PRETTY MAIDS（プリティ・メイズ）とは？デンマーク発メロディック・メタルの名門バンド

PRETTY MAIDS（プリティ・メイズ）とは？バンド結成から現在までの歩み
1. PRETTY MAIDSのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：デンマークが生んだメタル界の至宝の全て

PRETTY MAIDS（プリティ・メイズ）とは？バンド結成から現在までの歩み

PRETTY MAIDS（プリティ・メイズ）は、1981年にデンマークで結成されたメロディック・ヘヴィメタル・バンドです。北欧ならではの叙情性と、ハードロック由来のキャッチーなメロディを融合した独自のスタイルで、40年以上にわたり世界中のメタルファンから支持され続けています。

1981年、ケン・ハマー（Ken Hammer）<Gt>を中心にデンマークで結成されました。オーディションを経てロニー・アトキンス（Ronnie Atkins）<Vo>ら6人編成のバンドとして活動を開始します。結成直後から高いメロディセンスが評価され、デモ音源がヨーロッパのメタルファンの間で話題になります。

1983年にはEP『Pretty Maids』を発売し、ハードロックとメタルを融合したスタイルが注目を集めました。この時期に海外レーベルとも契約し、本格的な活動基盤を固めていきます。1984年、デビューアルバム『Red, Hot and Heavy』を発売。力強いボーカルとキャッチーなリフが高く評価され、欧州メタルシーンで一躍存在感を示します。「Back To Back」は、今なお語り継がれる北欧メタルの名曲のひとつです。

続く1987年発売の2ndアルバム『Future World』は、PRETTY MAIDSの代表作として語り継がれる重要作です。北欧らしい叙情性、スピード感、メロディアスなコーラスが絶妙に融合し、世界のメタルリスナーから広く支持を獲得しました。この時期から、バンドは海外ツアーを行い、北米や日本でも人気を伸ばしていきます。

1990年代に入ると、メタルシーンはグランジやオルタナティブの台頭により大きく変化します。しかしPRETTY MAIDSは流行に左右されず、メロディック・ヘヴィメタル路線を堅持しました。『Jump the Gun』（1990年）、『Scream』（1994年）『Spooked』（1997年）など、時代性を反映しながらもバンドの芯を保った作品を次々に制作し、根強いファン層を維持します。

2000年代に入ると、バンドはよりモダンなヘヴィネスを取り入れ、サウンドに新たなエネルギーを注ぎ込みました。『Wake Up to the Real World』（2006年）、『Pandemonium』（2009年）では、迫力あるギターワークと北欧メロディが融合し、再び世界から注目を集めます。

2010年代は、PRETTY MAIDSが最も安定した活動を見せた時期です。『Pandemonium』（2010年）、『Motherland』（2013年）、『Kingmaker』（2016年）を発売し、ヨーロッパのフェスでも高い人気を保ち続けました。

2020年以降、ロニー・アトキンスは重い病との闘いを公表し、ファンに衝撃が走ります。しかし彼は音楽活動を続け、ソロ作品も発表するなど、強い意志でアーティスト活動を継続しています。バンドとしての大規模なツアーは制限されつつも、PRETTY MAIDSのブランドは衰えることなく、過去作品の再評価が進んでいます。また、メロディック・メタルの再人気とともに、若いリスナーからの注目も高まり続けています。

PRETTY MAIDSは、1981年の結成以来、40年以上にわたりメロディック・ヘヴィメタルの魅力を世界に発信してきました。叙情的なメロディ、ギターワーク、力強い歌声は、ジャンルに大きな影響を与え続けています。彼らの作品群は、2025年現在でも古びることがなく、メタルファンにとって必聴の存在です。北欧メタルの歴史を理解するうえで、PRETTY MAIDSを外すことはできません。

PRETTY MAIDSのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■ケン・ハマー（Ken Hammer） – Guitar（1981～）
■ロニー・アトキンス（Ronnie Atkins） – Vocal（1982～）
■アラン・チカヤ（Allan Tschicaja） – Drums（2006～2017、2019～）
■レネ・シェイズ（René Shades） – Bass（2011～）
■クリス・レイニー（Chris Laney） – Keyboard/Guitar（2016～）

【過去メンバー】
■ジョン・ダロウ（John Darrow） – Bass（1981～1984）
■フィル・ムーアヘッド（Phil Moorhead） – Drums（1981～1991）
■ジョン・ナダル・ヤコブセン（john Naldal Jakobsen） – Vocal（1981～1982）
■ピート・コリンズ（Pete Collins） – Guitar（1982～1984、1985～1989）
■アラン・オーウェン（Alan Owen） – Keyboard（1982～1990、2000～2002）
■アラン・ディロング（Allan Delong） – Bass（1984～1991）
■リック・ハンソン（Rick Hanson） – Guitar（1984）
■ベニー・ピーターソン（Benny Peterson） – Guitar（1984）
■リッキー・マークス（Ricky Marx） – Guitar（1989～1991）
■ドミニク・ゲイル（Dominic Gale） – Keyboard（1990～1996）
■ケン・ジャクソン（Kenn Jackson） – Bass（1991～2010）
■マイケル・ファスト（Michael Fast） – Drums（1991～2005）
■モルテン・サンダガー（Morten Sandager） – Keyboard（2006～2016）
■アラン・ソーレンセン（Allan Sørensen） – Drums（2017～2019）