バンド紹介
ATHEIST(エイシスト)は、1984にアメリカ・フロリダ州サラソータで結成されたテクニカル・デス・メタルバンドです。当初はOBLIVIONという名前で活動していましたが、1985年にR.A.V.A.G.E.に、1988年にバンド名を今のATHEISTに変更しました。
彼らの音楽は初期の頃から他のデス・メタルバンドとは一線を画しており、ジャズやプログレッシブロックの影響を強く受けた複雑な構成と高度な演奏技術が特徴でした。フロリダ・デス・メタルシーンの一員として、OBITUARYやDEATHなどとともにその名を広めます。
1990年にデビューアルバム『Piece of Time』をリリース。このアルバムは、凄まじいスピード感、テクニカルなリフ、複雑なリズム構成によって注目を集め、テクニカル・デス・メタルの新たなスタンダードを確立しました。しかし同時に、この独自性ゆえに商業的な成功には恵まれませんでした。
1991年、バンドに大きな悲劇が襲います。2ndアルバムの制作中、ロジャー・パターソン(Roger Patterson)<Ba>が交通事故で急逝。この出来事はバンドにとって大きな痛手でしたが、彼らはその遺志を継いで活動を継続します。新たに、PESTILENCEやCYNICで活動したトニー・チョイ(Tony Choy)<Ba>が加入し、2ndアルバム『Unquestionable Presence』を1991年にリリース。ジャズ、フュージョン的な要素がより顕著になり、テクニカル・デス・メタルの名盤として評価されました。
1993年にリリースされた3rdアルバム『Elements』は、ジャズ、ラテン音楽、ファンクなど多彩なジャンルの要素を大胆に取り入れた実験的な作品です。しかし、レーベルとの問題やメンバー間の意見の相違などが重なり、同年にバンドは解散します。その後、ケリー・シェーファー(Kelly Shaefer)<Vo,Gt>はNEUROTICAという別プロジェクトを立ち上げ、しばらくATHEISTとしての活動は途絶えます。
2006年、オリジナルメンバーのケリー・シェーファーとスティーブ・フリンが中心となり再結成を果たし、ヨーロッパを中心にツアーを行います。この再結成によって再び注目を浴び、テクニカル・デス・メタルの重要バンドとしての地位を取り戻しました。
再結成後、2010年には17年ぶりの4thアルバム『Jupiter』をリリース。これはファンから高い評価を受け、過去の作品の特徴であったテクニカルで複雑なリフや変拍子を現代的な音作りで再構築した作品です。このアルバムによってATHEISTは「復活した伝説」として再びシーンにその存在感を刻みました。
ATHEISTはテクニカル・デス・メタルの先駆者として、OBSCURA、GORGUTS、BEYOND CREATIONなど後進のバンドに多大な影響を与え、その存在は現在もテクニカル・デス・メタル界において伝説的であり、多くのファンやミュージシャンに影響を与え続けています。
アルバムレビュー(最新アルバム順)
Jupiter(2010)
- Second To Sun
- Ficitious Glide
- Fraudulent Cloth
- Live And Live Again
- Faux King Christ
- Tortoise The Titan
- When The Beast
- Third Person
Elements(1993)
- Green
- Water
- Samba Briza
- Air
- Displacement
- Animal
- Mineral
- Fire
- Fractal Point
- Earth
- See You Again
- Elements
Unquestionable Presence(1991)
- Mother Man
- Unquestionable Presence
- Your Life’s Retribution
- Enthralled In Essence
- An Incarnation’s Dream
- The Formative Years
- Brains
- And The Psychic Saw
Piece Of Time(1990)
- Piece Of Time
- Unholy War
- Room With A View
- On They Slay
- Beyond
- I Deny
- Why Bother ?
- Life
- No Truth
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