SENTENCEDの音楽と変遷：フィンランドの闇を彩るメロディと哀しみ

バンド紹介
1. バンドメンバー
アルバムレビュー（最新アルバム順）
1. The Funeral Album（2005）
The Cold White Light（2002）
Crimson（2000）
Frozen（1998）
Down（1996）
Amok（2002）
North From Here（1993）
Shadows Of The Past（1991）

バンド紹介

フィンランド出身のデス/ゴシック・メタル・バンド、SENTENCED（センテンスト）は、1990年にヘルシンキで結成されました。バンドは、デス・メタルとゴシック・メタルを融合させた独自のサウンドで知られ、特に哀愁を帯びたメロディと深みのある歌詞で多くのファンを魅了しました。SENTENCEDの音楽は、死や絶望といったテーマを扱い、ヘヴィでありながらもメロディックな要素を強調することで、ジャンルに革新をもたらしました。

SENTENCEDは、1988年に結成されたUTMOST DEFORMITY、1989年にDEFORMITYを経て、同年SENTENCEDに改名されスタートしました。初期のサウンドはデス・メタルに強く影響されていました。バンドは1991年にデビューアルバム『Shadows of the Past』をリリース。これにより、デス・メタルシーンに登場し、フィンランドのメタルシーンで注目を集めました。

1990年代半ばに入ると、SENTENCEDの音楽は徐々にメロディック・デスメタルへと進化を遂げます。特に1995年にリリースされた3rdアルバム『Amok』は、バンドの音楽的転換点を示す重要な作品となりました。アルバムには、よりメロディックでダークな要素が加わり、SENTENCEDの特徴的な哀愁漂うサウンドが強調されています。このアルバムは、バンドの知名度を大きく向上させ、メタルファンから高く評価されました。

1996年発売の4thアルバム『Down』でヴィレ・レイヒアラ（Ville Laihiala）<Vo>が加入し、デスヴォイスがなくなり暗い物悲しいSENTENCED独自のゴシックメタルへと変化し、”自殺メタル”と称されました。

2000年代に入ると、さらなる成熟を見せ、2002年には『The Cold White Light』をリリースしました。このアルバムは、バンドのゴシック・メタル的要素がより深く掘り下げられ、重厚なサウンドと切ない歌詞が印象的でした。この時期世界中でツアーを行い、メタルシーンにおける重要な存在となります。

しかし、SENTENCEDは2005年に解散を発表。解散の理由としては、メンバーの個人的な理由や音楽的な方向性の違いが挙げられました。解散後、メンバーはそれぞれソロ活動や他のバンド活動を行っていますが、彼らの音楽は今もなお、多くのファンに愛され続けています。

SENTENCEDは、デス・メタルからゴシック・メタルへと移行することで、メタルシーンにおいて新たな風を吹き込みました。彼らの音楽は、悲哀や絶望、死といったテーマを美しく表現し、メロディックでありながらもヘヴィな音楽性で多くの影響を与えました。特に、フィンランドのメタルシーンにおける先駆者的存在として、今もなお多くの後進のバンドに影響を与え続けています。

SENTENCEDはその解散後も、彼らの音楽的遺産として、メロディック・デスメタルとゴシック・メタルを融合させた独自のスタイルを誇りにしており、その影響は現在のメタルシーンにも深く刻まれています。

バンドメンバー

【最終メンバー】
ヴェサ・ランタ（Vesa Ranta） – Drums（1989～2005）
ミーカ・テンクラ（Miika Tenkula） – Guitar（1989～2005）、Vocal（1989～1992）、Keyboard（1993～1994、1998）、Bass（1996）
サミ・ロパッカ（Sami Lopakka） – Guitar（1989～2005）、Keyboard（1993～1994）
ヴィレ・レイヒアラ（Ville Laihiala） – Vocal（1996～2005）
サミ・クッコーヴィ（Sami Kukkohovi） – Bass（1997～2005）

【過去メンバー】
ラリ・キルマネン（Lari Karppinen） – Bass（1989～1991）
タネリ・ヤルヴァ（Taneli Jarva） – Bass（1991～1996）、Vocal（1992～1996）