THE DILLINGER ESCAPE PLAN（ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プラン）とは？カオティック・ハードコアの伝説を解説！

THE DILLINGER ESCAPE PLANとは？カオティック・ハードコアを体現するバンドの歴史と進化
1. THE DILLINGER ESCAPE PLANのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：THE DILLINGER ESCAPE PLANが残した現代エクストリーム・ミュージックへの遺産

THE DILLINGER ESCAPE PLANとは？カオティック・ハードコアを体現するバンドの歴史と進化

THE DILLINGER ESCAPE PLAN（ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プラン）は、1997年にアメリカ・ニュージャージー州で結成されたメタルコア/ハードコア/プログレッシヴ・メタル・バンドです。バンド名は、アメリカの有名な銀行強盗“ジョン・ディリンジャー”に由来し、反逆的かつ破壊的なイメージを反映しています。初期の彼らは、ハードコアパンクの攻撃性とプログレッシヴな複雑さを融合させたサウンドを展開し、瞬く間にアンダーグラウンドシーンで注目を集めました。

1999年に発表したデビューアルバム『Calculating Infinity』は、極端な変拍子と予測不可能な展開でシーンに衝撃を与え、カオティック・ハードコアの代表作とされています。

バンドは結成当初から幾度もメンバー交代を経験しましたが、その都度サウンドを進化させました。2004年の『Miss Machine』では、現KILLER BE KILLEDのグレッグ・プチアート（Greg Puciato）<Vo>を迎え、メロディ要素や実験的な音楽性を取り入れ、従来の激烈なサウンドに新たな彩りを加えたことで、批判的な意見を浴びますが、新たなファンを獲得しました。その後の『Ire Works』（2007年）や『Option Paralysis』（2010年）でもプログレッシヴな要素とハードコアのエネルギーを融合し、唯一無二のスタイルを確立していきます。2016年、バンドは「活動を完結させる」と発表し、翌2017年に最後のアルバム『Dissociation』をリリースしました。本作は実験性と叙情性を兼ね備え、ファンと批評家の双方から高い評価を得ました。その後行われた解散ツアーをもって、約20年にわたる活動に幕を下ろしました。

2023年、デビューアルバムの25周年を記念してオリジナルメンバーのディミトリ・、ミナカキス（Dimitri Minakakis）<Vo>を迎え再結成し、活動が再開されています。

THE DILLINGER ESCAPE PLANは、作品だけでなくライブパフォーマンスでも高い評価を得ました。観客に飛び込む、ステージを破壊するなど、過激でカオティックなライブは伝説的と語り継がれています。技術的な演奏力と衝動的な表現を両立させた姿は、メタルコアやマスコアの後続バンドに大きな影響を与えました。彼らが生み出した複雑かつアグレッシブなサウンドは、マスコア、メタルコア、エクストリーム・メタルといったジャンルに新たな可能性を切り開きました。独自の音楽的挑戦とライブパフォーマンスは、多くのアーティストやリスナーに今なお強いインスピレーションを与え続けています。

THE DILLINGER ESCAPE PLANは、1997年の結成から2017年の解散、2023年からの活動再開に至るまで、常に挑戦的で革新的な姿勢を貫いたバンドです。彼らの歴史と音楽性は、カオティック・ハードコアの象徴であると同時に、プログレッシヴな精神を体現した存在として語り継がれています。

THE DILLINGER ESCAPE PLANのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■ベン・ワインマン（Ben Weinman） – Guitar/Programming/Keyboard/Vocal（1997～2017、2023～）
■ディミトリ・ミナカキス（Dimitri Minakakis） – Vocal（1997～2001、2023～）
■リアム・ウィルソン（Liam Wilson） – Bass/Vocal（2000～2017、2023～）
■ジェイムズ・ラヴ（James Love） – Guitar（2005～2006、2012～2015、2024～）
■ビリー・ライマー（Billy Rymer） – Drums/Percussion（2009～2017、2023～）

【過去メンバー】
■クリス・ペニー（Chris Pennie） – Drums/Percussion/Keyboard/Programming（1997～2007）
■アダム・ドール（Adam Doll） – Bass（1997～1999）
■デリック・ブラントリー（Derrick Brantley） – Guitar（1997）
■ジョン・フルトン（John Fulton） – Guitar（1997～1998）
■ブライアン・ベノワ（Brian Benoit） – Guitar（1998～2005）
■ジェフ・ウッド（Jeff Wood） – Bass（1999～2000）
■グレッグ・プチアート（Greg Puciato） – Vocal（2001～2017）
■ジェフ・タトル（Jeff Tuttle） – Guitar/Vocal（2006～2012）
■ギル・シャロン（Gil Sharone） – Drums/Percussion（2007～2009）
■ケヴィン・アントレシアン（Kevin Antreassian） – Guitar（2015～2017）