SCOURはどんなバンド?基本プロフィールを解説
SCOUR(スカー)は、アメリカ発のブラック・メタル/グラインドコア・バンドであり、ジャンルを超えた豪華メンバーによって構成された“スーパーバンド”として注目を集めています。結成は2015年、PANTERAのフィリップ・アンセルモ(Phil Anselmo)<Vo>を中心に、CATTLE DECAPITATION、MISERY INDEX、AGORAPHOBIC NOSEBLEEDといったエクストリーム系メタルの実力派メンバーが集結し、異色のプロジェクトとしてスタートしました。
フィリップ・アンセルモは、グルーヴ・メタルやスラッジ系での活躍が知られていますが、SCOURでは彼のブラックメタル志向が色濃く反映されています。サウンドは”ノルウェイジャン・ブラックメタル”の凍てついた冷酷さに、グラインドコアの爆発的なスピード感と暴力性を融合させたものとなっており、過去のどのプロジェクトとも異なる独自の世界観を築いています。
バンドはこれまでに3枚のEP『Grey』(2016年)、『Red』(2017年)、『Black』(2020年)を発表しており、それぞれが短編ながらも凄絶な破壊力を持つ音源として高い評価を得ています。これらのEPは三部作として構想されており、各色に込められたテーマ性と音楽的進化も聴きどころです。
2025年にはデビューアルバム『Gold』を発売。このアルバムにはEXODUSのゲイリー・ホルト(Gary Holt)<Gt>がゲスト参加しました。
現在も活動は継続中であり、限定的ながらもライブ出演やフェス参加も行われています。特にフィリップ・アンセルモのカリスマ性と、凄腕ミュージシャンたちが生み出す圧倒的なサウンドは、現代ブラック・メタル/グラインド・シーンにおいて一際異彩を放っています。
SCOURは、伝統的なブラック・メタルを尊重しつつも、グラインドの速度感と現代的ヘヴィネスを取り入れることで、新たな音楽的暴力を提示しています。まさにジャンルの壁を破壊する黒き衝動の具現化と言えるでしょう。
アルバム紹介 | SCOURのブラック×グラインドの破壊力
Gold(2025)
- Cross
- Blades
- Infusorium
- Ornaments
- Coin
- Evil
- Devil
- Contaminated
- Hell
- Invoke
- Gold
- Angels
- Serve
フィリップ・アンセルモが導く、黒き神々の戴冠式―SCOUR、ここに頂点を証明す。
PANTERAのフィリップ・アンセルモを中心に結成されたブラック・メタル/グラインドコア・バンドが、2025年にリリースしたデビューフルアルバム。過去の三部作『Grey』『Red』『Black』を経て、本作はまさに集大成かつ転換点とも言える作品です。荒々しさと冷酷さを極限まで突き詰めたサウンドは、もはや暴力ではなく崇高さすら帯びています。ブラックメタルの暗黒美学にグラインドの爆発力、そして重厚なプロダクションが融合し、凶悪さの中に荘厳さが光ります。“金”というタイトルが示す通り、SCOURの音楽的アイデンティティが結晶化した一枚。終焉のようでいて、次なるフェーズへの扉も感じさせる、破壊と創造の金字塔です。
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