バンド紹介

NIGHTRAGE（ナイトレイジ）は、ギリシャ出身のメロディック・デス・メタル・バンドで、2000年にギタリストであるマリオス・イリオポウロス（Marios Iliopoulos）<Gt,Vo>によって結成されました。彼は元々ギリシャのバンド、EXHUMATIONのメンバーであり、その解散後、新たな音楽的ビジョンを追求するためにNIGHTRAGEを立ち上げました。

結成当初、NIGHTRAGEはギリシャのメンバーを中心に活動を開始しましたが、マリオスはメロディック・デス・メタルの本場であるスウェーデンへ移住し、バンド活動をスウェーデンを拠点に進めることを決意しました。その過程で、スウェーデンの名だたるミュージシャンたちがプロジェクトに参加しました。特に注目すべきは、AT THE GATESのトーマス・リンドバーグ（Tomas Lindberg）<Vo>や、後にFIREWINDやOZZY OSBOURNEで活動するガスG（Gus G）<Gt>が初期の作品に参加したことです。

2003年、NIGHTRAGEはデビューアルバム『Sweet Vengeance』をリリース。この作品は、攻撃的でありながらメロディアスなギターリフと、トーマス・リンドバーグの特徴的なスクリームが融合した内容で、多くのメロディック・デス・メタルファンから高い評価を受けました。

しかし、トーマス・リンドバーグとガス・Gのメインバンド活動が多忙なこともありライヴ活動ができなかったため、新たなメンバーを迎え入れ、2005年に2ndアルバム『Descent into Chaos』を発表。このアルバムも好評を博し、NIGHTRAGEの名をメロディック・デス・メタルシーンに定着させました。006年にはトーマス・リンドバーグやガスGがメインバンドの活動に専念するために脱退します。

その後レコード会社を移籍やメンバーを入れ替えながら、『A New Disease Is Born』（2007年）、『Wearing A Marty’s Crown』（2009年）、『Insidious』（2011年）、『The Puritan』（2015年）、『The Venomous』（2017年）、『Wolf To Man』（2019年）、『Abyss Rising』（2022年）、『Remains Of A Dead World』（2024年）とコンスタントにアルバムをリリースし続けています。

特に近年の作品では、クラシックなメロディック・デス・メタルのスタイルを維持しつつ、現代的なプロダクションを取り入れることで、古参ファンと新しいリスナーの両方から支持を得ています。

NIGHTRAGEの音楽は、メロディック・デス・メタルの伝統的な要素であるツインギターのハーモニーや、攻撃的なリフ、感情的なメロディを特徴としています。一方で、リリックには人間の内面的な苦悩や社会的なテーマが反映されており、聴き手に強い印象を与えます。

結成から現在に至るまで、メンバーの変更や困難を乗り越えつつ、マリオス・イリオポウロスのリーダーシップのもとでNIGHTRAGEは活動を継続しています。彼らはメロディック・デス・メタルの伝統を守りながら、進化を続けるバンドとして、今後も注目される存在です。