バンド紹介

STRATOVARIUS（ストラトヴァリウス） は、1982年にフィンランドの首都ヘルシンキで結成されたパワー・メタル・バンドです。クラシック音楽の影響を受けたメロディアスなギターとキーボードの調和、高速なリズム、壮大な世界観を持った歌詞などが特徴で、ヨーロッパのパワー・メタルシーンを代表するバンドのひとつとして知られています。

1982年にBLACK WATERという名前で活動を開始し、1985年に現在のSTRATOVARIUS（ギターのストラトキャスターとヴァイオリンのストラトヴァリウスを掛け合わせた造語）に改名されました。初期の音楽性はBLACK SABBATH、OZZY OSBOURNEに影響を受けたヘヴィ・メタルに近く今のサウンドとは異なりました。

1987年にデモテープが話題となり、1988年にデビューアルバム『Fright Night』をリリース。売上はあまり伸びませんでしたが、1992年に2ndアルバム『Twilight Time』をヨーロッパ全土で発売。日本では輸入盤チャートのベスト10に5か月ランクインしたことで話題となりました。

その後数枚のアルバムで徐々に知名度を上げていきました。1995年に4thアルバム『Fourth Dimension』をリリース。バンドは現在のパワー・メタルスタイルへと大きく舵を切ります。バンドはティモ・コティペルト（Timo Kotipelto）<Vo> が加入し、以降のバンドの象徴的な声となりました。

来日公演も行った“Fourth Dimension Tour”終了後、イングヴェイ・マルムスティーンのバンドやDIOで活動したイェンス・ヨハンソン（Jens Johansson）<Key>と、MEKONG DELTA, RAGEなどで活動したヨルグ・マイケル（Jörg Michael）<Dr>の加入により、演奏力も飛躍的に向上しました。

続く『Episode』（1996年）、『Visions』（1997年）、『Destiny』（1998年）、『Infinite』（2000年）などが大ヒットし、STRATOVARIUSはヨーロッパ、アジア、南米などで高い人気を誇るようになります。特に『Visions』収録の「Black Diamond」は代表曲として知られています。

2003年頃から、リーダーのティモ・トルキ（Timo Tolkki）<Gt>と他メンバーとの間に意見の対立が生じ、バンドは活動休止状態となりますが、2004年に再始動。11thアルバム『Stratovarius』を発売し、世界で大きなツアーを行います。バンドは再び分裂し、ティモ・トルキが一方的に解散を宣言しますが、残ったメンバーはバンドの存続を表明。新たにギタリストのマティアス・クピアイネン（Matias Kupiainen）<Gt>を迎えて再始動しました。

2009年には復活後初となるアルバム『Polaris』をリリースし、ファンやメディアから好評を得ました。その後も『Elysium』（2011年）、『Nemesis』（2013年）、『Eternal』（2015年）、『Survive』（2022年）など、コンスタントに作品を発表しています。最新作『Survive』では、現代的な音作りとバンド本来の美旋律が融合し、好評を博しました。

現在のSTRATOVARIUSは、フィンランドから世界に羽ばたいたパワー・メタルの象徴ともいえる存在です。ベテランとしての安定感と新たな挑戦を両立させながら、世界中のメタルファンを魅了し続けています。壮大で叙情的な音楽とともに、今なお進化を続けるバンドです。