目指すことを決意し、アラビア語で「遺産(Legacy)」を意味し、自らの文化的ルーツを音楽に刻み込むという強い意志が込められたMYRATHに改名しました。

2007年、ザヘル・ゾルガティ(Zaher Zorgati)<Vo>が加入し、デビュー・アルバム『Hope』を発売。本作では、プログレッシヴ・メタルのテクニカルな構成美を軸にしながらも、すでにオリエンタルなフレーズが随所に顔を覗かせています。まだ粗削りながらも、「中東から世界へ」**という彼らのビジョンが明確に示された作品であり、後の飛躍を予感させる重要な一枚です。

2010年に発表された2ndアルバム『Desert Call』は、バンドが本格的に国際シーンへと踏み出す転機となった作品です。プロダクションの向上によりサウンドは一気に洗練され、民族旋律とメタルの融合がより自然かつ力強く表現されるようになりました。このアルバムを通じて、MYRATHは独自のサウンドを確立し、ヨーロッパのメタルファンからも注目を集めるようになります。

2011年発売の3rdアルバム『Tales of the Sands』は、MYRATHの名を世界に知らしめた代表作で、同年の12月には日本デビューを果たします。砂漠や中東神話を想起させるコンセプト、強烈なオリエンタル・メロディ、そしてキャッチーで壮大な楽曲構成が高く評価されました。プログレッシヴ・メタルでありながらも非常に聴きやすく、入門盤として最もおすすめされる作品として、現在でも高い人気を誇っています。

2016年の4thアルバム『Legacy』では、バンド名の意味とも重なる「遺産」というテーマが前面に押し出されました。本作では、よりメロディ重視の方向性が強まり、プログレ・メタルの複雑さと大衆性のバランスが巧みに取られています。この時期は、テクニカルでありながら感情に訴えかける表現力を獲得し、バンドとしての完成度を大きく高めました。

2019年発表の5thアルバム『Shehili』は、民族的アイデンティティを最も色濃く反映した作品です。「Shehili」とは砂漠の熱風を意味し、その名の通り、灼熱感と中東的情緒に満ちたアルバムとなっています。ヘヴィでモダンなメタル・サウンドと、伝統音楽的要素が高度に融合し、独自性が完全に確立された一作として高く評価されました。

2024年に発売された6thアルバム『Karma』では、さらにグローバルな視点を取り入れ、モダン・メタル的な要素も積極的に吸収しています。それでもなお、オリエンタルな旋律美は健在で、新旧ファンの双方に評価される作品となりました。

2026年3月、さらにスケールアップされたオリエンタル・プレグレッシヴ・メタルの壮大さを持った7thアルバム『Winderness Of Mirrors』が発売予定。この作品にはAMARANTHEのエリーゼ・リードがゲスト参加し、早くも話題沸騰の作品となっています。

MYRATHは、2001年の結成以来、民族音楽とプログレッシヴ・メタルの融合という困難なテーマに真正面から挑み続けてきました。中東・北アフリカ出身でありながら、世界のメタルシーンで成功を収めた彼らの歩みは、メタルが本質的に持つ「多様性」と「包容力」を証明しています。今後も革新的プログレ・メタルの象徴として、進化を続けていくことでしょう。

 

MYRATHのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■アニス・ジュイニ(Anis Jouini) – Bass(2006~)
■マレク・ベン・アルビア(Malek Ben Arbia) – Guitar(2006~)
■ザヘル・ゾルガティ(Zaher Zorgati) – Vocal(2007~)
■モルガン・ベルテット(Morgan Berthet) – Drums(2011~)
■ケヴィン・コドファート(Kévin Codfert) – Keyboard(2024~)

【過去メンバー】
■セイフ・ロウヒビ(Saif Louhibi) – Drums(2006~2011)
■アイズ・ボウチョウチャ(Eyes Bouchoucha) – Keyboard(2006~2022)、Vocal(2006~2007)
■ピーウィー・デスフレイ(Piwee Desfray) – Drums(2011)

 

アルバム紹介:MYRATH(ミラス)が示したメタルの新たな可能性

Wilderness Of Mirrors(2026)

Myrath - Wilderness Of Mirrors(2026)

  1. The Funeral
  2. Until The End
  3. Breathing Never The Roar
  4. Les Enfants du soleil
  5. Still The Dawn Will Come
  6. The Clown
  7. Soul Of My Soul
  8. Edge Of The Night
  9. Echoes Of The Fallen
  10. Through The Seasons

 

Karma(2024)

Myrath - Karma(2024)

  1. To The Stars
  2. Into The Light
  3. Candles Cry
  4. Let It Go
  5. Words Are Failing
  6. The Wheel Of Time
  7. Temple Walls
  8. Child Of Prophecy
  9. The Empire
  10. Heroes
  11. Carry On

 

Shehili(2019)

Myrath - Shehili(2019)

  1. Asl
  2. Born To Survive
  3. you’ve Lost Youeself
  4. Dance
  5. Wicked Dice
  6. Monster In My Closet
  7. Lili Twil (Les Frères Mégri cover)
  8. No Holding Back
  9. Stardust
  10. Mersal
  11. Darkness Arise
  12. Shehili

 

Legacy(2016)

Myrath - Legacy(2016)

  1. Jasmin
  2. Believer
  3. Get Your Freedom Back
  4. Nobody’s Lives
  5. The Needle
  6. Through Your Eyes
  7. The Unburnt
  8. I Want To Die
  9. Duat
  10. Endure The Silence
  11. Storm Of Lies

 

Tales Of The Sands(2011)

Myrath - Tales Of The Sands(2011)

  1. Under Siege
  2. Braving The Seas
  3. Merciless Times
  4. Tales Of The Sands
  5. Sour Sigh
  6. Dawn Within
  7. Wide Shut
  8. Requiem For A Goodbye
  9. Beyond The Stars
  10. Time To Grow

 

Desert Call(2010)

Myrath - Desert Call(2010)

  1. Forever And A Day
  2. Tempests Of Sorrows
  3. Desert Call
  4. Madness
  5. Silent Cries
  6. Memories
  7. Ironic Destiny
  8. No Turning Back
  9. Empty World
  10. Shockwave

 

Hope(2007)

Myrath - Hope(2007)

  1. Intro
  2. Confession
  3. Hope
  4. Last Breath
  5. Seven Sins
  6. Fade Away
  7. All My Fears
  8. My Inner War

 

 

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