Ceremonial Oathとは?北欧メロディック・デスメタルの原点に迫る
CEREMONIAL OATH(セレモニアル・オース)は、スウェーデン出身のデス/メロディック・デスメタル・バンドです。1988年に結成され、当初はDESECRATORというバンド名で活動していましたが、1989年、1990年にデモを2作発表後、1991年に現在のバンド名CEREMONIAL OATHへ改名しました。彼らは、スウェディッシュ・メロディック・デスメタルの黎明期を象徴する存在として知られており、IN FLAMES、HAMMERFALL、DARK TRANQUILLITYといった後の著名バンドに繋がる重要なルーツでもあります。
バンドの初期メンバーには、IN FLAMESやHAMMERFALLの創設者として活躍するイェスパー・ストロムブラード(Jesper Stromblad)<Ba/Gt>や、DARK TRANQUILLITYの初代ボーカリストで、現IN FLAMESのアンダース・フリーデン(Anders Friden)<Vo>が在籍していました。この点からも、CEREMONIAL OATHは北欧メロデスの源流的存在であることがうかがえます。
1993年にリリースされたデビューアルバム『The Book of Truth』は、荒削りながらもメロディアスな要素を内包した初期デスメタル作品として評価されています。リフワークや叙情的なギターの旋律は、のちのメロディック・デスメタルに繋がる要素を多数含んでおり、今なおカルト的な人気を誇っています。
デビューアルバム発表後イェスパー・ストロムブラード、現HAMMERFALLのオスカー・ドロニャックが脱退、新たなメンバーが加入し2ndアルバム『Carpet』を発表。しかしながら1996年に解散しましたが、その後も再評価の声が高まり、2012年に再結成し、2013年にはスウェーデンのフェス「The Gothenburg Sound Festival」に出演しました。また、同年には『The Book of Truth』のリマスター再発盤も発売され、若い世代のリスナーにもその名が知られることとなりました。
CEREMONIAL OATHは、短命ながらもスウェディッシュ・デスメタル/メロデスの発展に大きな影響を与えた伝説的バンドです。IN FLAMES、HAMMERFALL、DARK TRANQUILLITYといった名だたるバンドのルーツを知る上で、欠かすことのできない存在といえるでしょう。
バンドメンバー
【現メンバー】
イエスパー・ストロムブラード(Jesper Stromblad) – Bass(1991~1993、2012~)/ Guitar(1993)
マルクス・ノルドベリ(Markus Nordberg) – Drums(1991~1996、2012~)
アンダース・イワース(Anders Iwers) – Guitar(1991~1996、2012~)
オスカー・ドロニャック(Oscar Dronjal) – Guitar / Vocal(1991~1993、2012~)
【過去メンバー】
トーマス・ヨハンソン(Thomas Johansson) – Bass(1993~1996)
ミカエル・アンダーソン(Mikael Andersson) – Guitar(1993~1996)
アンダース・フリーデン(Anders Frieden) – Vocal(1993~1996)
アルバム紹介 | CEREMONIAL OATHの音楽的影響とメロデスへの貢献
Carpet(1995)
- The Day I Buried
- Dreamsong
- Carpet
- The Shadowed End
- One Of Us / Nightshade
- Immortalized
- Hallowed Be Thy Name(IRON MAIDEN cover)
伝統と狂気の交錯―CEREMONIAL OATHが放つ最終形態“Carpet”!
IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラード、HAMMERFALLのオスカー・ドロニャックが脱退して、新たなメンバーが加入し制作された2ndアルバムは、バンド最後の作品にして最も実験的な一枚です。4~6曲目にはAT THE GATESのトーマス・リンドバーグがゲスト参加。前作『The Book of Truth』で見せたメロディアスなデスメタルの骨格を土台に、より複雑で前衛的な構成とヘヴィなサウンドへと進化。ドゥーム、グルーヴ、さらにはオルタナティヴの要素まで飲み込み、ジャンルの枠に縛られない音世界を構築しています。In FlamesやDark Tranquillityといった後続バンドとは異なる独自の進化を遂げた“異端作”として、再評価の声も高まりましたが、同年解散しました。しかしながら、メロデスの歴史を深く掘る上で見逃せない作品です。
The Book Of Truth(1993)
- Prologue: Sworn To Avenge
- Chapter Ⅰ: The Invocator
- Chapter Ⅱ: For I Have Sinned – The Praise
- Chapter Ⅲ: Enthroned
- Chapter Ⅳ: Only Evil Prevails
- Chapter Ⅴ: Thunderworld(Welcome To Forever)
- Chapter Ⅵ: Lords Of Twilight
- Chapter Ⅶ: Ceremonial Oath
- Chapter Ⅷ: The Lost Name Of God
- Chapter Ⅸ: The Book Of Truth
- Chapter Ⅹ: Hellbound
スウェディッシュ・メロデスの夜明け前―伝説はこのアルバムから始まった!
1993年に放ったデビュー作『The Book of Truth』は、スウェディッシュ・デスメタル黎明期の重要作です。後にIN FLAMESやHAMMERFALLで名を馳せるイェスパー・ストロムブラード、アンダース・フリーデンらが在籍し、荒々しくもメロディアスなリフとダークな世界観で、後のメロディック・デス・メタルへと繋がる礎を築きました。デスラッシュ的な鋭さと叙情的フレーズが交錯するサウンドは、ジャンルの過渡期を象徴する鋼鉄の預言書とも言える存在です。時代を超えて再評価される本作は、北欧メタルの原点を知るうえで欠かせない1枚です。
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