RHAPSODY OF FIRE（ラプソディ・オブ・ファイア）とは？イタリア発壮大な“ファンタジー・メタル”の世界

RHAPSODY OF FIREとは？バンドの結成期から現在までのストーリー
1. RHAPSODY OF FIREのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：RHAPSODY OF FIREが作り出す壮大な音楽世界

RHAPSODY OF FIREとは？バンドの結成期から現在までのストーリー

RHAPSODY OF FIRE（ラプソディ・オブ・ファイア）は、1993年にイタリア・ヴェネツィアで結成されたシンフォニック・パワー・メタル・バンドです。当時バンドの中心メンバーだったアレックス・スタロポリ（Alex Staropoli）<Key>とルカ・トゥリッリ（Luca Turilli）<Gt>が、クラシック音楽・映画音楽・パワーメタルを融合した独自のサウンドを追求したことから、後に“ファンタジー・メタル”とも呼ばれる新しいスタイルが確立しました。壮大な世界観を持つストーリー性、オーケストラやクワイアを積極的に取り入れたシネマティックなアプローチが、世界中のメタルファンから高い評価を得ています。

1993年に結成されバンドはTHUNDERCROSSという名義で活動を開始しましたが、1994年にデモ『Land Of Immortal』を発表した後、RHAPSODY（ラプソディー）と改名し、2ndデモ『Eternal Glory』を発表。ファンタジックでクラシカルなメタルサウンドを全面に押し出しました。
1997年のデビューアルバム『Legendary Tales』は、オーケストレーションとパワーメタルの融合が話題となり、新しいメタルジャンルの幕開けとして注目を集めました。1998年の『Symphony of Enchanted Lands』では、壮大な叙事詩を描く長編構成がさらに進化し、国際的な成功を収めます。

2000年代初頭には、世界観がひとつの物語として展開される「アルガロード年代記（Chronicles of Algalord）」の構築が進み、各アルバムがストーリーとして繋がる壮大なコンセプトワークが完成します。『Dawn of Victory』（2000）、『Rain of a Thousand Flames』（2001）、『Power of the Dragonflame』（2002）と続く作品群によって、RHAPSODYはシンフォニック・パワーメタルの代表的存在として確固たる地位を築きました。

2006年、バンドは商標権に関する問題からバンド名の変更を余儀なくされ、RHAPSODY OF FIREへ改名します。その後も精力的な活動を続け、『Triumph or Agony』（2006）では、よりシネマティックでドラマティックな要素を追求。ハリウッド級のナレーションや豪華なオーケストラ編成が、メタル界でも唯一無二の存在感を示しました。

2008年、所属していたMANOWORのジョーイ・ディマイオのマネージメント「Magic Circle Music」とのトラブルにより活動休止中であることを発表。2009年に解決したことで活動を再開しますが、2011年にルカ・トゥリッリが脱退。このことによりバンドはルカ・トゥリッリによるLUCA TURILLI’S RHAPSODY、アレックス・スタロポリを中心としたRHAPSODY OF FIREに分裂し、互いに新たな音楽的方向性を模索することになりました。
その後、オリジナルシンガーであるファビオ・リオーネ（Fabio Lione）<Vo>も2016年にバンドを脱退し、ジャコモ・ヴォーリ（Giacomo Voli）が加入し、バンドは第二創成期に突入します。

新体制となったRHAPSODY OF FIREは、『Legendary Years』（2017）で過去の名曲を新メンバーで再録し、ファンに新たなサウンドを提示します。
さらに『The Eighth Mountain』（2019）では壮大なコンセプトストーリー「The Nephilim Empire Saga」の第一章を描き、再び長編叙事詩に挑戦する姿勢を示しました。

2021年には『Glory for Salvation』、2024年に『Challenge The Wind』を発売し、シンフォニック・パワーメタルの伝統を継承しつつ、現代的な要素を取り入れた“新世代RHAPSODYサウンド”を展開しました。荘厳なコーラス、重厚なギターサウンド、緻密なオーケストラアレンジが融合し、バンドの成熟が感じられる作品として高く評価されています。

RHAPSODY OF FIREの長年にわたって築き上げられた壮大なファンタジー世界観と高い音楽性は、シンフォニック・メタル界における絶対的存在として、今もなお強い影響力を放ち続けています。

RHAPSODY OF FIREのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■アレックス・スタロポリ（Alex Staropoli） – Keyboard/Piano/Harpsichord/Orchestrations/Backing Vocal（1991～2021）
■ロベルト・デ・ミケーリ（Roberto De Micheli） – Drums（1991～1996、2012～）
■アレッサンドロ・サーラ（Alessandro Sala） – Guitar（1991～1996、2012～）
■ジャコモ・ヴォーリ（Giacomo Voli） – Drums（1991～2021）
■パオロ・マルケシッチ（Paolo Marchesich） – Drums（1991～2021）

【過去メンバー】
■アンドレア・ファーラン（Andrea Furlan） – Drums（1991～2021）
■ダニエレ・カーボネラ（Daniele Carbonera） – Drums（1991～2021）
■ルカ・トゥリッリ（Luca Turilli） – Guitar（1993～1999）
■ファビオ・リオーネ（Fabio Lione） – Bass（1999～2008）
■クリスティアーノ・アダカー（Cristiano Adacher） – Bass（2008～2013）
■アレッサンドロ・ロッタ（Alessandro Lotta） – Bass（2016～2021）
■アレックス・ホルツヴァルト（Alex Holzwarth） – Guitar（2020～2023）
■パトリス・ゲール（Patrice Guers） – Guitar（2020～2023）
■オリヴァ―・ホルツヴァルト（Oliver Holzwarth） – Guitar（2020～2023）
■トム・ヘス（Tom Hess） – Guitar（2020～2023）
■マヌエル・ロッタ―（Manuel Lotter） – Guitar（2020～2023）