バンド紹介
DARK TRANQUILLITY(ダーク・トランキュリティ)は、スウェーデン・イエテボリを拠点に活動するメロディック・デス・メタルの先駆者的存在のバンドで、1989年に結成されました。彼らはIN FLAMESやAT THE GATESと共に「イエテボリ・サウンド(Gothenburg Sound)」と呼ばれるメロディック・デス・メタルのサブジャンルを築き上げたバンドの一つとして広く認識されています。
バンドは、ミカエル・スタンネ(Mikael Stanne)<Gt>を中心に、ニクラス・スンディン(Niklas Sundin)<Gt>、アンダース・フリーデン(Anders Fridén)<Vo>、マーティン・ヘンリクソン(Martin Henriksson)<Ba>、アンダース・ジヴァープ(Anders Jivarp)<Dr>によって結成されました。初期にはSEPTIC BROILERという名前で活動していましたが、後にDARK TRANQUILLITYと改名します。
1993年にリリースされたデビューアルバム『Skydancer』は、疾走感のあるリフとアンダース・フリーデンの特徴的なボーカルが融合した作品でした。この後、アンダース・フリーデンが脱退し、IN FLAMESに加入。これに伴い、当時ギタリストだったミカエル・スタンネ(Mikael Stanne)がボーカリストに転向し、現在までバンドのフロントマンを務めています。
DARK TRANQUILLITYは、アルバムごとに進化を遂げていきました。1995年にリリースされた2ndアルバム『The Gallery』は、メロディック・デス・メタルの金字塔とも言われ、彼らの名を一躍広めました。この作品では、美しいメロディと過激なデス・メタル要素を融合させたスタイルが確立されています。
1997年の『The Mind’s I』や、1999年の『Projector』では、キーボードやクリーンボーカルなどを取り入れることでさらに多彩な音楽性を探求しました。特に『Projector』では、実験的なアプローチが評価され、スウェーデン・グラミー賞にノミネートされるという快挙を達成しました。
2000年代に入ると、DARK TRANQUILLITYは安定した活動を続けながら、メロディック・デス・メタルの基盤をより強固なものにしました。アルバム『Haven』(2000年)や『Damage Done』(2002年)は、彼らの成熟したサウンドを示し、ファンや批評家から高い評価を受けました。
その後も『Character』(2005年)、『Fiction』(2007年)など、メロディックかつ攻撃的な作品を発表し、ライブ活動を精力的に行いました。彼らの音楽は、攻撃的なリフとメランコリックなメロディの対比が特徴的で、エレクトロニクスやアンビエント要素を取り入れた独自のサウンドを確立しています。
2010年代以降も、DARK TRANQUILLITYは精力的な活動を続けています。『Construct』(2013年)、『Atoma』(2016年)は、洗練されたプロダクションとバンドの成熟した音楽性を反映したアルバムです。特に『Atoma』は、国際的な成功を収め、チャートでも好成績を記録しました。
2020年には12枚目のアルバム『Moment』をリリース。この作品では、バンドに新たに元ARCH ENEMYのクリストファー・アモット(Christopher Amott)<Gt>、とNONEXISTのヨハン・レインホルツ(Johan Reinholdz)<Gt>が加入し、新たなダイナミズムをもたらしました。
2021年にはアンダース・ジヴァープ、アンダース・イワースが脱退。これによりオリジナルメンバーはミカエル・スタンネのみとなりましたが、新たなラインナップとなり、2024年には『Endtime Signals』が発表されました。
DARK TRANQUILLITYの音楽性は、メロディック・デス・メタルの基本である過激さと叙情性のバランスに加え、エレクトロニックやゴシック要素の取り入れによって進化を遂げてきました。彼らの歌詞は、哲学的で内省的なテーマを扱うことが多く、深い感情や存在論的な問いを投げかける内容が特徴です。
バンドはヨーテボリ・サウンドの開拓者として、数多くの後続バンドに影響を与えており、メロディック・デス・メタルの発展において重要な役割を果たしています。
DARK TRANQUILLITYは、30年以上にわたりメタルシーンの最前線で活躍し続ける、スウェーデンが誇るメロディック・デス・メタルの重鎮です。時代ごとに進化を遂げながらも、独自の音楽性を貫き、今なおファンを魅了し続けています。彼らの音楽は、メロディック・デス・メタルファンにとって必聴であり、今後の活動にも期待が寄せられています。
バンドメンバー
【現メンバー】
ミカエル・スタンネ(Michael Stanne) – Vocal(1993~)、Guitar(1991~1993)
マーティン・ブランドストローム(Martin Brandstrom) – Keyboard/Programming/Electronics(1999~)
ヨハン・レインホルツ(Johan Reinholdz) – Guitar(2020~)
クリスティアン・ヤンソン(Christian Jansson) – Bass(2022~)
ヨアキム・ストランドベリ=ニルソン(Joakim Strandberg-Nilsson) – Drums(2022~)
【過去メンバー】
マーティン・ヘンリクソン(Martin Henriksson) – Bass(1991~1999、2013~2015)、Guitar(1999~2016)
アンダース・ジヴァープ(Anders Jivarp) – Drums(1991~2021)
ニクラス・スンディン(Niklas Sundin) – Guitar(1991~2020)
アンダース・フリーデン(Anders Friden) – Vocal(1991~1993)
フレドリック・ヨハンソン(Fredrik Johansson) – Guitar(1993~1999)
マイケル・ニクラソン(Michael Nicklasson) – Bass(1999~2008)
ダニエル・アントンソン(Daniel Antonsson) – Bass(2008~2013)
アンダース・イワース(Anders Iwers) – Bass(2016~2021)
クリストファー・アモット(Christopher Amott) – Guitar(2020~2023)
アルバムレビュー(最新アルバム順)
Endtime Signals(2024)
- Shivers And Voids
- Unforgivable
- Neuronal Fire
- Not Nothing
- Drowned Out Voices
- One Of Us Is Gone
- The Last Imagination
- Enforced Perspective
- Our Disconnect
- Wayward Eyes
- A Bleaker Sun
- False Reflection
前作から4年、リズム隊が脱退し新体制となった2024年発売の13枚目のアルバム。前作は元ARCH ENEMYのクリストファー・アモット<Gt>が在籍していたが脱退、シングル体制に。
Moment(2020)
- Phantom Days
- Transient
- Identical To None
- The Dark Unbroken
- Remain In The Unknown
- Standstill
- Ego Deception
- A Drawn Out Exit
- Eyes Of The World
- Failstate
- Empires Lost To Time
- In Truth Divided
Atoma(2016)
- Encircled
- Atoma
- Forward Momentum
- Neutrality
- Force Of hand
- Faithless By Default
- The Pitiless
- Our Proof Of Life
- Clearing Skies
- When The World Screams
- Merciless Fate
- Caves And Embers
Construct(2013)
- For Broken Words
- The Science Of Noise
- Uniformity
- The Silence In Between
- Apathetic
- What Only You Know
- Endtime Hearts
- State Of Trust
- Weight Of The End
- None Becoming
We Are The Void(2010)
- Shadow In Our Blood
- Dream Oblivion
- The Fatalist
- In My Absence
- The Grandest Accusation
- At The Point Of Ignition
- Her Silent Language
- Arkhangelsk
- I Am The Void
- Sueface The Infinite
- Iridium
Fiction(2007)
Character(2005)
Damage Done(2002)
Haven(2000)
Projector(1999)
The Mind’s I(1997)
The Gallery(1995)
Skydancer(1993)
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