PAIN OF SALVATION(ペイン・オブ・サルヴェイション)とは?バンド結成から現在までの歴史
PAIN OF SALVATION(ペイン・オブ・サルヴェイション)は、スウェーデン出身のプログレッシヴ・メタル/ロック・バンドで、卓越した演奏力と哲学的なコンセプトを持つ作品の数々を発売し、プログレッシヴ・メタル界を代表する存在です。
1984年、ダニエル・ギルデンロウ(Daniel Gildenlöw)<Vo,Gt>を中心に、スウェーデンのエスキルスティーナで、REALITYとして活動をスタートします。
当時の彼らは10代の若いメンバーで構成されていましたが、すでに高度な楽曲構造やプログレッシヴな要素を取り入れた音楽を制作していました。
REALITY時代にはデモ音源を制作しながらライブ活動を行い、史上最年少でスウェーデンの音楽コンテスト「Rock-SM」に出場し、ダニエル・ギルデンロウは最優秀ヴォーカリストを受賞。スウェーデン国内で徐々に知名度を高めていきます。
1990年、メンバー交代の後、1991年、バンドはより哲学的な音楽性を追求するため、バンド名をPAIN OF SALVATIONに改名。この改名が、後のプログレッシヴ・メタル界を代表する存在へとつながる重要な転機となります。
1994年バンドは地元のスタジオに入りデモを制作。レコード会社に積極的に売り込みを行い、バンドは1997年にデビューアルバム『Entropia』をアジアのレーベル、Avalon Recordsから発売します(後に1999年にヨーロッパではInsideOut Music、南米ではHellion Recordsから発売)。この作品は”戦争と人間の心理”をテーマにしたコンセプトアルバムであり、複雑なリズム構造とドラマチックな楽曲展開によって、PAIN OF SALVATIONの独自性を強く印象づけました。
翌1998年には2ndアルバム『One Hour by the Concrete Lake』を発売。デビューアルバムよりもダークで複雑な作品で、核兵器や環境問題といった社会的テーマを扱った重厚なテーマを扱ったコンセプトアルバムです。バンドはヨーロッパを中心に評価を上げ、ツアーではTHRESHOLDやELDRITCHのサポートを務め、プログレッシヴ・メタルシーンの注目株となりました。
短い休止期間を経て制作された2000年の3rdアルバム『The Perfect Element, Part I』は、孤独や精神的苦悩をテーマにした壮大なコンセプトアルバムであり、代表作として知られ、2001年にはSYMPHONY XやEVERGREYと共に、ProgPowerUSAのヘッドライナーを務めました。さらに2002年には4thアルバム『Remedy Lane』を発売し、ダニエル・ギルデンロウ自身の体験をもとに、「愛」「欲望」「人生」をテーマにした非常に感情的な内容と完成度の高い楽曲によって、バンドの評価は世界的に高まりました。2004年には哲学や宗教、人類の存在をテーマにした実験的作品『BE』を発売し、オーケストラや合唱を取り入れた壮大なプロジェクトとして話題を集めますが、ファンや評論家の間で賛否が分かれました。
2007年の『Scarsick』は、3rdアルバム『The Perfect Element, Part I』の続編で、現代社会や消費文化への批判をテーマにし、新しい音楽要素を取り入れたことで賛否両論を呼びました。2010年には『Road Salt One』、2011年に『Road Salt Two』を発売。2011年から2012年まではバンドメンバーに大きく変更がありましたが、2014年にアコースティックアルバム『Falling Home』を発売。過去に発表した曲のリメイクや、新曲の他にカヴァー曲が収録されました。
同年、ダニエル・ギルデンロウが重い感染症により生命の危機に直面するという出来事がありました。この経験は彼の人生観と創作活動に大きな影響を与えます。そして2017年、闘病経験をテーマにしたアルバム『In the Passing Light of Day』を発売。この作品は重厚なサウンドと深い感情表現によって高く評価され、PAIN OF SALVATIONの復活作として多くのファンから支持されました。
2020年には11thアルバム『Panther』を発売。この作品ではエレクトロニック要素や実験的リズムが取り入れられ、社会の中で孤立を感じる人々をテーマにしたコンセプトが描かれました。しかしアルバム発表直後は世界的なパンデミックの影響を受け、予定されていたツアーの多くが延期や中止となります。それでもバンドは創作活動を続け、オンライン活動や新曲制作を行いながら次のステップへと進みました。
2022年にはライブ活動を再開し、北米ツアーを含む公演を行います。これらのツアーでは『Panther』の楽曲に加え、「Remedy Lane」や「The Perfect Element」などの代表曲が披露され、長年のファンから大きな歓迎を受けました。
PAIN OF SALVATIONは複雑なリズム構造、深いコンセプト、そしてジャンルを越えた音楽性によって、プログレッシヴ・メタル界に独自の地位を築きました。その革新的な姿勢はDREAM THEATERやOPETHと並び、現代のプログレッシヴ・メタルシーンに大きな影響を与えています。1980年代のREALITY時代から始まったこのバンドの物語は、2026年現在もなお進化を続けており、今後の新作と活動にも大きな注目が集まっています。
PAIN OF SALVATIONのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■ダニエル・ギルデンロウ(Daniel Gildenlöw) – Vocal/Guitar/Bass(1991~)
■ヨハン・ハルグレン(Johan Hallgren) – Guitar/Vocal(1998~2011、2017~)
■レオ・マーガリット(Léo Margarit) – Drums(2007~)
■ダニエル・カールソン(Daniel Karlsson) – Keyboard(2011~)
【過去メンバー】
■マグナス・ヨハンソン(Magnus Johansson) – Bass(1991~1992)
■ヨハン・ランゲル(Johan Langell) – Drums/Vocal(1991~2007)
■ダニエル・マディック(Daniel Magdic) – Guitar(1991~1997)
■クリストファー・ギルデンロウ(Kristoffer Gildenlöw) – Bass/Vocal(1994~2006)
■フレドリック・ヘルマンソン(Fredrik Hermansson) – Keyboard(1996~2011)
■シモン・アンデション(Simon Andersson) – Bass/Vocal(2007~2008)
■グスタフ・イェルム(Gustaf Hielm) – Bass(2013~2020)
■ラグナー・ゾルベルグ(Ragnar Zolberg) – Guitar(2013~2017)
アルバム紹介:スウェーデン発プログレッシヴ・メタルの異端と革新
Panther(2020)

