WORMROTの歴史と進化｜シンガポールから世界を震わせたグラインドコアの奇跡

WORMROTとは？東南アジアのシーンにおける存在感
1. バンドメンバー
アルバム紹介 | 爆裂音塊が刻むグラインドの真髄！
1. Hiss（2022）
Voices（2016）
Dirge（2011）
Abuse（2009）

WORMROTとは？東南アジアのシーンにおける存在感

WORMROT（ウォームロット）は、2007年にシンガポールで結成されたグラインドコア・バンドです。NAPALM DEATH、NASUM、INSECT WARFAREといった先駆者たちの流れを汲みながらも、独自のアプローチで世界中のエクストリーム・ミュージック・ファンから高い評価を受けています。アジア圏からグローバルな成功を収めた数少ないグラインドコアバンドの一つとして、その存在感は群を抜いています。結成当初から本格的なグラインドコアを志向しており、ローカル・シーンにとどまらず世界市場を見据えた活動を展開します。

2009年、自主制作のデビューアルバム『Abuse』がアンダーグラウンドで注目を集め、イギリスの名門レーベルEarache Recordsと契約。同年にはアメリカやヨーロッパへの海外ツアーも実現し、一気に国際的な評価を確立しました。

WORMROTの音楽性は、1〜2分前後の短尺ながらも怒涛の展開と破壊力を持つナンバーが中心です。暴力的なブラストビート、鋭利なギターリフ、そして怒声に近いシャウトが特徴でありながら、構成力や緩急のセンスに優れています。その完成度の高さは、単なるハードコアやノイズバンドの枠を超え、グラインドコアの再定義とすら評されるほどです。

2016年には3rdアルバム『Voices』を発表。従来の破壊力に加えて、よりドラマ性や感情表現を取り入れた意欲作として話題となりました。しかし、2022年にはバンドの中心人物であったアリフ（Arif）<Vo>が脱退を発表。個人的な事情や活動への意識の変化が理由とされています。

その後もバンドは活動を継続し、2022年リリースの4thアルバム『Hiss』では新体制によるさらなる進化を遂げています。アリフ（Arif）に代わってガブリエル・デュブコ（Gabriel Dubko）<Vo>が加入し、より重厚で洗練されたサウンドが展開され、多くのメディアで高評価を得ましたが、現在はそのガブリエル・デュブコは脱退し、アリフ（Arif）が復帰しています。

WORMROTは、アジアのグラインドコア・シーンを牽引する存在として、世界のフェスやツアーでも引く手あまたの存在となっています。シンガポールという国の地理的・文化的なハンデを感じさせない活動スタイルと、DIY精神に貫かれた自主性、そして一貫した音楽への姿勢が、ジャンルの枠を超えたリスペクトを集めています。