バンド紹介

IN FLAMES（イン・フレイムス）は1990年にスウェーデンのヨーテボリで結成されたメロディック・デスメタル/グルーヴ・メタルバンドで、。イェスパー・ストロムブラード（Jesper Strömblad）<Gt>を中心に、デスメタルの攻撃性とメロディアスなギターリフの融合を目指してスタートしました。

1993年、デモ『Demo ’93』を制作し、翌1994年にデビューアルバム『Lunar Strain』をリリース。当時のメンバーには、後にDARK TRANQUILLITYで活躍するミカエル・スタンネ（Micael Stanne）<Vo>も在籍。この時期のIN FLAMESは、アコースティックギターやバイオリンなどを取り入れた独特なメロディック・デス・メタルのスタイルを確立しつつありました。

1995年には2ndアルバム『The Jester Race』をリリースし、バンドの象徴的なシンボル「ジェスター・ヘッド」が登場。このアルバムからアンダース・フリーデン（Anders Fridén）（Vo）が正式加入し、現在のIN FLAMESの基盤が固まります。

1997年の『Whoracle』では、さらにキャッチーなメロディとツインギターの美しいハーモニーを取り入れ、ヨーテボリ・サウンド（スウェディッシュ・メロディック・デスメタル）の代表格としての地位を確立。この頃からビョーン・イエロッテ（Björn Gelotte）がドラムからギターへ転向し、イェスパーとのギターデュオがバンドの特徴となりました。

1999年の『Colony』、2000年の『Clayman』はバンドの人気を決定的なものとし、メロディアスでありながらもヘヴィなサウンドが評価された。この時期、IN FLAMESはDARK TRANQUILLITY、SOILWORK、AT THE GATESと並び、“スウェディッシュ・メロデス”の中心的存在として認知されるようになります。

2002年の『Reroute to Remain』では、クリーンボーカルやエレクトロ要素を導入し、バンドのサウンドに変化が見え始めた。これが賛否を呼びつつも、バンドの知名度はさらに拡大していきました。

2004年の『Soundtrack to Your Escape』では、よりモダンなメタルコア要素を取り入れ、アメリカ市場でも成功。特に「The Quiet Place」や「My Sweet Shadow」といった楽曲は、従来のファンだけでなく、新たなオーディエンスを惹きつけました。

2006年の『Come Clarity』は原点回帰的な要素を持ちつつも、メタルコア的なアプローチが強まったアルバムで、シングル「Take This Life」は大きなヒットとなり、2008年には『A Sense of Purpose』をリリースし、ヘヴィさを保ちつつもより洗練されたサウンドを展開。

しかし、2010年には創設メンバーであるイェスパー・ストロムブラードが脱退。彼はアルコール依存症治療のためにバンドを離れ、これにより、バンドの音楽性がさらに変化していくことになります。

2011年の『Sounds of a Playground Fading』からは、ギターリフ主体のスタイルから、よりメロディックでアンセミックなモダンメタル寄りのサウンドへとシフト。アンダース・フリーデンのクリーンボーカルの比率が増え、従来のメロデスファンからは賛否両論の声が上がります。

2014年の『Siren Charms』、2016年の『Battles』では、メロディアスでキャッチーな要素が強調され、より広いリスナー層を意識した作風に変化。特にアメリカのモダンメタルファンやメタルコアリスナーに支持されましたが、初期からのファンには「メロデスらしさが薄れた」との批判もありました。

2019年の『I, The Mask』では、やや初期のヘヴィな要素を取り戻しつつも、依然としてモダンなサウンドが主体となり、2022年には14枚目のアルバム『Foregone』をリリース。ここでは再びメロディック・デスメタル的な要素が強くなり、ギターソロやツインリードの復活、より攻撃的なボーカルスタイルが見られた。特に「State of Slow Decay」は初期のIN FLAMESを思わせる楽曲で、ファンの間でも好評でした。

IN FLAMESは30年以上にわたり、メロディック・デスメタルからモダンメタルまで幅広いサウンドを展開してきました。初期の作品はスウェディッシュ・メロデスの礎を築き、中期以降は新たなリスナー層を獲得しながら進化。音楽性の変化によってファンの評価は二分しますが、シーンの先駆者としての影響力は依然として大きいことが分かります。

【現メンバー】
アンダース・フリーデン（Anders Friden） – Vocal（1995～）
ビョーン・イエロッテ（Bjorn Gelotte） – Guitar（1995～）
クリス・ブロデリック（Chris Broderick） – Guitar（2019～）
リアム・ウィルソン（Liam Wilson） – Bass（2023～）
タナ―・ウェイン（Tanner Wayne） – Drums（2018～）

【過去メンバー】
アンダース・イワース（Anders Iwers） – Guitar（1990～1993）
カール・ナスルンド（Carl Naslund） – Guitar（1993～1994）
グレン・ユングストローム（Glenn Ljungstrom） – Guitar（1993～1997）
イエスパー・ストロムブラード（Jesper Stromblad） – Guitar（1990～2010）
ニクラス・エンゲリン（Niclas Engelin） – Guitar（1997～1998、2011～2020）
ヨハン・ラーソン（Johan Larsson） – Bass（1990～1997）
ピーター・イワース（Peter Iwers） – Bass（1997～2016）
ブライス・ポール・ニューマン（Bryce Paul Newman） – Bass（2017～2023）
ダニエル・スヴェンソン（Daniel Svensson） – Drums（1998～2015）
ジョー・リカルド（Joe Rickard） – Drums（2016～2018）