TAAKEの歴史と音楽性を紐解く｜冷たき霧が纏うノルウェー・ブラックの真髄

TAAKE（トーケ）とは？バンドの基本情報と概要
1. バンドメンバー：中心人物Hoest（ホースト）
アルバム紹介：TAAKEの音楽性と特徴、歌詞と美学に見る哲学的世界観

TAAKE（トーケ）とは？バンドの基本情報と概要

TAAKE（トーケ）は、1993年にノルウェーのベルゲンで結成されたブラック・メタル・バンドです。中心人物であるHoest（ホースト）によって始動し、以降30年以上にわたり一貫してノルウェー語による歌詞と伝統的なブラック・メタルのスタイルを貫いています。バンド名の「TAAKE」はノルウェー語で「霧」を意味し、その名の通り、冷たく幻想的な音像が特徴です。

TAAKEの音楽は、1990年代のノルウェー・ブラック・メタル第二波の精神を色濃く継承しつつも、独自のメロディラインや変則的な展開を取り入れた革新性にも富んでいます。1999年にリリースされたデビューアルバム『Nattestid Ser Porten Vid』は、氷のように鋭利で霊的な雰囲気を放つ名作として評価され、以後も高品質な作品をコンスタントに発表してきました。

2002年の『Over Bjoergvin Graater Himmerik』、2005年の『Hordalands Doedskvad』といったアルバムでは、ブラック・メタルの枠組みを守りながらも、フォークやクラシックの要素を巧みに取り入れた音作りが光ります。2011年の『Noregs Vaapen』では、なんとバンジョーを導入するなど実験的な姿勢も示し、多くのリスナーに衝撃を与えました。

TAAKEの歌詞はすべてノルウェー語で書かれており、自然、歴史、内省的な主題が多く取り上げられています。宗教や政治的な議題に踏み込むこともあり、一部の表現を巡って物議を醸したこともありますが、それすらもバンドのカルト的な人気と注目度を高める要因となっています。

最新作『Kong Vinter』（2017年）においても、TAAKEはその本質を損なうことなく、洗練されたブラック・メタルの世界観を提示し続けています。ライブ活動も精力的に行っており、欧州各地でのツアーやフェス出演を通じて、世界中のブラック・メタルファンを魅了し続けています。

TAAKEは、ノルウェー・ブラック・メタルの伝統と革新を体現する存在として、今後もシーンの中で重要な役割を担い続けるでしょう。シンプルでありながら奥深いその音楽性は、ブラック・メタルの真髄を知るうえで欠かせないバンドのひとつです。

バンドメンバー：中心人物Hoest（ホースト）

【現メンバー】
ホースト（Hoest） – All Instruments/Vocal（1995～）

【過去メンバー】
ハヴァード（Haavard） – Bass
ビャルテ・ボー（Bjarte Boe） – Drums
スティーグ（Stieg） – Guitar
スヴァルテゥ（Svartulv） – Drums（1995～1996）、Vocal（1996，2004，2005）
ステファニー・カレン・アローチ（Stephanie Karen Allouche） – Bass/Piano（2000～2003）
ラヴァ（Lava） – Bass/Guitar/Vocal（2002～2007）
モルド（Mord） – Drums（2002～2006）
C・コラックス（C.Corax） – Guitar（2002～2004）
ドメダッグ（Dommedag） – Guitar（2007）

【現ライヴメンバー】
ジェルムンド・フレドヘイム（Gjermund Fredheim） – Bass/Drums/Vocals-Clean（1996～2002）、Guitar（2007～）
ヴィガンダー（V’Gandr） – Bass/Vocal-Backing（2007～）
エインディアチャイ（Aindiachai） – Guitar（2007～）
エルド（Eld） – Bass（2015～）
ルネ・ネッセ（Rune Nesse） – Drums（2019～）