バンド紹介

URGEHAL（ウルゲヘル）は、ノルウェーのブラック・メタル・バンドで、1992年に結成され、初期のブラック・メタル・ムーブメントに影響を受けながら活動を開始しました。彼らの音楽スタイルは、初期のDARKTHRONEやGORGOROTHなどの影響を色濃く受けた、ロウでプリミティブなブラック・メタルです。

URGEHALは初期のデモ音源をいくつか制作し、その後1997年にデビューアルバム『Arma Christi』をリリースしました。このアルバムは、邪悪な雰囲気と生々しいサウンドが特徴で、アンダーグラウンド・シーンで高い評価を受けました。

その後も精力的に活動を続け、1998年に2ndアルバム『Massive Terrestrial Strike』を発表。続く2001年の『Atomkinder』では、さらに攻撃的なサウンドと冷徹なブラック・メタルの要素を強化しました。

2000年代後半には『Through Thick Fog Till Death』（2003年）、『Goatcraft Torment』（2006年）、『Ikonoklast』（2009年）といった作品をリリースし、ブラック・メタルの伝統を守りつつ、よりダイナミックで破壊的な音楽を展開していきました。特に『Goatcraft Torment』は、バンドの代表作の一つとして多くのファンに支持されています。

しかし、2012年5月、バンドの中心メンバーであったトロンド・ネファス（Trondr Nefas）<Vo,Gt>が急逝しました。彼の死はブラック・メタル・シーンに大きな衝撃を与え、URGEHALは活動を停止することとなりました。

2016年、バンドはトロンド・ネファス（Trondr Nefas）への追悼として、遺作となるアルバム『Aeons in Sodom』をリリースしました。このアルバムには、ブラック・メタル・シーンの名だたるアーティストがゲスト参加し、彼の遺志を継ぐ作品となりました。

『Aeons in Sodom』のリリース以降、URGEHALは正式な活動を行っていません。バンドのメンバーはそれぞれ別のプロジェクトに取り組んでおり、今後の再結成の可能性については不明です。しかし、彼らの音楽はブラック・メタル・ファンの間で今なお評価され続けており、特に90年代のノルウェー・ブラック・メタルの精神を受け継ぐバンドの一つとして、その存在は色褪せることがありません。

URGEHALは、ノルウェー・ブラック・メタルの伝統を重んじながらも、独自の攻撃的なサウンドと邪悪な雰囲気を作り上げたバンドです。Trondr Nefasの死によってその活動は停止しましたが、彼らの音楽は今もなおブラック・メタルの歴史の中で重要な位置を占めています。