バンド紹介

NECROPHAGIA（ネクロファジア）は、アメリカ出身のデス・メタル・バンドで、1983年にオハイオ州で結成されました。彼らは、デス・メタルというジャンルがまだ形成され始めた時代に活動を開始し、ジャンルの黎明期を支えた先駆者の一つとして知られています。独特のホラー映画から影響を受けた歌詞や雰囲気、そしてグロテスクで陰鬱な音楽性が特徴です。

NECROPHAGIAは1983年、キルジョイ（Killjoy）<Vo>を中心に結成されました。1987年にリリースされたデビューアルバム『Season of the Dead』は、初期デス・メタル作品の一つとして広く評価されています。このアルバムは、粗削りながらも独特のダークな雰囲気を持ち、ホラー映画からインスパイアされた歌詞が注目を集めました。

しかし、アルバムのリリース後、バンドは1988年に一度解散してしまいます。この時期は、バンドのメンバー間の意見の相違や音楽シーンの変化が影響していました。

キルジョイは1988年の解散直後に親しくなったPANTERAのフィリップ・”フィル”・アンセルモに説得され、1997年にバンドを再結成。同年、セカンドアルバム『Holocausto de la Morte』をリリースし、カムバックを果たしますが、2001年にEP『Cannibal Holocaust』をリリースしますが、レーベルのスケジュールが多忙となっため再び解散します。

2002年に残ったメンバーと元IMMORTALのイスカリア（Iscariah）<Ba>やSIGHの川嶋未来（Mirai Kawashima）<Key>らと共に再結成し、コンスタントにアルバムをリリースし続け、ホラー映画をテーマにした作品やビジュアルにこだわった音楽性を深化させました。代表的なアルバムには『The Divine Art of Torture』（2003年）や『Deathtrip 69』（2011年）があります。

彼らの作品は、単なる音楽作品としてだけでなく、ホラー映画ファンにとっても魅力的なコンセプトアルバムとして評価されています。

残念ながら、バンドの象徴であり唯一のオリジナルメンバーだったキルジョイが2018年3月18日に逝去しました。彼の死によってNECROPHAGIAは事実上解散しましたが、2024年にキルジョイがなくなる前の最後のレコーディングを収録した『Moribundis Grim』がリリースされました。

NECROPHAGIAは、デス・メタルとホラー映画文化を融合させたパイオニア的存在であり、彼らの音楽とコンセプトは今なお多くのファンやアーティストにインスピレーションを与えています。その独創性と影響力は、キルジョイという人物の熱意と才能によって支えられていたと言えるでしょう。