哲学的デスメタルとは何か?OBSCURAが描く知性のサウンド
OBSCURA(オブスキュラ)は、ドイツ出身のプログレッシヴ/テクニカル・デス・メタル・バンドで、複雑かつ知的な音楽性で国際的に高い評価を受けているバンドです。2002年にミュンヘンで結成され、バンド名はカナダのデス・メタルバンド、GORGUTSの1998年のアルバム『Obscura』に由来しています。
中心人物であるシュテッフェン・クンメラー(Steffen Kummerer)<Vo,Gt>は、結成当初から現在に至るまでバンドの核として活動を牽引してきました。OBSCURAは、デス・メタルの激しさと、ジャズやクラシック音楽に影響を受けた構築美のあるプログレッシヴな要素を融合させた独自のスタイルを築いています。
2006年にデビューアルバム『Retribution』を自主リリースし、そのテクニカルな演奏と構成力で注目を集めました。2009年にはRelapse Recordsと契約し、2ndアルバム『Cosmogenesis』を発表。この作品ではより洗練されたテクニックとプログレッシヴ性が発揮され、世界中のメタル・ファンや評論家から高く評価されました。
その後も『Omnivium』(2011年)、『Akróasis』(2016年)、『Diluvium』(2018年)、『A Valediction』(2021年)が発表され、特に『Diluvium』までの4作品は、宇宙や哲学をテーマにしたコンセプト作品であり、OBSCURAの音楽性の深さと一貫性を象徴しています。
メンバーの入れ替わりが多いことでも知られていますが、2025年の『A Sonication』では、シュテッフェン・クンメラーを除いてメンバーが総入れ替えされました。しかし、このアルバムでは脱退したメンバーが書き残したリフなどを許可なく使用しているため、色んな意味で話題となりました。
OBSCURAは、テクニカル・デス・メタルの最前線を走り続けるバンドであり、ジャンルの枠を超えた音楽性で世界中のリスナーを魅了し続けています。プログレッシヴかつ哲学的な視点を持つその作品群は、テクニカル・デス・メタルの金字塔として語り継がれる存在です。
OBSCURAのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■ステフェン・クンメラー(Steffen Kummerer) – Guitar/Vocal(2002~)
■ロビン・ズィールホルスト(Robin Zielhorst) – Bass(2024~)
■ジェイムズ・スチュワート(James Stewart) – Drums(2024~)
■ケヴィン・オラズ(Kevin Olasz) – Guitar(2024~)
【過去メンバー】
■ケッツァー(Ketzer) – Bass/Vocal(2002~2004)
■ヨナス・バウムガートル(Jonas Baumgartl) – Drums/Cello(2002~2007)
■アーミン・ザイツ(Armin Seitz) – Guitar(2002~2004)
■アンドレアス・ヌスコ・”ハンク”(Andreas Nusko “Hank”) – Bass(2004~2005)
■ユルゲン・ズィンツ(Jürgen Zintz) – Guitar(2004~2005)
■ヨナス・フィッシャー(Jonas Fischer) – Bass(2005~2007)
■マルクス・レンプシュ(Markus Lempsch) – Guitar/Vocal(2005~2007)
■ヨルン・パウル・テセリン(Jeroen Paul Thesseling) – Bass(2007~2011、2020~2022)
■ハネス・グロスマン(Hannes Grossmann) – Drums(2007~2014)
■ヨハネス・レニング(Johannes Renning) – Guitar(2007)
■クリスティアン・ミュンツナー(Christian Münzner) – Guitar(2008~2014、2020~2024)
■リーヌス・クラウゼニツァー(Linus Klausenitzer) – Bass(2011~2020)
■セバスティアン・ランサー(Sebastian Lanser) – Drums(2014~2020)
■トム・ゲルトシュレーガー(Tom Geldschläger) – Guitar(2014~2015)
■ラファエル・トゥルヒーヨ(Rafael Trujillo) – Guitar(2015~2020)
■デイヴィッド・ディーポルト(David Diepold) – Drums(2020~2024)
■アレックス・ウェバー(Alex Weber) – Bass(2024)
アルバム紹介:OBSCURAは“哲学×デスメタル”の頂点に立つ存在
A Sonication(2025)
- Silver Linings
- Evenfall
- In Solitude
- The Prolonging
- Beyond The Seventh Sun
- Stardust
- The Sun Eater
- A Sonication
A Valediction(2021)
- Forsaken
- Solaris
- A Valediction
- When Stars Collide
- In Unity
- Devoured Usurper
- The Beyond
- Orbital Elements Ⅱ
- The Neuromancer
- In Adversity
- Heritage
Diluvium(2018)
- Clandestine Stars
- Emergent Evolution
- Diluvium
- Mortification Of The Vulgar Sun
- Ethereal Skies
- Convergeance
- Ekpyrosis
- The Seventh Aeon
- The Conjuration
- An Epilogue To Infinity
- A Last Farewell
Akróasis(2016)
- Sermon Of The Seven Suns
- The Monist
- Akróasis
- Ten Sepiroth
- Ode To The Sun
- Fractal Dimension
- Perpetual Infinity
- Weltseele
- The Orgin Of Primal Expression
Omnivium(2011)
- Septuagint
- Vortex Omnivium
- Ocean Gateways
- Eucidean Elements
- Prismal Dawn
- Celestial Spheres
- Velocity
- A Transcendental Serenade
- Aevum
Cosmogenesis(2009)
- The Anticosmic Overload
- Choir Of Spirits
- Universe Momentum
- Incarnated
- Orbital Elements
- Desolate Spheres
- Infinite Rotation
- Noospheres
- Cosmogenesis
- Centric Flow
Retribution(2006)
- Humankind
- Nothing
- Unhinged
- None Shall Be Spared
- Alone
- Hymn To A Nocturnal Visitor
- Intoxicated
- Exit Life
- Sentiment
- Sweet Silence
- Lack Of Comprehension(DEATH cover)
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