ONSLAUGHT(オンスロート)とは?バンドの結成から現在までの歴史
ONSLAUGHT(オンスロート)は、1982年にイングランド・ブリストルで結成されたスラッシュ・メタル・バンドで、UKスラッシュ・メタル黎明期を代表する存在です。ハードコア・パンクをルーツに持つ荒々しいサウンドと、政治的・社会的メッセージ性の強い歌詞によって、アメリカ主導だったスラッシュ・メタルに“英国流の凶暴さ”を刻み込みました。
1982年、イングランド南西部のブリストルで結成。当初はハードコア・パンク色の強いバンドとしてスタートし、DISCHARGE、EXPLOITEDなどUKパンク/クラストの影響を色濃く受けた楽曲を展開していました。この時点では、後のスラッシュ・メタル的な高速リフよりも、荒々しいリズムと攻撃的なメッセージが前面に出ていたのが特徴です。
しかし、80年代半ばに入り、アメリカからSLAYERやMETALLICAといったスラッシュ・メタル勢が台頭すると、ONSLAUGHTは音楽性を大きくシフトさせます。ハードコアのスピード感を維持しつつ、より鋭利なメタル・リフを導入したことで、UKスラッシュ・メタルの中核を担う存在へと進化していきました。
1985年、ONSLAUGHTはデビュー・アルバム『Power From Hell』を発売。
この作品は、荒削りながらも極めて攻撃的なスラッシュ・サウンドを提示し、UKスラッシュ・メタルの方向性を決定づけた重要作として評価されています。ハードコア由来のスピード感と、初期SLAYERにも通じる不穏で邪悪な雰囲気が融合した内容は、当時のヨーロッパ・シーンに大きな衝撃を与えました。
続く1986年には、2ndアルバム『The Force』を発表。この作品ではサウンドの完成度が飛躍的に向上し、リフ構成や楽曲展開もより洗練されました。このアルバムは現在でもバンドの代表作として語られることが多く、UKスラッシュ・メタルの名盤の一つとして高く評価されています。アルバム発売後には2年半に渡りツアーを行い、MOTORHEAD、KREATOR、NUCLEAR ASSAULT、ANTHRAXなど多くのバンドと共演しました。
1989年に発売された3rdアルバム『In Search of Sanity』では、よりメジャー志向のサウンドが試みられました。ボーカル・スタイルの変化やプロダクションの強化により、前2作とは異なる印象を持つ作品となり、評価は賛否が分かれました。この方向転換は、新たなリスナー層を獲得する一方で、初期の攻撃性を好むファンからは戸惑いの声も上がりました。
1990年の初め、メンバー交代を経て、バンドは4枚目のアルバム制作に取り掛かりますが、レコード契約を得られず、1991年に解散を決めます。
2005年、14年ぶりに本格的な復活を果たし再結成。その年に曲作りを始め、2007年に4thアルバム『Killing Peace』を発売。初期の攻撃性を現代的なプロダクションで再構築し、ベテランながらも衰えないスラッシュ魂を見せつけました。
2011年の『Sounds of Violence』、2015年の『VI』では、スラッシュ・メタルの王道を貫きつつ、現代的な重厚感も取り入れたサウンドを展開します。これらの作品により、“80年代の遺産”ではなく、現役のスラッシュ・メタル・バンドとして再評価されるようになりました。
2020年には『Generation Antichrist』を発売。政治的・社会的テーマを前面に押し出した姿勢で強い存在感を示し、2025年には、ドイツのReigning Phoenix Musicと契約し、過去の曲とカバー曲の再録音をした2枚組アルバム『Orgins Of Aggression』を発売。1枚目には初期の名盤からの曲を再録音、2枚目ではバンドのルーツとなるDISCHARGE、THE EXPLOITED、GBHなどのパンク/ハードコア系、BLACK SABBATH、JUDAS PRIESTなどのヘヴィ・メタル系の双方のカヴァー曲を収録し、元メンバーや多くのゲストが参加しました。
ONSLAUGHTはUKスラッシュ・メタルの“生きる伝説”として確固たる地位を築いています。初期の荒々しさ、80年代の名盤、そして復活後の安定した作品群は、若いスラッシュ・メタル・ファンにも再発見されています。特に、ハードコア・パンクとスラッシュ・メタルを結びつけたスタイルは、現代のクロスオーバー/スラッシュ系バンドにも大きな影響を与えています。ONSLAUGHTは、単なる歴史的存在ではなく、今なおスラッシュ・メタルの本質を体現し続けるバンドと言えるでしょう。
ONSLAUGHTのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■ナイジ・ロケット(Nige Rockett) – Guitar(1982~1991、2004~)
■サイ・キーラー(Sy Keeler) – Vocal(1986~1988、2004~2020、2025~)
■ジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams) – Bass(2006~)
■ジェイムズ・ペリー(James Perry) – Drums(2018~)
【過去メンバー】
■ポール・”ディッキー”・ヒル(Paul “Dickie” Hill) – Bass(1982~1983)
■スティーヴ・グライス(Steve Grice) – Drums(1982~1991、2004~2011)
■ジェイス・ポープ(Jase Pope) – Vocal(1982~1983)
■ポール・デイヴィス(Paul Davies) – Bass(1983~1984)
■ロジャー・デイヴィス(Roger Davies) – Vocal(1983~1984)
■ジェイス・スタラード(Jase Stallard) – Bass(1984~1985)、Guitar(1985~1987)
■ポール・”モー”・マホニ―(Paul “Mo” Mahoney) – Vocal(1984~1986)、Bass(1985~1986)
■ジム・ヒンダー(Jim Hinder) – Bass(1986~1991、2004~2006)
■ロブ・トロットマン(Rob Trotman) – Guitar(1987~1991)
■スティーヴ・グリメット(Steve Grimmett) – Vocal(1988~1990)
■トニー・オーホラ(Tony O’Hora) – Vocal(1990~1991)
■アラン・ジョーダン(Alan Jordan) – Guitar(2004~2008)
■アンディ・ロッサ―=デイヴィス(Andy Rosser-Davies) – Guitar(2008~2015)
■マイケル・ホーリハン(Michael Hourihan) – Drums(2011~2018)
■イアン・’GT’・デイヴィス(Iain ‘GT’ Davies) – Guitar(2015~2018)
■ウェイン・ドーマン(Wayne Dorman) – Guitar(2018~2020、2020~2025)
■デイヴィッド・ガーネット(David Garnett) – Vocal(2020~2025)、Guitar(2022~2025)
アルバム紹介:80年代UKスラッシュ・メタル・バンドの重鎮
Origins Of Aggression(2025)

