バンド紹介

SACRAMENTUM（サクラメントゥム）は、スウェーデン出身のメロディック・ブラック/デス・メタル・バンドで、1990年代のスカンジナビア・メタルシーンにおいて重要な位置を占める存在です。彼らの音楽は、冷たく荘厳なメロディと疾走感のあるブラックメタルの要素、そしてデス・メタルの攻撃的なサウンドを融合させた独自のスタイルで知られています。

SACRAMENTUMは、1990年にスウェーデンで結成されました。当初はTUMULUSという名前で活動していましたが、1992年に現在のバンド名であるSACRAMENTUMに改名。この頃から、ブラックメタルの雰囲気とメロディックな要素を組み合わせた独自の音楽性を模索し始めます。

1994年にはデビューEP『Finis Malorum』をリリース。この作品は、バンドの方向性を示す重要な一歩であり、荘厳で邪悪なメロディラインが特徴的でした。このEPにより、彼らはスウェーデンのアンダーグラウンドシーンで注目を集めるようになります。

1996年、バンドはデビューアルバム『Far Away from the Sun』をリリース。このアルバムは、メロディック・ブラック/デス・メタルの金字塔とされ、冷たく美しいギターリフ、ドラマチックな曲構成、そしてブラックメタル特有の荒々しいボーカルが高く評価されました。

特に、DISSECTIONやNECROPHOBICなど、同時期に活動していたバンドと比較されることが多く、SACRAMENTUMはこのジャンルの確立において欠かせない存在となりました。

1997年、2ndアルバム『The Coming of Chaos』をリリース。このアルバムでは、初期の冷たさを保ちながら、デス・メタルの要素をさらに前面に押し出した攻撃的な作品となっています。サウンドはより洗練され、ダイナミックな展開が特徴となりました。

続く1999年の3rdアルバム『Thy Black Destiny』では、ブラックメタルの雰囲気を保ちつつも、よりタイトで直接的な楽曲に焦点を当てています。この作品は、従来のファンにとっては賛否が分かれるものの、バンドの音楽的な幅を広げる結果となりました。

2000年代に入ると、メンバーの入れ替えや音楽シーンの変化により、バンドの活動は次第に減少しました。正式な解散宣言はありませんでしたが、新作のリリースは途絶え、事実上の活動休止状態に陥りました。

しかし、SACRAMENTUMの作品は現在でもカルト的な人気を誇り、2008年には、最後の2枚のアルバムが再発され、2013年に再発されたデビューアルバム『Far Away from the Sun』はメロディック・ブラック/デス・メタルの名作として語り継がれています。彼らの音楽は後続のバンドに多大な影響を与え、ブラックメタルとデス・メタルの融合を探求するバンドにとっての指標となっています。

20年近く活動を休止していたバンドは、2022年にライヴ活動を開始。現在4枚目のアルバム制作が進んでおり、近くリリースされる予定です。

SSACRAMENTUMは、短い活動期間ながらも、メロディック・ブラック/デス・メタルの歴史において重要な役割を果たしたバンドであり、その影響力は現在も色褪せることなく輝き続けています。