THE HAUNTED(ザ・ホーンテッド)とは?スウェーデン発スラッシュ/メロデスの象徴
THE HAUNTED(ザ・ホーンテッド)は、スウェーデン出身のメロディック・デス/スラッシュ/グルーヴ・メタル・バンドで、1996年に結成されました。バンドの設立は、スウェーデン出身のメロディック・デス・メタル・バンド、AT THE GATESの解散後に結成されたもので、ヨナス・ビョーラー(Jonas Björler)<Ba>とアンダース・ビョーラー(Anders Björler)<Gt>、エイドリアン・アーランドソン(Adrian Erlandsson)<Dr>が中心メンバーとして活動をスタートしました。バンドは、メロディック・デス・メタルにグルーヴやスラッシュメタルの要素を取り入れた攻撃的なサウンドで、すぐに注目を集めました。
1998年にセルフタイトルアルバム『The Haunted』でデビューし、その後、2000年の『Made Me Do It』で広く評価され、グルーヴ感あふれるサウンドとアグレッシブなボーカルが特徴的なスタイルを確立しました。ボーカリストはバンドの歴史を通じて何度か交代がありましたが、特にピーター・ドールヴィング(Peter Dolving)<Vo>とマルコ・アロ(Marco Aro)<Vo>が代表的なフロントマンとして知られています。
2004年のアルバム『rEVOLVEr』や2006年の『The Dead Eye』はバンドの音楽的な幅を広げ、ダークで実験的な要素も取り入れつつ、激しさを保つサウンドでファンを魅了しました。以降もメンバーの変更はありましたが、バンドは精力的に活動を続け、2014年には『Exit Wounds』、2017年には『Strength in Numbers』といったアルバムをリリースし、グローバルなメタルシーンでの影響力を保持しています。
THE HAUNTEDは、メロディック・デスとグルーヴメタルを融合させた独自のサウンドで、スウェーデンのメタルシーンにおいて長年にわたり重要な役割を果たし続けているバンドです。
バンドメンバー
【現メンバー】
ヨナス・ビョーラー(Jonas Björler) – Bass(1996~)
エイドリアン・アーランドソン(Adrian Erlandsson) – Drums(1996~1999,2013~)
パトリック・ヤンセン(Patrik Jensen) – Guitar(1996~)
マルコ・アロ(Marco Aro) – Vocal(1999~2003、2013~)
オーラ・エングルンド(Ola Englund) – Guitar(2013~)
【過去メンバー】
ジョン・スヴェッツロット(John Zwetsloot) – Guitar(1996)
アンダース・ビョーラー(Anders Björler) – Guitar(1996~2001、2002~2012)
ピーター・ドルヴィング(Peter Dolving) – Vocal(1997~1998,2003~2012)
ペル・モラー・ヤンセン(Per Moller Jensen) – Drums(1999~2012)
アルバム紹介|サウンド変遷と進化の軌跡
Songs Of Last Resort(2025)
- Warhead
- In Fire Reborn
- Death To The Crown
- To Bleed Out
- Unbound
- Hell Is Wasted On The Dead
- Through The Fire
- Collateral Carnage
- Blood Clots
- Salvation Recalled
- Labrinth Of Lies
- Letters Of Last Resort
Strength In Numbers(2017)
- Fill The Darkness With Black
- Brute Force
- Spark
- Preachers Of Death
- Strength In Numbers
- Tighten The Noose
- This Is The End
- The Fall
- Means To An End
- Monuments
闘志を燃やせ!THE HAUNTEDが叩きつける“団結”と“怒り”のサウンド爆弾!
攻撃性と叙情が見事に交錯する9thアルバムは、バンドの持つ闘争本能を新たな形で提示した意欲作です。激烈なスラッシュ・リフと叙情的なメロディを絶妙に組み合わせ、マルコ・アロの激情あふれるヴォーカルが全編にわたって圧倒的な存在感を放っています。「Spark」や「Preachers of Death」など、アグレッションとエモーションが交錯する楽曲群は、現代スラッシュメタルの進化形を体現しています。プロダクションもタイトでありながら重厚感に満ち、バンドの円熟を感じさせる仕上がりとなりました。結成20周年を経てもなお進化が止まりません。
Exit Wounds(2014)
- 317
- Cutting Teeth
- My Salvation
- Psychonaut
- Eye Of The Storm
- Trend Killer
- Time(Will Not Heal)
- All I Have
- Temptation
- My Enemy
- Kill The Light
- This War
- Infitrator
- Ghost In The Machine
血塗られた帰還―THE HAUNTEDが突きつける過去と未来への復讐劇!
