THE CROWNとは?バンドの基本情報と特徴
THE CROWN(ザ・クラウン)は、スウェーデン出身のメロディック・デス/スラッシュ・メタル・バンドで、1990年にスウェーデンのトロルヘッタンで結成されました。当初のバンド名は、CROWN OF THORNSでしたが、同名のアメリカのバンドとの混同を避けるため、1998年にTHE CROWNに改名しています。
初期の音楽性は、スラッシュ・メタルにデス・メタルの要素を融合させたアグレッシブなスタイルで、初期スウェディッシュ・デス・メタルシーンの影響を受けつつ、メロディックなリフと突進力のあるリズムで個性を確立しました。
1995年にはデビューアルバム『The Burning』をリリースし、続く『Eternal Death』(1997年)ではより攻撃的なスタイルを追求しました。(2枚のアルバムは2002年にTHE CROWN名義で再リリースされました。)
改名後にリリースされた『Hell Is Here』(1999年)は、改名後の最初のアルバムであり、バンドの知名度を国際的に押し上げるきっかけとなりました。
2000年代初頭には、AT THE GATESのトーマス・リンドバーグが一時的に加入したことでも話題になりました。その時期のアルバム『Crowned in Terror』(2002年)は特に高い評価を受け、彼らの代表作の一つとなっています。
2004年には一度解散を発表。それぞれ別のバンドで音楽活動を継続していましたが、2009年に再結成し活動を再開しました。再結成後もコンスタントに作品を発表し続けており、2021年にはアルバム『Royal Destroyer』をリリースし、従来のスタイルを維持しつつ、より洗練された音楽性を提示しています。2024年には当初のバンド名をアルバムタイトルにした『CROWN OF THORNS』を発売しました。
THE CROWNは、スウェーデンのメロディック・デス・メタルとスラッシュ・メタルの橋渡しを担う存在として、長年にわたりシーンに多大な影響を与え続けているバンドです。暴力的でありながら緻密な楽曲構成と、アグレッションとメロディの絶妙なバランスが彼らの魅力であり、現在も精力的に活動を続けています。
THE CROWNのアルバム紹介|デスメタルとスラッシュメタルの絶妙なバランス
Crown Of Thorns(2024)
- I Hunt With The Devil
- Churchburner
- Martyrian
- Gone To Hell
- Howling At The Warfield
- The Night Is Now
- God-King
- The Agitator
- Where Nightmares Belong
- The Storm That Comes
- Eternally Infernal
- No Fuel For God
- Mind Collapse
始まりは炎だった―Crown of Thornsが刻んだ激烈な原点回帰!
バンド名のルーツを冠した原点回帰にして進化の作品です。初期衝動を現代的サウンドで蘇らせた本作は、デスラッシュの激烈なリフと荘厳なメロディが交錯し、聴く者に鮮烈なインパクトを与えます。荒々しさと洗練が同居する楽曲構成は、長年のファンはもちろん、新しいファンにも突き刺さる仕上がり。90年代の精神を内包しながら、2020年代のメタルとして再構築された『Crown of Thorns』は、まさにTHE CROWNの新たな代表作となるでしょう。
Royal Destroyer(2021)
- Baptized In Violence
- Let The Hammering Begin !
- Motordeath
- Ultra Faust
- Glorious Hades
- Full Metal Justice
- Scandinavian Satan
- Devoid Of Light
- We Drift On
- Beyont The Frail
- Absolute Monarchy
激情の嵐、冷酷な王政―『Royal Destroyer』が刻む無慈悲な進軍!
そのタイトル通り“破壊の君主”としての圧倒的存在感を示す一作。デスラッシュ本来のスピードと凶暴さに、スウェディッシュ・メロディの冷たく鋭い旋律が融合。「Motordeath」や「Let the Hammering Begin!」に代表されるように、攻撃的かつ一瞬の隙もない楽曲展開が魅力です。過去作の流れを継承しつつも、全編に漂う無慈悲な緊張感とプロダクションの重厚感が、THE CROWNの成熟を物語ります。破壊と支配、その両方を体現した本作は、デスラッシュの真髄を求めるリスナー必聴のアルバムです。
Cobra Speed Venom(2018)
- Destroyed By Madness
- Iron Crown
- In The Name Of Death
- We Avenge !
- Cobra Speed Venom
- World War Machine
- Necrohammer
- Rise In Blood
- Where My Grave Shall Stand
- The Sign Of The Scythe
牙を剥き、猛り狂う―暴走と破壊のデスラッシュがここに極まる!
