THE ZENITH PASSAGE(ザ・ゼニス・パッセージ)とは?バンド結成から現在までの歴史
THE ZENITH PASSAGE(ザ・ゼニス・パッセージ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたテクニカル・デス・メタル・バンドです。元THE FACELESSのメンバーを中心に結成されたことでも知られ、結成当初から高い演奏技術と複雑な楽曲構成でテクニカル・デスメタル(テクデス)シーンにおいて注目を集めてきました。
2012年に、ジャスティン・マッキニー(Justin McKinney)<Ba,Gt,Vo>とグレッグ・ハンプトン(Greg Hampton)<Vo>により結成後、デモを発売した後、2013年にEP『Cosmic Dissonance』を発売し、アンダーグラウンドシーンで存在感を高めると、2016年にはデビューアルバム『Solipsist』を発売します。この作品は、複雑な楽曲展開と高度なテクニックを両立させた完成度の高さが話題となり、THE ZENITH PASSAGEの名を世界的に知らしめるきっかけとなりました。その後はメンバーの変動や制作期間の長期化により活動のペースはやや落ち着きますが、その間も楽曲制作やライブ活動を通じて音楽性をさらに深化させていきます。
そして2023年には、約7年ぶりとなる2ndアルバム『Datalysium』を発売します。本作では、前作で確立したテクニカルな要素をさらに洗練させつつ、楽曲構成やプロダクション面においても大きな進化を遂げており、テクニカル・デスメタルの最前線を担う存在として改めて高い評価を獲得しました。
THE ZENITH PASSAGEは、単なる技巧派バンドにとどまらず、音楽的な構築美と芸術性を兼ね備えたテクニカル・デスメタルの重要バンドとして位置づけられています。複雑でありながらも一貫したコンセプトを持つ楽曲群は、テクデスファンはもちろん、より高度な音楽性を求めるリスナーにとっても必聴の存在です。さらに、宇宙や科学、哲学といったテーマを取り入れた世界観と、ポリリズムを多用した緻密なリズム、超高速かつ正確無比なギターワークを融合させたスタイルは、同ジャンルの中でも特に知的かつ先鋭的なサウンドとして評価されています。今後の作品や活動によって、さらなる進化を遂げることが期待される注目のバンドです。
THE ZENITH PASSAGEのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
【現メンバー】
■ジャスティン・マッキニー(Justin McKinney) – Bass(2012~2013、2014~2021)、Guitar/Vocal(2012~)
■ブランドン・ギフィン(Brandon Giffin) – Bass(2021~)
■デレク・ライドクイスト(Derek Rydquist) – Vocal(2021~)
■クリストファー・ビーティー(Christopher Beattie) – Guitar(2022~)
■マックス・セプルベダ(Max Sepulveda) – Drums(2024~)
【過去メンバー】
■ジョシュ・スレーター(Josh Slater) – Drums(2012~2013)
■グレッグ・ハンプトン(Greg Hampton) – Vocal(2012~2021)
■マイケル・ホスキンス(Michael Hoskins) – Bass(2013~2014)
■ルイス・マルティネス(Luis Martinez) – Drums(2013~2016)
■ロブ・マラモンテ(Rob Maramonte) – Guitar(2013~2022)
■マシュー・パウラッツォ(Matthew Paulazzo) – Drums(2016~2018、2021~2022)
THE ZENITH PASSAGEのアルバム紹介:超絶技巧リフと宇宙的世界観
※リンクされた曲名をクリックすると、バンド、レーベル公式ページの動画を観ることができます♪
Datalysium(2023)

- The Axiom of Error
- Algorithmic Salvation
- Lexicontagion
- Synaptic Depravation
- Deletion Cult
- Divinertia I
- Divinertia II
- Automated Twilight
- Datalysium
“機械と宇宙が融合する、極限まで進化したテクデス”
2023年発売の2ndアルバムであり、テクニカル・デスメタルの到達点ともいえる完成度を誇る一枚です。本作は、緻密に計算されたリズムと機械的な正確さを持つギターリフが特徴で、まるでSF映画の中に入り込んだかのような無機質かつ壮大な世界観を描き出します。特に「Algorithmic Salvation」や「The Axiom of Error」などは、難解ながらも繰り返し聴くことで構造が見えてくるスルメ曲であり、テクデス好きにはたまらない仕上がりです。一方で、前作よりも無機質でストイックな方向に振れているため、メロディ重視のリスナーにはやや冷たく感じる可能性があります。「超絶技巧を堪能したい人」は確実に“買い”ですが、「分かりやすい展開やキャッチーさを求める人」にはややハードルが高い作品です。理解できたときの快感は非常に大きく、長く付き合えるアルバムです。
Solipsist(2016)

- Holographic Principle I: Emergence
- Holographic Principle II: Convergence
- Simulated Reality
- Deus Deceptor
- The Dissension Consensus
- Dreamsphere
- Hypnagogia
- Metaphysical Solipsism
- The Tenebrous Veil
- Luminary Singularity
”混沌と知性がぶつかる、衝撃のテクデスデビュー作”
デビューアルバムであり、テクニカル・デスメタル界に強烈なインパクトを与えた作品です。全体としては荒削りながらもエネルギーに満ちており、複雑なリフと変拍子が次々と押し寄せるスリリングな展開が魅力です。音の印象としては「暴力的な知性」といった言葉がぴったりで、ギターは鋭く切り刻むように展開し、ドラムはまるで機械のように正確でありながら人間的な熱量も感じさせます。「Deus Deceptor」や「Holographic Principle II」などは、テクデスの醍醐味であるスピードと複雑さを存分に味わえる代表曲です。ただし、楽曲構成はかなり複雑で、一聴では理解しづらい部分も多く、初心者にはややハードルが高いのも事実です。それでも、「勢い」「攻撃性」「若さ」という点では本作にしかない魅力があります。洗練された後期作よりも、むしろこちらの荒々しさを好むファンも多いでしょう。


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