NAPALM DEATH（UK・イギリス）

バンド紹介

NAPALM DEATH（ナパーム・デス）は、イギリス出身のハードコア・パンク／デス・メタル／グラインドコア・バンド。極限まで研ぎ澄まされた音楽的暴力と政治的メッセージで、世界中のエクストリーム・ミュージックに絶大な影響を与えた伝説的存在です、1981年にイングランド・バーミンガムで結成され、パンクやクラスティ、初期デスメタルの要素を融合させたサウンドで、後のグラインドコア・シーンの礎を築きました。

初期メンバーは頻繁に入れ替わりましたが、1987年のデビュー・アルバム『Scum』によって一躍注目を浴びます。特にこのアルバムのA面とB面ではメンバーがほぼ入れ替わっており、当時の混沌としたバンド体制を象徴しています。世界最速とも評されたドラム・ブラスト、1曲数秒という超短尺の楽曲構成が話題を呼び、「You Suffer」はギネスにも最短楽曲として登録されました。

1988年にシェーン・エンバリー（Shane Embury）<Ba>が加入し、2ndアルバムを発売し、翌年初来日。当時のメンバーには、CARCASSのビル・スティア―、CATHEDRALで活躍したリー・ドリアンが在籍していました。

1989年にリー・ドリアン、中心人物だったミック・ハリス（Mick Harris）<Dr>が脱退すると、1990年代以降はデスメタル色を強めつつも、社会的・政治的メッセージを貫きながら進化を続け、マーク・“バーニー”・グリーンウェイ（Mark “Barney” Greenway）<Vo>、シェーン・エンバリー（Shane Embury）<Ba>といった不動のメンバーを中心に精力的な活動を展開します。アルバム『Harmony Corruption（1990）』『Fear, Emptiness, Despair（1994）』『Enemy of the Music Business（2000）』などでサウンドの幅を広げ、グラインドコアに留まらない音楽性を示しました。

近年もバンドの勢いは衰えることなく、2020年にはアルバム『Throes of Joy in the Jaws of Defeatism』をリリース。時代を映す社会批判と極限のサウンドで、現代のメタル／ハードコア界における圧倒的存在感を維持しています。

NAPALM DEATHとは、グラインドコアというジャンルの原点であり、その進化形を体現する唯一無二のバンドです。彼らの歩みは、エクストリーム・ミュージックの歴史そのものといえるでしょう。

バンドメンバー

【現メンバー】
シェーン・エンバリー（Shane Embury） – Bass（1987～）
ミッチ・ハリス（Mitch Harris） – Guitar / Vocal（1989～）
マーク・“バーニー”・グリーンウェイ（Mark “Barney” Greenway） – Vocal（1989～1996、～）
ダニー・ヘレーラ（Danny Herrera） – Drums（1991～）

【過去メンバー】
ニコラス・バレン（Nicholas Bullen） – Bass（1991～1982、1986～1987）/ Vocal（1981～1987）
マイルズ・”ラット”・ラットレッジ（Miles “Rat” Ratledge） – Drums（1981～1985）
サイモン・オッペンハイマー（Simon Oppenheimer） – Guitar（1981）
フィンバー・クイン（Finbar Quinn） – Bass（1982～1985）
グラハム・ロバートソン（Graham Robertson） – Bass / Guitar（1982～1985）
ダリル・”シド”・フィデスキー（Daryl ”Sid” Fideski） – Guitar（1982）
ピート・ショー（Pete Shaw） – Bass（1985）
ミック・ハリス（Mick Harris） – Drums（1985～1991）
ジャスティン・ブロデリック（Justin Broadrick） – Guitar（1985～1986）
ダミアン・エリングトン（Damien Errington） – Guitar（1985）
ジム・ホワイトリー（Jim Whitely） – Bass（1987）
ビル・スティア―（Bill Steer） – Guitar（1987～1989）
フランク・ヒーリー（Christopher Amott） – Guitar（2020～2023）
リー・ドリアン（Lee Dorrian） – Vocal（1987～1989）
ジェシー・ピンタード（Jesse Pintado） – Guitar（1989～2004）
フィル・ヴェイン（Phil Vane） – Guitar（1996～1997）