DAMAGEPLANとは?元PANTERAメンバーが築いた“第二の道”
DAMAGEPLAN(ダメージプラン)は、アメリカ合衆国出身のグルーヴ/ヘヴィ・メタル・バンドで、2003年後半に結成されました。中心メンバーは、伝説的バンドPANTERAで一時代を築いた兄弟、ダイムバッグ・ダレル(Dimebag Darrell)<Gt>とヴィニー・ポール(Vinnie Paul)<Dr>です。
PANTERAが2003年に事実上の解散を迎えた後、ダレルとヴィニーは再び自らの音楽性を追求するため、新たなプロジェクトとしてDAMAGEPLANをスタートさせました。メンバーには、HALFORDのギタリストだったパトリック・ラックマン(Patrick Lachman)<Vo>、ボブ・ジラ(Bob Zilla)<Ba>が加わり、強靭なリズムとヘヴィなサウンドを武器に新章を切り開きました。
2004年には、バンド唯一となるフルアルバム『New Found Power』をリリース。グルーヴ・メタルを基軸にしながらも、モダンな要素やメロディックな展開も取り入れた作品は、PANTERAからの自然な進化形として高く評価されました。ビルボードチャートでも好成績を収め、ライブ活動も精力的に展開していました。
しかし、同年12月8日、オハイオ州コロンバスでのライブ中に悲劇が起こります。熱狂的なPANTERAの観客の1人がステージに乱入し、ダイムバッグ・ダレルを銃撃、命を奪うという衝撃的な事件が発生しました。この事件は世界中のメタルシーンに深い悲しみと衝撃を与え、DAMAGEPLANも事実上の活動停止となりました。
その後、ヴィニー・ポールは2006年にHELLYEAHを結成し、活動を継続していましたが、2018年に心臓疾患のため他界。これにより、DAMAGEPLANは再結成の可能性を残すことなく、永遠に“幻”のバンドとなりました。
DAMAGEPLANは、わずか1枚のアルバムと短い活動期間ながら、ヘヴィ・メタル史に深い爪痕を残しました。PANTERAの遺産を引き継ぎつつ、現代的な感覚を融合させたその音楽は、今も多くのファンの記憶に刻まれています。
バンドメンバー
【最終メンバー】
ボブ・ジラ(Bob Zilla) – Bass(2003~2004)
ヴィニー・ポール(Vinnie Paul) – Drums(2003~2004)
ダイムバッグ・ダレル(Dimebag Darrell) – Guitar / Vocal[backing](2003~2004)
パトリック・ラックマン(Patrick Lachman) – Vocal(2003~2004)
アルバム紹介 | DAMAGEPLANの音楽性と影響力
New Found Power(2004)
- Wake Up
- Breathing New Life
- New Found Power
- Pride
- Fuck You
- Reborn
- Explode
- Save Me
- Cold Blooded
- Crawl
- Blink Of An Eye
- Blunt Force Trauma
- Moment Of Truth
- Soul Bleed
PANTERAの魂が再燃する―“New Found Power”が描いた新たなる破壊の美学!
2004年、PANTERA解散後に結成されたDAMAGEPLAN唯一のアルバムは、ダイムバッグ・ダレル(Dimebag Darrell)<Gt>とヴィニー・ポール(Vinnie Paul)<Dr>が再びタッグを組んだ注目作です。圧倒的なグルーヴと切れ味鋭いリフが特徴で、PANTERA時代の攻撃性を受け継ぎながらも、より現代的で幅広いサウンドアプローチを展開しています。パトリック・ラックマン(Patrick Lachman)の力強いボーカルも新鮮で、バンドとしての可能性を大きく感じさせる完成度を誇ります。不幸な事件により短命に終わったDAMAGEPLANですが、この作品は彼らが“次なる章”を本気で切り開こうとしていた証でもあります。今なお語り継がれる衝撃の1枚です。
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