”スウェディッシュ・デスラッシュ”の真髄を再定義する超攻撃型アルバムです。冒頭から炸裂するスピード感と鋭利なリフは、まさに“毒蛇の一撃”。過去の暴虐性を継承しつつ、メロディと構成力に磨きをかけた本作は、ベテランの風格と若き衝動が同居する圧巻の一枚です。タイトル曲「Cobra Speed Venom」や「Necrohammer」などは、暴走と緻密さが融合した象徴的トラック。THE CROWNの復活と進化を同時に感じさせる本作は、現代デスメタルの中でも特に重要な作品として高く評価されています。
Death Is Not Dead(2015)
- Reign
- Headhunter
- Iblis Bane
- Eternal(PARADISE LOST cover)
- Struck By Lightning
- Speed Kills(Full Moon Ahead)
- Herd Of Swine
- Horrid Ways
- Ride To Ruin
- Meduseld
- Godeater
死を超えて、音は生き続ける―THE CROWNの真価がここに蘇る!
バンド再生の狼煙を上げる決意のアルバム。約5年ぶりのリリースとなった本作は、デスラッシュの鋭さと重厚なリフを前面に押し出し、過去と現在をつなぐ橋渡しのような内容に仕上がっています。「Headhunter」や「Speed Kills(Full Moon Ahead)」など、緊張感に満ちた高速ナンバーがバンドの健在ぶりを証明。タイトルが語る通り、デスメタルは死なず、THE CROWNの精神もまた不滅であると高らかに宣言しています。復活作でありながらも、新たな章の始まりを強く印象づける力作です。
Doomsday King(2010)
- Doomsday King
- Angel Of Death 1839
- Age Of Iron
- The Tempter And The Bible Black
- Soul Slasher
- Blood O.D.
- Through Eyes Of Oblivion
- From The Ashes I Shall Return
- He Who Rises In Might – From Darkness To Light
破滅の玉座から鳴り響く、デスラッシュの黙示録!
2004年の解散を経て2010年に発売された復活作は、沈黙を破って帰還した王者の咆哮です。新たにフロントマンに、ヨナス・ステーラン・カールソンを迎えた本作は、荒涼としたデスラッシュ・サウンドにさらなる重圧と深みを加えた仕上がり。冷徹なリフと緊迫感ある展開が全編に渡って支配し、THE CROWNの不屈の精神と音楽的進化が存分に感じられます。タイトル曲「Doomsday King」を筆頭に、復活を超えた“再戴冠”を高らかに宣言する名曲群が並びます。混沌の王座に返り咲いたTHE CROWNが、再び世界を蹂躙する狼煙を上げた重要作です。
Crowned Unholy(2004)
- House Of Hades(Intro)
- Crowned In Terror
- Under The Whip
- Drugged Unholy
- World Below
- The Speed Of Darkness
- Out For Blood
- (I Am)Hell
- Death Is The Hunter
- Satanist
- Death Metal Holocaust
王冠は再び穢される―THE CROWNが蘇らせた、真なる破壊の黙示録!
2002年作『Crowned in Terror』の再録アルバムでありながら、単なる再現に留まらない“再創造”の域に達した作品です。復帰したヨハン・リンドストランドの咆哮は、原作に込められた激情と破壊性をより純粋に引き出し、楽曲の輪郭を明確に際立たせます。リミックスと再アレンジによる音の迫力も強化され、重厚かつ洗練されたサウンドが全編を支配。THE CROWNの本質と歴史を改めて提示する本作は、ファンにとって“正統の咆哮”と呼ぶにふさわしい存在です。真の姿を知るには、避けて通れない一枚です。
Possessed 13(2003)
- No Tomorrow
- Face Of Destruction – Deep Hit Of Death
- Deliverance
- Cold Is The Grave
- Dream Bloody Hell
- Morningstar Rising
- Are You Morbid ?
- Bow To None
- Kill ‘Em All
- Natashead Overdrive
- Zombiefied !
- Dawn Of Emptiness
- In Memoriam
13の呪いが牙を剥く―THE CROWNが放つ狂気と暴走のデスラッシュ儀式!
彼らの持つ破壊性と構築美が頂点に達したアルバム。スウェディッシュ・デスラッシュの本質を貫きつつ、リフワークや展開の巧妙さが際立つ本作は、過去と現在をつなぐ重要な一枚。「No Tomorrow」や「Deliverance」などの疾走曲から、「Dawn of Emptiness」のような陰鬱な楽曲まで、緩急をつけた構成が印象的です。タイトルに込められた“13”の不吉さと狂気が全編に漂い、THE CROWNの世界観をより深く体現しています。攻撃的でありながらも芸術的―まさに“破壊の美学”が結晶した、終末の黙示録です。
Crowned In Terror(2002)
- Introduction: House Of Hades(Intro)
- Crowned In Terror
- Under The Whip
- Drugged Unholy
- World Below
- The Speed Of Darkness
- Out For Blood
- (I Am)Hell
- Death Is The Hunter
- Satanist
- Death Metal Holocaust
声を変え、魂を研ぎ澄ます―THE CROWNの“異形の傑作”がここにある!
