TERRORIZERとは？グラインドコアの原点を築いた伝説のバンドを解説！

TERRORIZER（テロライザー）とは？なぜ“伝説”と呼ばれるのか？
1. バンドメンバー
アルバム紹介：TERRORIZERの音楽的特徴と革新性

TERRORIZER（テロライザー）とは？なぜ“伝説”と呼ばれるのか？

TERRORIZER（テロライザー）は、アメリカ・ロサンゼルス出身のデス・メタル／グラインドコア・バンドであり、エクストリーム・ミュージックの発展において極めて重要な存在です。1986年に結成され、初期グラインドコアの礎を築いたバンドのひとつとして知られています。特に、NAPALM DEATHやMORBID ANGELとも深く関わるメンバー構成が注目を集めました。

TERRORIZERは1986年に、元NAPALM DEATHのジェシー・ピンタード（Jesse Pintado）<Gt>、元MORBID ANGELのピート・”コマンドー”・サンドヴァル（Pete “Commando” Sandoval）、現NAUSEAのオスカー・ガルシア（Oscar Garcia）<Vo,Gt>を中心に結成されました。音楽性は、ハードコア・パンクの攻撃性とデスメタルの重厚さを融合させたもので、のちのグラインドコアの雛形となるサウンドを生み出しました。特にピート・サンドヴァルの超高速ブラストビートは、グラインドコアの新基準を打ち立て、彼はその後、MORBID ANGELにも加入し、デスメタル史にその名を刻みました。

1989年にリリースされたデビュー・アルバム『World Downfall』は、グラインドコア史に残る金字塔とされています。プロデュースはMORBID ANGELのデヴィッド・ヴィンセント（David Vincent）が担当し、エンジニアに名手スコット・バーンズを迎え、攻撃的で凶悪なサウンドと社会批判的なリリックが特徴です。TERRORIZERはこの1枚だけで伝説となり、後続のグラインド／デス・メタルバンドに多大な影響を与えました。

『World Downfall』のリリース後、メンバーの他バンドでの活動によりTERRORIZERは自然消滅しますが、2003年に再結成を果たし、2006年には17年ぶりのアルバム『Darker Days Ahead』を発表。しかしながら、ジェシー・ピンタードが病気のため死去。再び活動を休止することになりました。

初期メンバーを失ったことにより、二度と再結成はないと思われていましたが、女性ギタリストが加入し、2009年に再結成。『Hordes of Zombies』（2012年）、『Caustic Attack』（2018年）といった作品をリリースし、活動を続けています。

現在のTERRORIZERは、ピート・サンドヴァルを中心としたラインナップで活動しており、ライブや新作制作を通じてグラインドコアの精神を継承し続けています。結成から40年近く経った今もなお、TERRORIZERは極限の速さと重さを体現する存在として、シーンに強烈な影響を与え続けています。

バンドメンバー

【現メンバー】
ピート・”コマンドー”・サンドヴァル（Pete “Commando” Sandoval） – Drums（1987～1989、2005～2006、2009～）
デヴィッド・ヴィンセント（David Vincent） – Bass（1989，2011～2013、2023～）
リッチー・ブラウン（Richie Brown） – Guitar（2023～）
ブライアン・ワーナー（Brian Werner） – Vocal（2023～）

【過去メンバー】
アルフレッド・”ガーヴェイ”・エストラダ（Alfred “Garvey” Estrada） – Bass（1987～1988）
ジェシー・ピンタード（Jesse Pintado） – Guitar（1987～1989、2005～2006）
オスカー・ガルシア（Oscar Garcia） – Vocal / Guitar（1987～1989）
カルロス・レヴェルズ（Carlos Reveles） – Bass（1988～1989）
トニー・ノーマン（Tony Norman） – Bass（2005～2006，2009～2011）
アンソニー・”ウルフ”・レズホーク（Anthony “Wolf” Rezhawk） – Vocal（2005～2006、2009～2013）
カティーナ・カルチャー（Katina Culture） – Guitar（2009～2013）
サム・モリナ（Sam Molina） – Bass / Vocal（2013～2023）
リー・ハリソン（Lee Harrison） – Guitar（2013～2023）