原点回帰を強く打ち出した復活アルバム。マルコ・アロとエイドリアン・アーランドソンという初期メンバーが復帰し、バンドの持つ攻撃性と破壊力が再び最高潮に達しました。「Cutting Teeth」や「Trend Killer」など、初期スラッシュ・メタルスタイルを彷彿とさせる鋭利なリフと、剥き出しのエネルギーが全編を貫きます。荒々しい一方で、楽曲構成には成熟した緻密さも見られ、激情と洗練が共存する仕上がりとなっています。ファンの間では「待っていたTHE HAUNTEDが帰ってきた」と高く評価され、バンドの第二の黄金期を告げる作品となりました。闘争心を燃やすTHE HAUNTEDの“真の姿”がここに刻まれています。
Unseen(2011)
- Never Better
- No Ghost
- Catch 22
- Disappear
- Motionless
- Unseen
- The Skull
- Ocean Park
- The City
- Them
- All Ends Well
- Done
賛否を超えて、THE HAUNTEDが切り開いた“未踏”のサウンドトリップ!
影に潜む新境地となる7thアルバムは、バンド史上最も大胆な方向転換を示した異色作です。従来のスラッシュ/メロデス路線から距離を置き、よりロック色や叙情性を前面に押し出した本作は、賛否を巻き起こしながらも彼らの挑戦心を強く印象づけました。「No Ghost」や「Disappear」など、内省的でダークな雰囲気を纏った楽曲が並び、マルコ・アロとは異なるピーター・ドルヴィングの繊細な表現力が際立ちます。アグレッション一辺倒ではない多面的な音像は、バンドの進化と試行錯誤を物語っています。『Unseen』はTHE HAUNTEDの“知られざる顔”を暴き出す、挑戦と葛藤の記録です。固定観念にとらわれないバンドの精神を体感できる一枚と言えます。
Versus(2008)
- Moronic Colossus
- Pieces
- Little Cage
- Trenches
- Ceremony
- Skuld
- Crusher
- Rivers Run
- Iron Mask
- Faultine
- Imperial Death March
本能を解き放て!THE HAUNTEDが挑む己との壮絶なバトル『Versus』!
己との壮絶な戦いをテーマにした6thアルバムは、スラッシュ・メタルの攻撃性を軸に、ヘヴィでグルーヴィなリフ、怒涛のヴォーカルが炸裂し、圧倒的な迫力でリスナーに迫ります。「Moronic Colossus」や「Little Cage」など、鋭さと重厚感を兼ね備えた楽曲群は、バンドの原点回帰を感じさせながらも、よりラフで荒々しいエネルギーを帯びています。生々しいプロダクションも本作の魅力を引き立て、スタジオライブに近い臨場感を演出。THE HAUNTEDが持つ攻撃本能とストレートな激情をむき出しにした『Versus』は、リスナーに新たな覚醒をもたらす一撃です。
The Dead Eye(2006)
- The Premonition
- The Flood
- The Medication
- The Drowning
- The Reflection
- The Prosecution
- The Fallout
- The Medusa
- The Shifter
- The Cynic
- The Failure
- The Stain
- The Guilt Trip / The Exit
暗黒と内省の交錯――THE HAUNTEDが描く哀しみのサウンドスケープ!
バンドの音楽性に深い変化をもたらした重要作。従来のスラッシュ一辺倒から一転、ダークで内省的な世界観を押し出し、重く沈み込むようなリフと、ピーター・ドルヴィングの感情を抉るヴォーカルが圧倒的な存在感を放ちます。「The Medication」や「The Drowning」など、痛みと闇を抱えた楽曲群は、バンドの新たな表現力を示しました。攻撃性を保ちながらも、叙情性とドラマ性を巧みに織り交ぜた本作は、賛否を超えてTHE HAUNTEDの進化を物語るアルバムです。激情だけでは到達できない深い絶望と静かな狂気を、音として昇華した一枚となっています。
rEVOLVEr(2004)
- No Compromise
- 99
- Abysmal
- Sabotage
- All Against All
- Sweet Relief
- Burnt To A Shell
- Who Will Decide
- Nothing Right
- Liduid Burns
- My Shadow
引き金を引け!THE HAUNTEDが撃ち抜く怒りと希望の交差点!
