バンド紹介
ALL THAT REMAINS(オール・ザット・リメインズ)は、1998年にアメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールドで結成されたメタルコア/メロディック・デス/ヘヴィ・メタル・バンドです。バンドの中心人物のフィル・ラボンテ(Phil Labonte)<Vo>は、結成前に同郷のバンドSHADOWS FALLで活動していたが、音楽性の違いにより脱退。その後、自身のビジョンに沿った音楽を追求するためにALL THAT REMAINSを結成しました。
2002年にデビューアルバム『Behind Silence and Solitude』をリリース。このアルバムは、AT THE GATESやIN FLAMESなどの影響を受けたメロディック・デスメタル色が強く、当時のメタルコアシーンの中でも比較的ヘヴィなサウンドを展開していましたが、この時点ではまだ大きな注目を集めることはありませんでした。
2003年にリリースされた2ndアルバム『This Darkened Heart』では、プロデューサーにKILLSWITCH ENGAGEのアダム・デュトキエヴィッチを迎え、サウンドプロダクションが大幅に向上。前作に比べてメロディアスな要素が増し、バンドの方向性がメタルコア寄りになりました。本作から「The Deepest Gray」「Tattered on My Sleeve」などがシングルカットされ、バンドは徐々に知名度を上げていきました。
2006年に発表した3rdアルバム『The Fall of Ideals』は、彼らのキャリアにおける最も重要な作品のひとつとなりました。このアルバムはメロディック・デスとメタルコアの要素を融合させ、「This Calling」や「Six」といった楽曲を収録。特に「This Calling」は映画『ソウ3(Saw III)』のサウンドトラックに収録され、バンドの知名度を大きく向上させました。さらに、ゲーム『Guitar Hero II』にも「Six」が収録され、多くのリスナーにバンドの存在が広まりました。
2008年には4thアルバム『Overcome』をリリース。この作品では、よりクリーンなボーカルとキャッチーなメロディを強調し、メタルコアシーンでの地位を確立。「Two Weeks」や「Chiron」などの楽曲がヒットし、バンドはアメリカのメインストリームに進出し始め、2010年の5thアルバム『…For We Are Many』では、従来のメタルコア要素を維持しつつも、よりヘヴィでアグレッシブなサウンドを展開。「Hold On」や「The Last Time」などの楽曲が注目を集め、バンドの人気はさらに拡大しました。
2012年にリリースされた6thアルバム『A War You Cannot Win』では、よりシンプルでラジオ向けの楽曲が増加。「Stand Up」はビルボードのロックチャートでヒットし、バンド史上最大の商業的成功を収めますが、従来のメタルコア色が薄れたことにより、一部のファンの間では賛否が分かれる作品となりました。
2015年の7thアルバム『The Order of Things』では、ヘヴィ・メタルやハードロック的な要素を取り入れ、よりメロディアスな方向へ進化。「This Probably Won’t End Well」や「Divide」などの楽曲が収録されていますが、メタルコアとしての激しさは以前より抑えられた印象を受けます。
2018年にリリースされた8thアルバム『Victim of the New Disease』では、一転して初期のヘヴィなサウンドへ回帰し、アグレッシブなメタルコア要素を前面に押し出しました。
しかし、このアルバムのリリース直後、バンドにとって最大の悲劇が起こります。2018年10月、長年バンドを支えてきたオリー・ハーバート(Oli Herbert)<Gt>が自宅近くの池で遺体となって発見。しかし、彼の死は不審な点が多く、現在もファンの間でさまざまな憶測が飛び交っています。オリーの死後、バンドは活動を続けることを決意し、新メンバーに元BORN OF OSIRIS, 元CHELSEA GRINのジェイソン・リチャードソン(Jason Richardson)<Gt>を迎え入れました。
ALL THAT REMAINSは、メロディック・デスの影響を受けたメタルコアバンドとしてスタートし、次第にメロディアスな楽曲へとシフトしていきました。2000年代後半にはメインストリームでの成功を収めましたが、2010年代後半にかけてはバンドの音楽性や方向性に対する議論が続きました。しかしながら、2018年のオリー・ハーバートの死という悲劇を乗り越え、現在も活動を続けるALL THAT REMAINSは、今後どのような音楽を生み出していくのか、多くのファンが注目しています。
アルバムレビュー(最新アルバム順)
Antifragile(2025)
- Divine
- Kerosene
- No Tomorrow
- The Piper
- Antifragile
- Forever Cold
- Poison It
- Let You Go
- Cut Their Tongues Out
- Blood & Stone
Victim Of The New Disease(2018)
- Fuck Love
- Everything’s Wrong
- Blood I Spill
- Wasteland
- Alone In The Darkness
- Misery In Me
- Broken
- Just Tell Me Something
- I Meant What I Said
- Victim Of The New Disease
Madness(2017)
- Safe House
- Madness
- Nothing I Can Do
- If I’m Honest
- Halo
- Louder
- River City
- Open Grave
- Far Frome Home
- Trust And Believe
- Back To You
- Never Sorry
- The Thunder Rolls(GARTH BROOKS cover)
The Order Of Things(2015)
- This Probably Won’t End Well
- No Knock
- Divide
- The Greatst Generation
- FOr You
- A Reason For Me To Fight
- Victory Lap
- Pernicious
- Bite My Tongue
- Flat Empire
- Tru-Kvlt-Metal
- Criticism And Self-Realization
A War You Cannot Win(2012)
- Down Through The Ages
- You Can’t Fill My Shadow
- Stand Up
- A Call To All Non-Believers
- Asking Too Much
- Intro
- Just Moments In Time
- What If I Was Nothing
- Sing For Liberty
- Not Fading
- Caculating Loneliness
- A War You Cannot Win
…For We Are Many(2010)
- Now Let Them Tremble…
- For We Are Many
- The Last Time
- Some Of The People, All Of The Time
- Won’t Go Quietly
- Aggressive Opposition
- From The Outside
- Dead Wrong
- Faithless
- Hold On
- Keepers Of Fellow Man
- The Waiting One
Overcome(2008)
- Before The Damned
- Two Weeks
- Undone
- Forever In Your Hands
- Chiron
- Day Without
- Song For The Hopeless
- Do Not Obey
- Relinquish
- Overcome
- Believe In Nothing(NEVERMORE cover)
The Fall Of Ideals(2006)
- This Calling
- Not Alone
- It Dwells In Me
- We Stand
- Whispers(I Hear You)
- The Weak Willed
- Six
- Become The Catalyst
- The Air That I Breathe
- Empty Inside
- Indictment
This Darkened Heart(2003)
- And Death In My Arms
- The Deepest Gray
- Vicious Betrayal
- I Die In Degrees
- Focus Shall Not Fail
- Regret Not
- Passion
- For Salvation
- Tattered On My Sleeve
- This Darkened Heart
Behind Silence And Solitude(2002)
- Behind Silence And Solitude
- From These Wounds…
- Follow
- Clarity
- Erase
- Shading
- Home To Me
- One Belief
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