AT THE GATESのトーマス・リンドバーグ<Vo>を迎えたことで注目を集めた異色作。デスラッシュの鋭利な攻撃性と、リンドバーグの激情あふれる絶叫が融合し、全体に圧倒的な緊張感と支配力を生み出しています。スラッシュの疾走感にメロディアスな構築美が加わった本作は、THE CROWNにとって新たなフェーズの幕開けといえる一枚です。特に「Under the Whip」や「World Below」などは、その完成度の高さでファンの間でも高く評価されています。“王座”を再構築したこの作品は、まさに新時代の到来を告げる決定的瞬間です。
The Burning(2002)
- Of Good And Evil
- Soulicide Demon-Night
- Godless
- The Lord Of The Rings
- I Crawl
- Forever Heaven Gone
- Earthborn
- Neverending Dream
- Bight Of The Swords
- Candles
- Forget The Light
北欧地下から吹き上がる灼熱の叫び―THE CROWN誕生の狼煙!
1995年にCROWN OF THORNS名義でリリースされ、スウェディッシュ・デスラッシュの原点ととなった作品のリマスター盤。荒々しいリフ、激烈なビート、そしてむき出しの怒りと混沌が渦巻く本作は、後の洗練されたアルバム群とは一線を画す“本能の音”が詰まっています。全編を通して感じられる暴力的な衝動と勢いは、90年代アンダーグラウンドの精神そのもの。粗削りながらも鋭利なエネルギーに満ちた一枚は、THE CROWNという存在の核を知るうえで欠かせない重要作です。混沌を愛するすべてのメタルヘッズに捧げられた、原点回帰の炎がここにあります。
Eternal Death(2002)
- Angl Die
- Beautiful Evil Soul
- In Bitterness And Sorrow
- The Black Heart
- World Within
- The Serpent Garden
- Kill(The Priest)
- Misery Speaks
- Hunger
- Death Of God
ブラック・メタルとスラッシュ・メタルの融合、闇の中で燃え上がる異形の傑作!
デスラッシュの枠を超えてブラックメタル的な暗黒性と冷酷な美学を融合させた、異端かつ深化した一枚-。デビュー当時の荒々しさを受け継ぎながらも、より陰鬱で激烈なサウンドへと進化。鋭利なリフと爆発的なドラミングが交錯し、黒き激情が全編を支配します。特に「Angels Die」や「Beautiful Evil Soul」などは、暴力と叙情のバランスが絶妙で、初期THE CROWNの中でも特筆すべき完成度を誇ります。混沌と破壊の美学を極限まで研ぎ澄ました本作は、バンド史における重要な転換点です。
Deathrace King(2000)
- Deathexplosion
- Executioner – Slayer Of The Light
- Back From The Grave
- Devil Gate Ride
- Vengeance
- Rebel Angel
- I Won’t Follow
- Blitzkrieg Witchcraft
- Dead Man’s Song
- Total Satan
- Killing Star(Superbia Luxuria XXX)
デスラッシュという名の弾丸、THE CROWNが放つ“破壊王”の咆哮!
デスラッシュの隠れた名盤として今なお語り継がれる一枚。冒頭から最後まで突進力を失わず、怒涛のリフと咆哮が次々と襲いかかるその勢いは、まさに“ブレーキ無用”。「Executioner – Slayer of the Light」や「Back For More」など、衝動とフックを両立させた楽曲群は、攻撃性と中毒性のバランスが極めて高い水準で成立しています。ヘヴィでありながらキャッチー、暴力的でありながらドラマチック―THE CROWNの個性が爆発した本作は、ジャンルの最前線を切り拓いた金字塔です。メロディック・デスラッシュの真髄を体感できる決定盤と言えるでしょう。
Hell Is Here(1998)
- The Poison
- At The End
- 1999 – Revolution 666
- Dying Of The Heart
- Electric Night
- Black Lightning
- The Devil And The Darkness
- Give You Hell
- Body And Soul
- Mysterion
- Death By My Side
改名と共に始まった破壊の新章―『Hell Is Here』が焼き尽くす鋼鉄の魂!
バンド名をTHE CROWNに改めて制作され、デスラッシュの暴走装置とも言える作品で新たなスタートを迎えた作品。荒れ狂うリフ、咆哮するボーカル、そして休む間もないドラムビートが猛火のようにリスナーを包み込み、スウェディッシュ・メタルの凶暴性を極限まで高めています。「1999 – Revolution 666」や「The Poison」は、混沌と破壊を具現化したような強烈なトラックで、本作の爆発力を象徴しています。前作までの勢いに加え、楽曲構成や音質にも磨きがかかり、THE CROWNの本格的な快進撃がここから始まったことを証明する重要なアルバムです。まさに“地獄はここにある”と断言できる音の炎です。
コメント