UNLEASHED（アンリーシュド）とは？スウェーデン・デスメタルの祖が築いた北欧サウンドの真髄

UNLEASHED（アンリーシュド）とは？結成から現在の歴史
1. UNLEASHEDのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ
アルバム紹介：UNLEASHEDが示す“北欧デスメタルの真髄”とは

UNLEASHED（アンリーシュド）とは？結成から現在の歴史

UNLEASHED（アンリーシュド）は、1989年にスウェーデン・ストックホルムで結成されたスウェーデン・デスメタル黎明期を支えた伝説的バンドです。ENTOMBED、DISMEMBER、GRAVEと並び「ストックホルム・デスメタル四天王」と称され、北欧デスメタルの音楽的基盤を築いた重要な存在として知られています。バンドの中心人物、ジョニー・ヘドランド（Johnny Hedlund）<Ba,Vo>の確立した音楽哲学と北欧神話をテーマにした歌詞世界が、UNLEASHEDのアイデンティティを形成しています。

UNLEASHEDは、1990年に初期のデモ『The Utter Dark Revenge』で注目を集め、いくつかのデモを制作後翌年リリースしたデビューアルバム『Where No Life Dwells』で一躍シーンの最前線に躍り出ます。重厚なギターリフと暴力的なグルーヴ、そして冷たい北欧の空気を感じさせるメロディは、多くのデスメタルファンを魅了しました。続く『Shadows in the Deep』（1992）や『Across the Open Sea』（1993）では、ヴァイキングや北欧神話といったテーマ性を強化し、後の「ヴァイキング・デスメタル」というスタイルの礎を築いたのです。

1990年代後半には活動を一時休止しますが、2000年代に入り復活。『Hell’s Unleashed』（2002）でシーンに完全復帰し、以降はコンスタントにアルバムをリリースし続けています。特に『Midvinterblot』（2006）や『Odalheim』（2012）では、叙事詩的なスケールとメロディックな要素を融合させた独自のサウンドを確立し、世界中のメタルファンから高い評価を得ました。

その後もバンドは衰えることなく、『The Hunt for White Christ』（2018）や『No Sign of Life』（2021）など、壮大なコンセプト作品を発表。常に「戦士」「誇り」「歴史」「北欧神話」といったテーマを軸に、デスメタルの本質を守り抜いています。2025年、15thアルバム『Fire Upon Your Lands』を発売。結成から35年以上経ったそのサウンドは単なる暴力性ではなく、文化的・神話的要素を融合させた“北欧の誇り”そのものです。UNLEASHEDは、今なお世界中のデスメタル・シーンに影響を与え続ける、真のレジェンドと言えるでしょう。

UNLEASHEDのバンドメンバーの変遷と現在のラインナップ

【現メンバー】
■ジョニー・ヘドランド（Johnny Hedlund） – Bass/Vocal（1989～）、Drums（1991）
■アンダース・シュルツ（Anders Schultz） – Drums（1989～）
■トーマス・オルソン（Tomas Olsson） – Guitar（1990～）
■フレドリック・フォルケ（Fredrik Folkare） – Guitar（1995～）

【過去メンバー】
■フレドリック・リンドグレン（Fredrik Lindgren） – Guitar（1989～1995）
■ロベルト・センネバック（Robert Sennebäck） – Guitar/Vocal（1989～1990）