バンドにとって大きな転機となった意欲作です。ピーター・ドルヴィング<Vo>が復帰し、荒々しい怒りに加え、叙情性と表現力の幅が広がったサウンドを展開。「No Compromise」や「99」ではスラッシュの鋭さを保ちながらも、より多面的なアプローチを試みています。緻密な構成と、攻撃性だけに頼らないドラマティックな楽曲群は、バンドの成熟を感じさせるもの。従来の破壊的エネルギーに新たな感情表現を融合させた本作は、THE HAUNTEDの新章の幕開けを告げる一枚となりました。『rEVOLVEr』は、過去への敬意と未来への挑戦心を同時に撃ち放つ、変革の弾丸です。
One Kill Wonder(2003)
- Privation Of Faith Inc.
- Godpuppet
- Shadow World
- Everlasting
- D.O.A.
- Demon Eyes
- Urban Predator
- Downward Spiral
- Shithead
- Bloodletting
- One Kill Wonder
一撃必殺の美学――THE HAUNTEDが叩きつけた究極の激烈サウンド!
マルコ・アロ加入後の2ndアルバムは、スラッシュ・メタル色をさらに強化しつつ、サウンドの重厚さと破壊力を深化させた3rdアルバムです。マルコ・アロの咆哮はより凶暴さを増し、ギターリフは切れ味と重量感の両立に成功。特に「D.O.A.」や「Shadow World」では、激烈なリズムとダークな空気が融合し、聴く者を圧倒します。テクニカルな展開を盛り込みながらも、直感的に突き刺さるアグレッションを失わない点が、本作の大きな魅力です。プロダクションも前作より重くタイトになり、バンドとしての完成度が一段と高まった印象を受けます。スラッシュ・メタルとメロディック・デスの境界を突き崩すような強烈な一撃であり、THE HAUNTEDの名を世界に知らしめた名盤のひとつです。
Made Me Do It(2000)
- Dark Intentions
- Bury Your Dead
- Trespass
- Leech
- Hollow Ground
- Revelation
- The World Burns
- Human Debris
- Silencer
- Under The Surface Victim Iced
暴走する怒りと美しき狂気――THE HAUNTEDが放つ渾身の第2章!
ピーター・ドルヴィングからマルコ・アロに交代し発売された2ndアルバムは、荒々しさを保ちつつもメロディと構成美が際立った傑作です。ヴォーカル交代により低音で凶暴な表現力が加わったことで、バンドの音楽性は大きく進化しました。スラッシュ・メタルのスピード感にメロディック・デスメタルの叙情性を取り入れたサウンドは、過激さと洗練の絶妙なバランスを実現。「Bury Your Dead」「Hollow Ground」などは代表曲として長年愛されており、バンドの人気を決定づけた重要作です。激情と技巧がぶつかり合うこの作品は、緻密なリフワークとグルーヴ感あふれるリズムセクションも高く評価され、現在でも“THE HAUNTEDらしさ”を象徴するアルバムとして位置づけられています。
The Haunted(1998)
- Hate Song
- Chasm
- In Vein
- Undead
- Choke Hold
- Three Times
- Bullet Hole
- Now You Know
- Shattered
- Soul Fracture
- Blood Rust
- Forensick
スラッシュとメロデスの新たな血脈――THE HAUNTEDが放った第一撃!
1998年発売のデビューアルバムは、荒削りながらも強烈な攻撃性を持った原点的アルバムです。元AT THE GATESのメンバーを中心に結成された彼らは、本作でデスラッシュの真髄を叩きつけました。ブラストビートに近い高速リフ、鋭利なギターソロ、ピーター・ドルヴィングの狂気的なヴォーカルが融合し、当時のエクストリーム・メタルシーンに新風を巻き起こしました。「Hate Song」や「Chasm」などの代表曲は、今なおライブで人気を博しています。音楽的にはスラッシュとデスメタルの中間を突き進むスタイルで、後のバンドの方向性を決定づけた作品です。混沌としたエネルギーに満ちたこのデビュー作は、THE HAUNTEDのすべての始まりであり、ファンなら必ず押さえておきたい一枚です。
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