NE OBLIVISCARIS(ネ・オブリヴィスカーリス)とは?プログレッシブ×エクストリームの融合

NE OBLIVISCARIS(ネ・オブリヴィスカーリス)
NE OBLIVISCARIS(ネ・オブリヴィスカーリス)

NE OBLIVISCARISとは?オーストラリア発の前衛エクストリームメタル

NE OBLIVISCARIS(ネ・オブリヴィスカーリス)は、2003年にオーストラリア・メルボルンで結成されたエクストリーム/プログレッシヴ・メタル・バンドです。ブラックメタル、デスメタル、プログレッシヴ・ロック、クラシック、ジャズなど多彩な音楽要素を融合したサウンドと、バイオリン奏者を正式メンバーに含む独創的な編成が特徴です。10分を超える長尺曲を中心に、技巧と叙情が共存する構築美を持った楽曲で、世界的な支持を獲得しています。

NE OBLIVISCARISは、SPIINE, OMEGA INFINITYのゼノー(Xenoyr)<Vo>とアダム・クーパー(Adam Cooper)<Ba>を中心に結成され、後にバンドの中心的存在となるティム・チャールズ(Tim Charles)<Vo,Violin>が加入し、「バイオリンを主旋律に組み込むメタル」という独自のコンセプトを掲げ、地元メルボルンのアンダーグラウンド・シーンで活動を開始します。

2007年に発売したデモ『The Aurora Veil』は、アンダーグラウンドながら世界中のファンの間で話題となり、長尺で複雑な楽曲構成と高い演奏力が高く評価されました。しかし当時はレーベル契約がなく、正式なフルアルバムの制作には数年の時間を要することとなります。

2012年、待望のデビュー・アルバム『Portal of I』を発売。この作品は、デモでも使用された楽曲を新たにレコーディングした内容で、バイオリンを中心にした美しい旋律と、ブラックメタル、デスメタル要素の強いサウンドが融合した独創性が圧倒的な評価を受けました。アルバムは世界のメタルメディアから高い評価を獲得し、NE OBLIVISCARISは瞬く間に国際的な注目を集めます。

2014年には2ndアルバム『Citadel』を発売。この作品は、前作以上に緻密なアレンジと深い芸術性が特徴で、複雑なリズム構造、交差するヴォーカルライン、美しいストリングスが絶妙に調和しています。特に「Painters of the Tempest」や「Devour Me, Colossus」は、NE OBLIVISCARISの象徴ともいえる大曲で、テクニカルかつ感情的な展開がファンの間で高く評価されました。

3rdアルバム『Urn』(2017年)は、より洗練されたサウンドとメロディアスな要素が強まった作品ですが、過去の焼き直し感は拭えず、賛否両論を巻き起こしました。しかしながら、この時期には欧州・北米・アジアなどで精力的にツアーを敢行。NE OBLIVISCARISはプログレッシブ・エクストリームメタルの最重要バンドとしての地位を確立しました。

2020年代に入ると、メンバー交代やパンデミックの影響もあり、活動ペースは一時的に落ち着きますが、2023年に4thアルバム『Exul』を発売。バンドの存在感は衰えることなく、長尺の構築美、クラシカルで叙情的な旋律などクオリティは高い作品に仕上がっています。

現在、NE OBLIVISCARISは新曲制作・ライブ活動を継続しており、次なるアルバムへの期待が高まっています。“プログレッシヴ×エクストリーム”の芸術性の共存という独自の強みは、今後も世界のメタルシーンで大きな影響力を持ち続けると考えられます。彼らは「前衛極限メタル」とも呼べる独自のジャンルを築き上げ、世界中のファンを魅了し続けているバンドです。

 

NE OBLIVISCARISのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■ティム・チャールズ(Tim Charles) – Violin(2003~)、Clean Vocal(2004~)
■マット・クラヴィンズ(Matt Klavins) – Guitar(2004~)
■ダニエル・プレスランド(Daniel Presland) – Drums(2005~2011、2012~2021、2024~)
■ベンジャミン・バレット(Benjamin Baret) – Guitar(2009~)
■マルティーノ・ガラトーニ(Martino Garattoni) – Bass(2018~)
■ジェイムズ・ドートン(James Dorton)- Harsh Vocal(2025~)

【過去メンバー】
■アダム・クーパー(Adam Cooper) – Bass(2003~2004)
■コリー・ベーカー(Corey Baker) – Drums(2003~2005)
■アダム・ボディ(Adam Boddy) – Guitar(2003~2004)
■ゼノー(Xenoyr) – Harsh Vocal(2003~2025)
■シェリー – ジェシー(Sheri-Jesse) – Soprano Vocal(2003~2004)
■コリー・キング(Corey King)- Guitar(2004~2008)
■ブレンダン・”シグナス”・ブラウン(Brendan “Cygnus” Brown) – Bass(2005~2017)
■ネルソン・バーンズ(Nelson Barnes) – Drums(2011~2012)

 

アルバム紹介:NE OBLIVISCARISが築いた“前衛エクストリームメタル”の価値

Exul(2023)

Ne Obliviscaris - Exul(2023)

  1. Equus
  2. Misericorde Ⅰ – As The Flesh Falls
  3. Misericorde Ⅱ – Anatomy Of Quiescence
  4. Suspyre
  5. Graal
  6. Anhedonia

 

Urn(2017)

Ne Obliviscaris - Urn(2017)

  1. Libera(Part Ⅰ) – Satumine Spheres
  2. Libera(Part Ⅱ) – Ascent Of Burning Moths
  3. Intra Venus
  4. Eyrie
  5. Urn(Part Ⅰ) – And Within The Void We Are Breathless
  6. Urn(Part Ⅱ) – As Embers Dance In Our Eyes

 

Citadel(2014)

Ne Obliviscaris - Citadel(2014)

  1. Painters Of The Tempest(Part Ⅰ):Wyrmholes
  2. Painters Of The Tempest(Part Ⅱ):Triptych Lux
  3. Painters Of The Tempest(Part Ⅲ):Reveries From The Stained Glass Womb
  4. Pyrrhic
  5. Devour Me, Colossus(Part Ⅰ):Blackholes
  6. Devour Me, Colossus(Part Ⅱ):Contortions

 

Portal Of I(2012)

Ne Obliviscaris - Portal Of I(2012)

  1. Tapestry Of The Starless Abstract
  2. Xenoflux
  3. Of The Peper Butterflies
  4. Forget Not
  5. And Plague Flowers The Kaleidoscope
  6. As Icicles Fall
  7. Of Petrichor Weaves Black Noise

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました