THE MAN-EATING TREEとは?元SENTENCEDが率いた北欧ゴシック・メタルの真髄
THE MAN-EATING TREE(ザ・マン・イーティング・トゥリー)は、2009年にフィンランド北部のオウルで結成されたアトモスフェリック・ゴシック・メタル/ロック・バンドです。元SENTENCEDのヴィレ・ライヒアラ(Ville Laihiala)が率いるPOISONBLACKのヤンネ・マルクス(Janne Markus)<Gt>を中心に結成され、元SENTENCEDのヴェサ・ランタ(Vesa Ranta)<Dr>が参加したことで話題になりました。バンド名「THE MAN-EATING TREE」は、“人を喰らう木”という神話的な存在をモチーフにしており、自然や死、再生といった深遠なテーマを内包した音楽性を象徴しています。
SENTENCED解散後の空白を埋めるかのように、THE MAN-EATING TREEは始動しました。ヴェサ・ランタは自身の表現をより叙情的かつ内省的に進化させるべく、ゴシック・ロックやポスト・メタル、ドゥーム的要素を取り込んだ新たなスタイルを模索。その結果、THE MAN-EATING TREEという独自の音世界が誕生しました。
THE MAN-EATING TREEのサウンドは、重厚なギターリフと美麗なメロディライン、深いエモーションに満ちたヴォーカルが特徴です。特に、自然との一体感や北欧的な内省性を漂わせる歌詞は、静と動を巧みに行き来しながら、聴く者の心に深く訴えかけます。
記念すべきデビューアルバム『Vine』は、フィンランド国内外で高い評価を獲得。メロディの美しさとダークな世界観が共存する内容で、バンドの方向性を明確に示し、続く2ndアルバム『Harvest』では、より成熟したサウンドが展開され、ヨーロッパツアーも実施。ファン層を拡大すると同時に、音楽的な深みも増しました。3rdアルバム『In The Absence Of Light』では、さらにアトモスフェリックな要素とポスト・ロック的な構成美が際立ち、独自の領域へと進化していることを証明しました。
3rdアルバムの発売後、ヴェサ・ランタ(Vesa Ranta)<Dr>が脱退、2020年代に入ってからは表立った活動は減少し、バンドは一時的な沈黙状態にありましたが、中心人物のヤンネ・マルクス(Janne Markus)<Gt>以外のメンバーが総入れ替えとなり再始動。2025年に10年ぶりの4thアルバム『Night Verses』を発売しました。
THE MAN-EATING TREEは、ただのポストSENTENCEDプロジェクトではなく、独自の芸術性を持った北欧メタルの中でも異彩を放つ存在です。自然、孤独、再生といった普遍的テーマを、重厚かつ透明感のあるサウンドで描き出すその姿勢は、2025年現在でも色褪せることがありません。
THE MAN-EATING TREEのバンドメンバー紹介
【現メンバー】
ヤンネ・マルクス(Janne Markus) – Guitar(2009~)
マイク・”ジューン”・ユンッティラ(Mike “June” Junttila) – Bass(2024~)
アクス・ハントゥ(Akus Hanttu) -Drums(2024~)
サッケ・パーヴォラ(Sakke Paavola) – Guitar(2024~)
マンネ・イコネン(Manne Ikonen) – Vocals(2024~)
【過去メンバー】
ミッコ・ウーシマー(Mikko Uusimaa) – Bass(2009~2015)
ヴェサ・ランタ(Vesa Ranta) – Drums(2009~2017)
アーロン・ラントネン(Aaron Rantonen) – Guitar(2009)
ハイディ・マーッタ(Heidi Maatta) – Keyboard(2009~2013)
トゥオマス・トゥオミネン(Tuomas Tuominen) – Vocal(2009~2013)
アンッティ・カルフ(Antti Karhu) – Guitar(2011~2015)
アンッティ・クンプライネン(Antti Kumpulainen) – Vocal(2013~?)
アルッティ・ヴェテライネン(Altti Vetelainen) – Bass(2016~2017)
ヤミ・ヘイッカラ(Jami Heikkala) – Guitar(2016~2017)
マルコ・スネック(Marco Sneck) – Keyboard(2016~?)
サムリ・リンドバーグ(Samuli Lindberg) – Drums(2018~?)
THE MAN-EATING TREEのアルバム紹介:ゴシック・メタルとポスト・メタルの融合
Night Verses(2025)
- Nightverses
- Day Under The Dark
- Seer
- These Traces
- All Our Shadows
- To The Sinking
- Ruins Of Insanity
- Abandoned
- Reflections
In The Absence Of Light(2015)
- Breathe Emptiness
- Flatline
- The Heretic Pulse
- Vermin
- The Divided
- Plaguewielder
- Death Parade
- The Vessel
- Obsidian
- Dead On Earth
Harvest(2011)
- Harvest Bell
- At The Green Country Chapel
- Code Of Surrender
- Armed
- Like Mute Companions
- Exhaled
- Down To The Color Of The Eye
- Incendere
- All You Kept Free
- Karsikko
- Everything Dies(TYPE O NEGATIVE cover)
Vine(2010)
- Lathing A New Man
- The White Plateau
- This Longitude Of Sleep
- King Of July
- Of Birth For Passing
- Out Of The Wind
- Nights In White Satin(THE MOODY BLUES cover)
- Tide Shift
- Instead Of Sand And Stone
- Amended
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