ROYAL HUNT（ロイヤル・ハント）とは？壮大なメロディと叙情で描く北欧メタルバンドの軌跡

ROYAL HUNTとは？｜北欧が生んだメロディック×プログレッシヴ・メタルの巨星
1. ROYAL HUNTのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：ROYAL HUNTが築いた“壮大な叙情の王国”

ROYAL HUNTとは？｜北欧が生んだメロディック×プログレッシヴ・メタルの巨星

ROYAL HUNT（ロイヤル・ハント）は、1988年、デンマークの首都コペンハーゲンで結成されたハード・ロックやプログレッシヴ、そしてパワー・メタルの要素を融合させた独自のサウンドで世界的に高い評価を受けたバンドです。中心人物であるアンドレ・アンダーセン（André Andersen）<Key>を軸に、叙情的なメロディとクラシカルなアレンジを特徴とする楽曲を数多く生み出してきました。

1992年、デビューアルバム『Land of Broken Hearts』をリリースし、そのドラマチックで壮大なサウンドはヨーロッパのメロディック・メタル・シーンに新風を吹き込みました。続く『Clown in the Mirror』（1993）では、叙情性と技巧性をさらに深化させ、バンドの方向性を明確にします。1995年の『Moving Target』では、アメリカ人のD.C.クーパー（D.C. Cooper）<Vo>が参加し、彼の力強くも感情的な歌声がバンドの代表的なイメージを確立しました。

1997年に発表された『Paradox』は、ROYAL HUNTを象徴するコンセプト・アルバムとして多くのファンに愛されています。宗教と人間の精神をテーマにした壮大な物語構成と、クラシカルで緻密なキーボードアレンジは高い評価を受け、プログレッシヴ・メタル史に残る名盤となりました。

しかし、1998年にD.C.クーパーが脱退し、バンドは一時的に方向転換を余儀なくされます。その後もARTENSIONで活動したジョン・ウエスト（John West）<Vo>やYNGWIE MALMSTEENのバンドで活動したマーク・ボールズ（Mark Boals）<Vo>など実力派ボーカリストを迎え、アルバム『The Mission』（2001）、『Paper Blood』（2005）などをリリース。クラシカルな要素とハードロック的なエネルギーを両立させたサウンドで進化を続けました。

2011年、D.C.クーパーがバンドに復帰し、ファンの間で大きな話題となります。復帰後のアルバム『Show Me How to Live』（2011）は、往年の壮大なメロディと最新のサウンドデザインが融合した作品として高い評価を受けました。以降も『A Life to Die For』（2013）、『Cast in Stone』（2018）などを発表し、2020年、2021年には、レイ・ブラッドベリの小説「華氏451（Fahrenheit 451）」をモチーフにしたコンセプトアルバム2作を発売。ROYAL HUNTのネオクラシカル様式美は健在で、多彩な複数のゲストヴォーカルが参加していることでも話題になりました。

ROYAL HUNTの音楽は、クラシック音楽の荘厳さとメロディック・メタルの情熱を見事に融合させたものです。アンドレ・アンダーセンによる緻密な作曲と、D.C.クーパーのドラマチックな歌唱が織りなす世界観は、まさに「北欧メロディック・メタルの象徴」といえるでしょう。結成から30年以上経った今もなお、彼らの音楽は多くのリスナーに新たな感動を与え続けています。ROYAL HUNTは単なるメタル・バンドではなく、叙情と構築美を極めたプログレッシヴ・メタルの到達点として、世界中のファンに愛される存在なのです。

ROYAL HUNTのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■アンドレ・アンダーセン（André Andersen） – Keyboard/Guitar（1989～）、Bass（2005）
■D.C. クーパー（D.C. Cooper） – Vocal（1995～1998、2011～）
■アンドレアス・パスマーク（Andreas Passmark） – Bass（2009～）
■ヨナス・ラーセン（Jonas Larsen） – Guitar（2011～）
■アンドレアス・”ハブ”・ヨハンソン（Andreas “Habo” Johansson） – Drums（2015～）

【過去メンバー】
■スティーン・モーゲンセン（Steen Mogensen） – Bass（1991～2021）
■ケネス・オールセン（Kenneth Olsen） – Drums（1991～2021）
■ヘンリック・ブルックマン（Henrik Brockmann） – Vocal（1993～1999）
■トニ・ラーム（Toni Rahm） – Guitar（1999～2008）
■クリスチャン・ヘルゲソン（Christian Helgesson） – Guitar（2008～2013）
■ヤコブ・キエール（Jacob Kjaer） – Guitar（2016～2021）
■アラン・ソーレンセン（Allan Sorensen） – Drums（2020～2023）
■ジョン・ウェスト（John West） – Vocal（2020～2023）
■マーカス・イデル（Marcus Jidell） – Guitar（2020～2023）
■ペア・シェランダー（Per Schelander） – Bass（2020～2023）
■マーク・ボールズ（Mark Boals） – Vocal（2020～2023）