Disc 1
- Themonuclear Devastation Of The Planet Earth
- Black Horse Of Famine
- Angels Of Death
- Power From Hell
- Metal Forces
- Let There Be Death
- Fight With The Beast
- Thrash Till The Death
- In Search Of Sanity
- Shellshock
Disc 2
- Iron Fist(MOTORHEAD cover)
- Holiday In Combodia(DEAD KENNEDYS cover)
- A Look At Tomorrow(DISCHARGE cover)
- U.K. 82(THE EXPLOITED cover)
- Freewheel Burning(JUDAS PRIEST cover)
- Wardance(KILLING JOKE cover)
- Give Me Fire(GBH cover)
- State Violence State Control(DISCHARGE cover)
- Holiday In The Sun(SEX PISTOLS cover)
- Emotional Blackmail(U.K. SUBS cover)
- War Pigs(BLACK SABBATH cover)
- Deunk With Power(DISCHARGE cover)
Generation Antichrist(2020)

- Rise To Power
- Strike Fast Strike Hard
- Bow Down To The Clowns
- Generation Antichrist
- All Seeing Eye
- Addicted To The Smell Of Death
- Empires Fall
- Religiousuicide
- A Perfect Day To Die(2020 version)
VI(2013)

- A New World Order
- Chaos Is King
- Fuel For My Fire
- Children Of The Sand
- Slaughterize
- 66’Fucking’6
- Cruci-Fiction
- Dead Man Walking
- Enemy Of My Enemy
Sounds Of Violence(2011)

- Into The Abyss(Intro)
- Born For War
- The Sound Of Violence
- Code Black
- Rest In Pieces
- Godhead
- Hatebox
- Antitheist
- Suicideology
- End Of The Storm(Outro)
- Bomber(MOTORHEAD cover)
Killing Peace(2007)

- Burn
- Killing Peace
- Destroyer Of Worlds
- Pain
- Prayer For The Dead
- Tested To Destruction
- Twisted Jesus
- Planting Seeds Of Hate
- Shock ‘n’ Awe
In Search Of Sanity(1989)

- Asylum
- In Search Of Sanity
- Shellshock
- Lighting War
- Let There Be Roxk(AC/DC cover)
- Blood Upon The Ice
- Welcome To Dying
- Power Play
The Force(1986)

- Let There Be Death
- Metal Forces
- Fight With The Beast
- Demoniac
- Flame Of The Antichrist
- Contract In Blood
- Thrash ‘til The Death
Power From Hell(1985)

- Damnation
- Onslaught(Power From Hell)
- Thermonuclear Devastation
- Skullcrusher I
- Lord Of Evil
- Death Metal
- Angels Of Death
- The Devil’s Legion
- Steel Meets Steel
- Skullcrusher Ⅱ
- Witch Hunt
- Mighty Empress

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