バンド紹介

TSJUDER（シューダー）は、ノルウェー出身のブラック・メタル・バンドで1993年に結成されました。バンド名は、ノルウェー映画「Pathfinder」に登場する神話上の北フィンランドの古代民族”Tsjuder（Chud）”に由来しています。彼らは「トゥルー・ノルウェイジャン・ブラック・メタル」の精神を掲げ、初期の頃から純粋なブラック・メタル・スタイルを貫いています。

結成から数回のメンバーチェンジを経て、1995年にはデモ『Div Gammelt Stasj』『Ved Ferdens Ende』をリリース。1996年にはデモ『Possessed』を発表し、徐々に注目を集めていきます。

1997年にEP『Throne of the Goat』をリリース。この作品では、TSJUDERの特徴である高速で激烈なリフ、冷酷な雰囲気、反キリスト的な歌詞が明確に打ち出されました。

2000年、デビュー・アルバム『Kill for Satan』をリリースし、本格的な活動を開始。2002年の2ndアルバム『Demonic Possession』ではさらに激しさを増し、シーン内での評価も高まりました。

2004年に発表された3rdアルバム『Desert Northern Hell』は、彼らの代表作とされており、ノルウェーのみならず世界のブラック・メタル・ファンからも高く評価されました。このアルバムは、TSJUDERのブラック・メタル哲学を具現化した作品であり、一切の妥協を排した凶悪なサウンドが特徴です。

2006年、メンバー間の個人的な理由によりTSJUDERは解散を発表しました。しかし、ファンからの強い支持を受け、2010年に再結成されます。

再結成後の2011年には、復活作として4thアルバム『Legion Helvete』をリリースし、シーンへの復帰を果たしました。2015年には5作目『Antiliv』を発表。ブラック・メタルとしての姿勢を一切崩すことなく、より洗練された攻撃的サウンドを展開しています。

2023年には6thアルバム『Helvegr』をリリース。この作品でも、TSJUDERの持ち味である冷徹で獰猛なブラック・メタル・スタイルは健在で、ノルウェー・ブラック・メタルの真髄を感じさせる作品となっています。

TSJUDERは一貫して、「トゥルー・ブラック・メタル」にこだわり、キーボードやメロディックな要素を排した、プリミティブで凶暴なサウンドを追求しています。彼らの音楽には、BATHORY、DARKTHRONE、GORGOROTHといった初期ブラック・メタルからの影響が色濃く反映されています。

現在も活動を続けているTSJUDERは、ブラック・メタルの原点に忠実でありながら、独自の存在感を放つ重要バンドのひとつです。過激さと真摯さを兼ね備えた彼らの音楽は、今後も多くのブラック・メタル・ファンに影響を与え続けるでしょう。