- Accelerator
- Unfuture
- Restless Boy
- Wait
- Keen to a Fault
- Fur
- Panther
- Species
- Icon
In The Passing Light Of Day(2017)

- On a Tuesday
- Tongue of God
- Meaningless
- Silent Gold
- Full Throttle Tribe
- Reasons
- Angels of Broken Things
- The Taming of a Beast
- If This Is the End
- The Passing Light of Day
Falling Home(2014)

- Stress
- Linoleum
- To the Shoreline
- Holy Diver (DIO cover)
- 1979
- Chain Sling
- Perfect Day (LOU REED cover)
- Mrs. Modern Mother Mary
- Flame to the Moth
- Spitfall
- Falling Home
Road Salt Two(2011)

- Road Salt Theme
- Softly She Cries
- Conditioned
- Healing Now
- To the Shoreline
- Eleven
- 1979
- The Deeper Cut
- Mortar Grind
- Through the Distance
- The Physics of Gridlock
- End Credits
Road Salt One(2010)

- No Way
- She Likes to Hide
- Sisters
- Of Dust
- Tell Me You Don’t Know
- Sleeping Under the Stars
- Darkness of Mine
- Linoleum
- Curiosity
- Where It Hurts
- Road Salt
- Innocence
Scarsick(2007)

- Scarsick
- Spitfall
- Cribcaged
- America
- Disco Queen
- Kingdom of Loss
- Mrs. Modern Mother Mary
- Idiocracy
- Flame to the Moth
- Enter Rain
Be(2004)

- Animae Partus (“I Am”)
- Deus Nova
- Imago (Homines Partus)
- Pluvius Aestivus – Of Summer Rain (Homines Fabula Initium)
- Lilium Cruentus (Deus Nova) – On the Loss of Innocence
- Nauticus (Drifting)
- Dea Pecuniae
- Vocari Dei – Sordes Aestas – Mess Age
- Diffidentia (Breaching the Core) – Exitus – Drifting II
- Nihil Morari – (Homines Fabula Finis)
- Latericius Valete
- Omni – Permanere?
- Iter Impius – Martius, Son of Mars – Obitus Diotinus
- Martius / Nauticus II
- Animae Partus II
Remedy Lane(2002)

- Of Two Beginnings
- Ending Theme
- Fandango
- A Trace of Blood
- This Heart of Mine (I Pledge)
- Undertow
- Rope Ends
- Chain Sling
- Dryad of the Woods
- Remedy Lane
- Waking Every God
- Second Love
- Beyond the Pale
The Perfect Element I(2000)

- Used
- In the Flesh
- Ashes
- Morning on Earth
- Idioglossia
- Her Voices
- Dedication
- King of Loss
- Reconciliation
- Song for the Innocent
- Falling
- The Perfect Element
One Hour By The Concrete Lake(1998)

- Spirit of the Land
- Inside
- The Big Machine
- New Year’s Eve
- Handful of Nothing
- Water
- Home
- Black Hills
- Pilgrim
- Shore Serenity
- Inside Out
Entropia(1997)

- ! (Foreword)
- Welcome to Entropia
- Winning a War
- People Passing By
- Oblivion Ocean
- Stress
- Revival
- Void of Her
- To the End
- Never Learn to Fly
- Circles
- Nightmist
- Plains of Dawn
- Leaving Entropia (Epilogue)

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