ABBATHとは何者か?|ブラックメタル界のカリスマ、アバスの正体
ABBATH(アバス)は、ノルウェー出身のブラック・メタル・バンドです。元IMMORTALのアバス・ドゥーム・オッカルト(Abbath Doom Occulta)<Vo,Gt>が中心となり、2015年に結成されました。
2015年、アバスは長年在籍していたIMMORTALを脱退し、新たなバンドABBATHを結成しました。彼のブラック・メタルへの情熱はそのままに、より独自の音楽性を追求するためのプロジェクトとしてスタート。結成時のメンバーには、元GORGOROTHのキング・オヴ・ヘル(King Ov Hell)<ba>、元BENIGHTEDのケヴィン・”クリーチャー”・フォーリー(Kevin “Creature” Foley)<Dr>が加わりました。
2016年1月、デビュー・アルバム『Abbath』をリリース。この作品は、IMMORTAL時代の要素を引き継ぎつつも、よりダイナミックで攻撃的なサウンドが特徴です。収録曲「Winterbane」や「Count the Dead」などが高く評価され、バンドの独自性を確立しました。
2018年、バンドはアルバムの制作を発表しましたが、メンバーの入れ替わりが続きました。2019年には、2ndアルバム『Outstrider』をリリースし、より洗練されたブラック・メタル・サウンドを展開しました。この時点で、アバス以外のメンバーは全員交代しており、新たなラインナップでの活動がスタートしました。
2022年、3rdアルバム『Dread Reaver』を発表しました。この作品は、スラッシュ・メタルの影響も感じられるアグレッシブなスタイルを持ち、ファンからの評価も高いものとなりました。同年、バンドはヨーロッパツアーを成功させ、世界各地でのライブ活動も精力的に行っています。
現在もアバスはバンドの中心人物として、ブラック・メタル・シーンで独自の地位を確立しながら活動を続けています。今後の動向にも注目が集まっています。
バンドメンバー
【現メンバー】
アバス・ドゥーム・オカルタ(Abbath Doom Occulta) – Vocal/Guitar(2015~)
ウクリ・スヴェレフト(Ukri Suvilehto) – Drums(2018~)
オーレ・アンドレ・”ラウド”・ファルスタッド(Ole Andre “Roud” Farstad) – Guitar(2019~)
【過去メンバー】
キング・オヴ・ヘル(King Ov Hell) – Bass(2015~2018)
ケヴィン・”クリーチャー”・フォーリー(Kevin “Creature” Foley) – Drums(2015)
エミル・”クリーチャー”・ウィルクセテン(Emil “Creature” Wilksten) – Drums(2016~2018)
シルメス(Silmaeth) – Guitar(2016~2018)
ミア・ウォレス(Mia Wallace) – Bass(2019~2020、2021~2023)
アルバム紹介 | 進化を重ねるABBATHサウンド
Dread Reaver(2022)
- Acid Haze
- Scarred Core
- Dream Cull
- Myrmidon
- The Deep Unbound
- Septentrion
- Trapped Under Ice(Metallica Cover)
- The Book Of Breath
- Dread Reaver
混沌の中に輝く美学―ABBATHが示す進化の終着点、そして起点!
2022年発売の3rdアルバム『Dread Reaver』は、ブラック・メタルの冷徹さとスラッシュ・メタルの荒々しさを融合させた渾身の一作です。従来の氷の世界観に加え、MOTÖRHEADやBATHORYの影響を色濃く感じさせるサウンドは、まさに「闇のハイブリッド」と呼ぶにふさわしい進化形。重厚なリフと炸裂するドラム、そしてアバス特有の咆哮が交錯する本作は、ジャンルの枠を超えた激情を体現しています。ラストにはMETALLICAのカバー「Trapped Under Ice」を収録するなど、遊び心も忘れない姿勢が印象的。ブラック・メタルに新たな可能性を提示した本作は、シーンの“今”を語る上で欠かせない一枚です。
Outsider(2019)
- Calm In Ire Of Hurricane
- Bridge Of Spasms
- The Artifex
- Harvest Pyre
- Land Of Khem
- Outstrider
- Scythewinder
- Hecate
ブラック・メタルの硬質美と叙情の融合、アバスが刻む進化の証!
2019年発売の2ndアルバムは、元IMMORTALのアバス・ドゥーム・オカルタ(Abbath Doom Occulta)の音楽的アイデンティティを明確に刻んだ作品です。氷のように冷たい音像、暴風のごとく疾走するリズム、そして鋭く切り裂くギターリフ―そのすべてがブラック・メタルの枠を超え、独自の世界を築き上げています。前作以上に洗練された構成力と、メロディアスな要素が共存する本作は、ABBATHが単なる“IMMORTALの影”ではないことを証明する決定打。表題曲「Outstrider」や「Harvest Pyre」など、名曲揃いのこのアルバムは、まさに極北のメタル彗星と呼ぶにふさわしい輝きを放っています。
Abbath(2016)
- To War !
- Winterbane
- Ashes Of The Damned
- Ocean Of Wounds
- Count The Dead
- Fenrir Hunts
- Root Of The Mountain
- Endless
- Eiding On The Wind(Judas Priest Cover)
- Nebular Ravens Winter(Immortal Cover)
IMMORTALの氷を継ぎ、火を宿した咆哮―これがABBATHの原点!
ブラック・メタル界の象徴とも言えるアバス・ドゥーム・オカルタ(Abbath Doom Occulta)が、IMMORTALを離れ放ったソロバンドデビュー作。このアルバムは、彼の個性を余すことなく詰め込んだ“帝王の再出発”とも言える作品です。凍てつくリフと獰猛なヴォーカルは健在ながら、スラッシュやヘヴィメタルの要素も織り交ぜられ、より幅広い音楽性を提示。オープニングの「To War!」から炸裂する重厚なサウンドは、ソロとしての決意を如実に物語ります。冷酷さと荒々しさの絶妙なバランスが取れた本作は、単なる過去の焼き直しではなく、新たなブラック・メタル像を提示した意欲作。ABBATHという名が持つ意味、その真価がここに刻まれています。
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