ANNIHILATOR（アナイアレイター）とは？カナダ発テクニカル・スラッシュメタルの結成から現在まで

ANNIHILATOR（アナイアレイター）とは？カナダが誇るテクニカル・スラッシュメタルの象徴

ANNIHILATOR（アナイアレイター）は、1984年にカナダの首都オタワで結成されたテクニカル・スピード/グルーヴ/スラッシュ・メタル・バンドです。ジェフ・ウォーターズ（Jeff Waters）<Gt,Vo>を中心に活動を続け、世界中のメタルファンから高い評価を受けています。彼の卓越したギタープレイと緻密なソングライティングは、ANNIHILATORをカナダ・メタル界の頂点へと押し上げました。

バンドは、1986年から1988年までにデモ音源3作を発表し、1989年にデビューアルバム『Alice in Hell』をリリース。この作品は、スラッシュメタル特有のスピード感に加え、テクニカルでメロディアスなギターリフが融合した傑作として、世界的に高い評価を獲得しました。続く2ndアルバム『Never, Neverland』（1990）では音楽性がさらに洗練され、メロディックかつ構築的なサウンドでバンドの名声を確立します。

1990年代に入ると、メンバーの入れ替わりが頻繁に起こり、ジェフ・ウォーターズ（Jeff Waters）のワンマン・プロジェクト的存在へと変化していきます。しかしその中でも、『King of the Kill』（1994）や『Refresh the Demon』（1996）など、グルーヴメタル的要素を取り入れたアルバムを発表し、時代に合わせた音楽的進化を遂げました。2000年代初頭には『Carnival Diablos』（2001）などで再び評価を高め、クラシックなスラッシュとモダンな要素の融合を見せています。

2010年代以降も、『Feast』（2013）や『Ballistic, Sadistic』（2020）といったアルバムで健在ぶりをアピールしました。これらの作品では、往年のテクニカルスラッシュ・スタイルを維持しつつも、現代的なミックスと攻撃的なトーンで若い世代のメタルリスナーにも支持を広げています。2000年代に入るとデイヴ・パデン（Dave Padden）<Vo,Gt>が加入し、2014年までツインヴォーカル体制となりましたが、2015年からがジェフ・ウォーターズがギターとボーカルを兼任し、圧倒的な演奏力で世界各国のフェスを席巻しました。2021年には、INTO ETERNITY、元ICED EARTHのステュ・ブロック（Stu Block）がライヴでの専任ヴォーカルとして参加。ANNIHILATORはベテランバンドとして、なおも活動を続けています。

ANNIHILATORは、1984年の結成以来、テクニカルなギターワークと圧倒的な創造力で世界中のファンを魅了してきました。スラッシュ・メタルのスピードと精密さを極め、メロディと技巧を融合させたその音楽は、まさにカナダが誇るメタルの至宝といえる存在です。これからも彼らの進化と新たな挑戦に、メタルファンの注目が集まり続けることでしょう。

ANNIHILATORのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■ジェフ・ウォーターズ（Jeff Waters） – Guitar/Bass（1984～）、Vocal（1994～1997、2015～）
■アーロン・ホンマ（Aaron Homma） – Guitar/Vocal（2014～）
■リッチ・グレイ（Rich Gray） – Bass/Vocal（2017～）
■ファビオ・アレッサンドリーニ（Fabio Alessandrini） – Drums（2017～2023、2024～）

【過去メンバー】
■デイヴ・スコット（Dave Scott） – Bass（1984～1985）
■ポール・マレク（Paul Malek） – Drums（1984～1985）
■ジョン・ベイツ（John Bates） – Vocal（1984～1985）
■リチャード・デス（Richard Death） – Drums（1985）
■ジョー・ボンジョルノ（Joe Bongiorno） – Guitar（1985～1986）
■レイ・ハートマン（Ray Hartmann） – Drums（1987～1992、1999～2001、2023～2024）
■デニス・デュボー（Dennis Dubeau） – Vocal（1987～1988）
■K.C. トウーズ（K.C. Toews） – Guitar（1988）
■ランディ・ランペイジ（Randy Rampage） – Vocal（1988～1989、1999～2000）
■ウェイン・ダーレイ（Wayne Darley） – Bass（1989～1993）
■デイヴ・スコット・デイヴィス（Dave Scott Davis） – Guitar（1989～1990、1993～2001）
■コバーン・ファー（Coburn Pharr） – Vocal（1989～1992）
■アーロン・ランドール（Aaron Randall） – Vocal（1992～1994）
■マイク・マンジーニ（Mike Mangini） – Drums（1993、2004～2005、2007）
■ランディ・ブラック（Randy Black） – Drums（1993～1996、2001～2003）
■ニール・ゴールドバーグ（Neil Goldberg） – Guitar（1993）
■カム・ディクソン（Cam Dixon） – Bass（1994～1995、2015）
■ルー・ヴィドーソ（Lou Bujdoso） – Bass（1995～1997）
■ラッセル・バークィスト（Russell Bergguist） – Bass（1999～2003、2005～2007）
■ジョー・コミュー（Joe Comeau） – Vocal（2000～2003）
■カラン・マーフィー（Curran Murphy） – Guitar（2002～2005）
■デイヴ・パデン（Dave Padden） – Vocal/Guitar（2003～2014）
■サンデル・デ・ブレタン（Sandor De Bretan） – Bass（2004）
■ロバート・ファルサノ（Robert Falzano） – Drums（2004～2005、2005～2007）
■トニー・シャペル（Tony Chappelle） – Drums（2005）
■アレックス・ランデンバーグ（Alex Landenburg） – Drums（2007～2008）
■デイヴ・シェルダン（Dave Sheldon） – Bass（2008～2010）
■ライアン・アホフ（Ryan Ahoff） – Drums（2008～2010）
■マイク・ハーショウ（Mike Harshaw） – Drums（2013～2016）