DARK ANGEL（ダーク・エンジェル）とは？メタル史に刻まれたカリフォルニア産スラッシュの真髄

DARK ANGEL（ダーク・エンジェル）とは？スラッシュメタル界の暴虐天使を解説！
1. DARK ANGELのバンドメンバー変遷
アルバム紹介：DARK ANGELが生み出した音楽的特徴とスラッシュメタル史への貢献

DARK ANGEL（ダーク・エンジェル）とは？スラッシュメタル界の暴虐天使を解説！

DARK ANGEL（ダーク・エンジェル）は、1981年にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたスラッシュ・メタル・バンドです。激烈なスピードとテクニカルな演奏、複雑な楽曲構成で、1980年代後半のスラッシュメタル黄金期を支えた重要バンドとして知られています。

1981年、ジム・ダーキン（Jim Durkin）<Gt>を中心にヘヴィ・メタル・バンド、SHELLSHOCKを結成、同名バンドがいたことで、DARK ANGELに改名しました。初期はロサンゼルスのアンダーグラウンド・メタルシーンで活動し、1985年にデビューアルバム『We Have Arrived』をリリース。荒削りながらも圧倒的なスピードと攻撃性で注目を集めました。

1986年、ジーン・ホグラン（Gene Hoglan）<Dr>が加入し、バンドは飛躍的に進化します。新鋭レーベル「コンバット・レコード」に移籍し同年発表した2ndアルバム『Darkness Descends』は、極限まで加速したリズムと精密なリフ、そして重厚なサウンドでスラッシュメタル史に残る名盤として高く評価されました。

3rdアルバム『Leave Scars』（1989年）では、テクニカルな展開と長尺曲に挑戦。アルバムは初めて全米チャートにランクインしました。4thアルバム『Time Does Not Heal』（1991年）では、9分前後の楽曲や複雑な構成を取り入れ、「9曲で67分。246のリフが収録されたアルバム」としても話題になりました。これにより、スラッシュメタルにおけるプログレッシブ要素の先駆的存在ともなります。

1992年、新たなアルバム制作を開始しますが、ジーン・ホグランのDEATHへの加入などにより、各メンバーが新たなキャリアに進んだためバンドは崩壊。ジーン・ホグランは、後にTESTAMENTやSTRAPPING YOUNG LADなどで活躍しました。

2002年、ジーン・ホグランを中心にライヴ活動。創設メンバーの不参加や、メンバーの体調悪化を理由に2005年に活動停止しますが、2013年、オリジナルメンバーを含むラインナップで再結成を発表。世界各国のメタルフェスに出演し、クラシック曲を中心としたセットリストでファンを熱狂させます。2020年代に入り、新作アルバム制作の動きが報じられます。しかしながら2023年に、唯一の在籍創設メンバーだったジム・ダーキンが死去。バンドの活動が危ぶまれますが、2025年現在もスタジオワークとライブ活動を並行し、シングルを2枚発売しました。

DARK ANGELは、超高速のドラム、鋭利なギターリフ、複雑な展開、社会的・哲学的な歌詞が特徴です。彼らのスタイルは、後進のテクニカル・スラッシュメタルやデスメタルにも多大な影響を与えています。カリフォルニア産スラッシュメタルの象徴として、1980年代から現在に至るまでシーンに確かな爪痕を残してきました。その攻撃的かつ緻密なサウンドは、今なお世界中のメタルファンを魅了し続けています。

DARK ANGELのバンドメンバー変遷

【現メンバー】
ジーン・ホグラン（Gene Hoglan） – Drums（1984～1992、2002～2005、2013～）
エリック・メイヤー（Eric Meyer） – Guitar（1984～1992、2002～2005，2013～）
マイク・ゴンザレス（Mike Gonzalez） – Bass（1986～1992、2013～）
ロン・ラインハート（Ron Rinehart） – Vocal（1987～1992、2002～2005、2013～）
ローラ・クリスティーン（Laura Christine） – Guitar（2023～）

【過去メンバー】
ロブ・ヤーン（Rob Yahn） – Bass（1983～1986）
ボブ・ガーリー（Bob Gourley） – Drums（1983）
マイク・アンドラーデ（Mike Andrade） – Drums（1983）
ジャック・シュワルツ（Jack Schwartz） – Drums（1983、1984）
ジム・ダーキン（Jim Durkin） – Guitar（1983～1989、2002、2013～2023）
ドン・ドーティ（Don Doty） – Vocal（1983～1987）
リー・ラウシュ（Lee Rauch） – Drums（1984）
ジム・ドラボス（Jim Drabos） – Vocal（1987）
ブレット・エリクセン（Brett Eriksen） – Guitar（1989～1991）
クリス・マッカーティー（Cris McCarthy） – Guitar（1991～1992）
ダニエル・ウィリアムス（Danyael Williams） – Bass（2002～2004）