MYRKUR(ミシュクル)とは?デンマーク発フォーク/ブラック・メタルの異端的美学の始まりから現在まで
MYRKUR(ミシュクル)は、デンマーク・コペンハーゲンで始動したフォーク/ポスト/アトモスフェリック・ブラック・メタル・プロジェクト、北欧フォークの神秘性とブラック・メタルの暗黒美を融合させた唯一無二の存在として、世界のエクストリーム・メタル・シーンで確固たる評価を築いてきました。
MYRKURは2014年、デンマーク出身の音楽家、アマリエ・ブルーン(Amalie Bruun)によるソロ・プロジェクトとして始動しました。プロジェクト名「MYRKUR」はアイスランド語(フェロー語)で「闇」を意味し、ブラック・メタルの精神性と北欧的な自然観、スピリチュアルな世界観を象徴しています。
当初は匿名性の高い形で楽曲を発表し、プリミティヴなブラック・メタル・サウンドと透明感のある女性ボーカルの対比が大きな話題となりました。デビュー直後から欧米メディアやブラック・メタル・ファンの注目を集め、MYRKURは一気にシーンの最前線へと躍り出ます。
2014年に発表されたEPやデモ、シングルなどの作品群では、トレモロ・リフを主体としたブラック・メタルに、クリーンボーカルや合唱的アプローチを導入するスタイルが確立されました。この時期のMYRKURは、伝統的ブラック・メタルへのリスペクトと、女性ソロ・アーティストならではの感性を同時に提示し、賛否両論を巻き起こしながらも強烈な存在感を示しました。
2015年に発表されたデビューアルバム『M』は、MYRKURの名を世界に広めた重要作です。ブラック・メタルの激しさと北欧フォークの旋律美が高度に融合され、単なるジャンルの枠を超えた作品として高く評価されました。この作品では、激烈なリフと同時に、静謐で儀式的な楽曲も配置され、MYRKURの音楽的レンジの広さが明確に示されています。
2017年発売の2ndアルバム『Mareridt』では、ブラック・メタル色をさらに強めつつ、よりダークで重厚なサウンドへと進化しました。北欧神話や悪夢的イメージを想起させる世界観が全編を貫き、ォーク/ブラック・メタルの代表的存在として確固たる地位を築きます。この時期からライヴ活動も本格化し、バンド編成によるパフォーマンスが高い評価を得ました。
2020年に発表された3rdアルバム『Folkesange』は、エレクトリック要素をほぼ排したアコースティック・フォーク作品です。北欧の伝承音楽や民謡を現代的に再解釈した内容で、MYRKURのルーツ志向と音楽的成熟が際立つアルバムとなりました。ブラック・メタルの文脈から一歩距離を取りつつも、「闇」と「自然」という根幹のテーマが一貫して表現されています。
2023年に発売された4thアルバム『Spine』では、再びヘヴィな要素を取り込みながらも、より洗練されたサウンド・プロダクションが施されました。ブラック・メタル、フォーク、ドゥーム的重厚感が有機的に結びつき、MYRKURの集大成とも言える内容に仕上がっています。この作品により、MYRKURは実験的アーティストという枠を超え、確かな表現力を持つ総合的メタル・アクトとして評価されました。
女性ソロ・プロジェクトでありながら、エクストリーム・メタル・シーンに強い影響を与え続けているMYRKURは、今後も北欧発メタル表現の重要な指標であり続ける存在と言えるでしょう。
MYRKURのプロジェクトメンバーと現ライヴメンバー
【現メンバー】
■アマリエ・ブルーン(Amalie Bruun) – Vocal/Guitar/Bass/Keyboard/Piano/Organ/Violin/Nyckelharpa/Percussion(2013~)
【過去メンバー】
■イェッペ・スクーヴ(Jeppe Skouv) – Bass(2016~)
■アンドレアス・リンゲ(Andreas Lynge) – Guitar(2016~)
■マーティン・ハウマン(Martin Haumann) – Drums(2017~)
■ハイメ・ディアス・オテロ・ヌニョス(Jaime Díaz Otero Núñez) – Drums(2018~)
■ミッケル・ハーストルップ(Mikkel Haastrup) – Guitar(2023~)
■マヤ・シャイニング(Maja Shining) – Vocal/Bass/Keyboard(2024~)
アルバム紹介:北欧神話とブラックメタルが融合した唯一無二の音世界
Spine(2023)

- Bålfærd
- Like Humans
- Mothlike
- My Blood Is Gold
- Spine
- Valkyriernes sang
- Blazing Sky
- Devil in the Detail
- Menneskebarn
Folkesange(2020)

- Ella
- Fager som en ros
- Leaves of Yggdrasil
- Ramund
- Tor i Helheim
- Svea
- Harpens kraft
- Gammelkäring
- House Carpenter (JOAN BAEZ cover)
- Reiar
- Gudernes vilje
- Vinter
Mareridt(2017)

- Mareridt
- Måneblôt
- The Serpent
- Crown
- Elleskudt
- De tre piker
- Funeral
- Ulvinde
- Gladiatrix
- Kætteren
- Børnehjem
- Death of Days
M(2015)

- Skøgen skulle dø
- Hævnen
- Onde børn
- Vølvens spådom
- Jeg er guden, i er tjenerne
- Nordlys
- Mordet
- Byssan lull
- Dybt i skoven
- Skaði
- Norn

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